日常のかけら
◇誰にも…◇
気付かなければいい。 こんな醜い気持ちなど。 こんな不様な自分の姿など見なくていい。 たった一言で揺らぐ己の脆弱さを今更ながらに噛みしめる自分の姿など。 その澄んだ瞳には、明るい世界だけを映していてくれればいい。 暗い想いはあの牢獄に捨てて来たはずだから。 お前が綻ぶ笑顔を見せてくれたら醜い俺も少しは浄化された気持ちになるだろうから。 だが、今は何も見ないでくれ。 何も気付かないでくれ。 今この時だけ……
(三 蔵)
2005年07月31日(日)
◇空へ…◇
ここなら誰もいないし、誰もお前を見咎める奴はいないから、想う存分飛んでこい。 但し、高度は保てよ。 お前が息苦しくない高さまで上がって、その翼を広げてこい。
俺か? 俺はここでお前が戻って来るのを待ってるよ。 だから気にせず、思いっきり飛んでこい。
上から見る昼の大地は綺麗だから、その目で確かめてくればいい。 で、帰って来たら、俺に教えてくれ。
(三 蔵/Get out)
2005年07月24日(日)
◇金 色◇
すぐに俯くから頬に手を添えて顔を上げさせたら、無防備な澄んだ金色が見えた。 いつもと同じように少しの戸惑いと、怯えを滲ませた金色。 お前はいつになったら屈託なく笑うようになるんだろうな…。 その切っ掛けが早く見つかるといいが…。 その時、傍でその笑顔が見られたらいがな。
(三 蔵/愛をください)
2005年07月14日(木)
◇初めまして◇
こんにちは、初めまして悟空。 僕は猪八戒といいます。 今日からあなたの先生です。
そんな三蔵の後ろに隠れなくても大丈夫ですよ。 可愛い悟空をいじめたりしませんから。
僕はあなたにマナーや勉強を教えるんですよ。 よろしく。
何もしませんから、握手して下さい。 ね、悟空。
(八 戒/愛をください)
2005年07月13日(水)
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