日常のかけら
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◇虫干し◇

うわぁ…きれぇ…
寝所から見える三蔵専用──本当は違うけど──の庭に臨時の物干場が出来て、そこに三蔵の衣が干されていた。
いつも綺麗にたたまれて、すっごくイイ匂いのするお香が焚きしめられている三蔵の衣。
赤、黄、緑…綺麗な色できらきら光ってる。

あ、そうか、今日は虫干しの日だ。

年に2回、笙玄が三蔵の衣と袈裟を風に当てて、日に干す日。
そうしないと虫が食ったり、カビが生えたりするんだって。
干して、たたんでとっても大変な作業らしいけど、俺はこの日が結構好き。
だって、綺麗な色や模様が間近で見られるし、イイ匂いもするから。
そんで、揺れてる衣装を三蔵が着たところを想像する。
実際に見た方が何倍も綺麗で、カッコイイけど、いつも着てくれる訳じゃないから、想像する。
うん、三蔵は何着ても似合うからいいんだよな。

三蔵は綺麗になるのが嫌みたいだけど、俺は大好き。

(悟 空)

2005年09月24日(土)


◇憎たらしい◇

三蔵の綺麗な瞳を隠して見た。
何だか全体の印象が柔らかくなった?
でもなあ…口がなあ、笑ってるんだ。
それが妙にスケベっぽくて、いや〜な予感がする。
このまま体重をかけて後ろへひっくり返して逃げてやろうか。
あ、でも三蔵の手、しっかりと人の腰を掴んで離してくれなさそうだし…。
じゃあ、鼻の頭、囓ってやろうか。
顔に歯形付けた三蔵って笑えるよな。
でもそうすると、人前に出られないとか言って仕事さぼって、笙玄を泣かすんだ。
そんで、俺の所為だからとか難癖付けてやらしいことたくさんされそうだし、させられそうだ。
困ったなあ…。
ああ、うっすら笑ったこの余裕がめちゃくちゃ憎たらしい。

(悟 空)

2005年09月19日(月)