日常のかけら
◇今だけ…◇
するりと透明な蜜色の瞳を片手で覆う。 小さな顔は俺の手のひらでその殆どが覆われてしまって。 お前は小さく身体を揺らして。 いつも俺を見つけた時、ぱっと花が咲いたように顔を綻ばせ、俺が自分を見ていると気付けば、途端に戸惑い、少し怯えた表情になる。 だから、時折こうやって触れる。 そう、ただふわりと抱きしめるだけ。 たった、それだけでお前は追いつめられた小さな動物のように身体を強張らせてしまう。 それも最近、ほんの少し慣れたのか、身体の強張りがすぐに解けるようになった。 その細い項に、その小さな背中に、その薄い胸に秘めた想いはどんなものなのだろう。 その華奢な身体で背負ってきたものはもう、降ろせたのだろうか。 今だけ、この一時だけでも、お前の竦んだ心がほどけていればいいと願う。 今だけ……
(三 蔵/愛をください)
2005年08月19日(金)
◇あなたらしく◇
あなたのその紅い髪と澄んだ紅玉に似合う夏らしい洋服を僕が選んできました。 そのしなやかな肢体を包んで、さりげなく大人の雰囲気で、そして誰より優しいあなたらしい…。 何も言わず黙って立っていればモデルもかくやと言うほどの美丈夫なくせに、いつもいつも洋服を着崩して、だらしなく、軽薄な印象ばかりが目立って。
ねえ、あなたのもう一つの顔は僕だけが知っていればいいんですか? ねえ、悟浄?
(八 戒/Gaze)
2005年08月09日(火)
◇あなたって人は◇
片手を上げて入ってきたあの人は、どこからそう見ても遊び人で。 鼻眼鏡になったサングラスから覗く紅玉はイタズラ好きの少年みたいに楽しそうで。 夏で、暑いのですからラフな格好がいけないとは言いません。 言いませんが、仕事の時ぐらいキめても文句は出ないと思いますよ。
(八 戒/Gaze)
2005年08月07日(日)
◇さんぞ…?◇
寝ぼけた頭のままで、いってらっしゃいをした。 三蔵が出掛ける間際まで、愛してくれたのはよく覚えてる。 でも、はっきりした頭で、すっきりした顔で、三蔵が好きだと行ってくれる笑顔で送り出したかったなあって思う。 それに、こんな風に三蔵が着ていた夜着を着せてくれたりなんかしたら、泣きたくなる。 せっかく我慢した淋しい気持ちが起き出してくるから。 こんな風にかまってくれるなら、もっと一杯傍に居て、仕事にも連れて行って、片時も離さないでいて欲しい。 それって、贅沢? 我が儘? ねえ…三蔵…
(悟 空)
2005年08月06日(土)
◇もう…◇
さっきまで凄い不機嫌だったくせに。 さっきまで笙玄と口もきかなっかたくせに。 何、機嫌直してんだよ。 俺を置いて行くんだから、不機嫌なままで居てくれた方がちょっとは、後悔してくれてるのかなとか、俺を気にかけて不機嫌なんだとか思えるのに。 機嫌良く出掛けたら俺を置いていくのが嬉しいみたいに見えるじゃんか。 それって、何だかすっげえ腹立つ。 でも…でも… いってらっしゃいにしたら凄く長くて、一杯だったキスは…気持ちよくて…。 不意打ちで、びっくりしてる間だったから俺はどぎまぎして、せっかくのいってらっしゃいも上手く言えなかったけど… 俺とのキスで機嫌が直ってたのなら嬉しい…。
(悟 空)
2005年08月05日(金)
◇だって…◇
だって、ここも俺の所有だからいいじゃん。 現場主義なんだから。 それに、お前は裏担当。 表担当の天蓬には断って来てるし…。 現場を知らないと会社は上手く廻らないだろう? な、八戒v
(悟 浄/Gaze)
2005年08月03日(水)
◇アルバイト◇
捜して、捜して、漸く見つければ何々ですか。 こんな有名な海水浴場で、それも海の家で、たこ焼きですか? 焼きそばですか? 僕がどれだけ捜したと想ってるんですか。 少しは自覚を持つ気はないんですか?
(八 戒/Gaze)
2005年08月02日(火)
◇クールビズ?◇
何着ようと文句は言いません。 言いませんが、それは辞めて欲しいです。 ええ、そんな格好していたら本当に下っ端の気の良い兄ちゃんにしか見えません。 本当にそれで会議に出るつもりですか…?
(八 戒/Gaze)
2005年08月01日(月)
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