りえるの日記

2006年01月28日(土) ひれ酒

「ある子供」を見る。
この映画館に行くまでの道のりは、
競馬をしているおじさんたちの煙草の煙を浴びながら
少し汚物の匂いのする地下道を通らなければならない。

窃盗をして無責任に生きている若者が
だんだんと改心していく過程を描く。
殺伐さが痛い。

少し気持ちがどんよりとなる。

気をとりなおし、久しぶりに大好きな和食のお店に行く。
繊細な味付け。このだしは絶対に家で真似できない。
どうしてもひれ酒が飲みたくて和食をチョイス。
ひれエキスが日本酒に広がり、味がまろやかになる。
冬にしっぽりとひれ酒。
いい夜だ。





2006年01月27日(金) マルチェッロ

フランス語学校に行くと、
ライブラリーに「嘔吐」サルトルの本が目に飛び込む。
手にとってみると、面白そう。

家のCD棚を見ていると、リコーダー名曲集を発見。
マルチェッロのリコーダー協奏曲 二短調 
リコーダーの澄んだ音色。
重厚なオペラもいいが、時には
クラシックギターやリコーダーを聞くと、荒立った心が
穏やかになる。

ずっと行方不明になっていた「8人の女たち」のサントラも見つかる。
これもゆっくり聞こう。





2006年01月25日(水) イヴォンヌの香り

ルコント監督「イヴォンヌの香り」
エロティックな映像と視線。囁くフランス語。
この映画、初めて見たときからずっと好き。

ルコントが好きな女性のエロティックの感性が
私とぴったり好みがあう。
その仕草は体がぞくぞくするとか。

イヴォンヌから艶かしくゆっくりと
攻められたとき、ヴィクトールの口元が微妙にゆるむ瞬間、
心から淫靡の喜びに満ちている表情がいい



2006年01月24日(火) アンゲロプロス

アンゲロプロス「こうのとり、たちずさんで」見てきた。
意外に人が多かった。
アンゲロプロスは映画館でみないと
素晴らしさは半減する。
群像美と暗い色に浮き出る白、赤色、黄色が堪能できない。
ジャンヌ・モローが出演していて、
かもしだす雰囲気と気品。素敵だった。
ああいう風に年をとりたい。

アンゲロプロスを理解するには、
ホメロスを読むべきらしい。
ホメロス。またチェックしてみよう。
プルーストを注文したら、一時的な品切れで
2月8日頃届くらしい。



2006年01月22日(日) 冷たい接吻

日曜美術館で鏡花の美人画を取りあげていた
鏡花もじっくり再読したい作家。

以前から気になる鏡花本の挿絵。
綺麗で妖艶な世界。
美しさに引き寄せられて、動物の姿に変えられる男達。
日曜美術館の本を読んでみよう。
随分前に小泉今日子が鏡花の「金魚」が好きって言っていた
記憶があるけど、そんな作品あるのかな。

永井荷風「あめりか物語」を読む。

冷たい接吻。キリスト教信者の妻の献身的な愛に魅了されて
結婚した男。だが、だんだんその受動的な愛に憎悪をつのらせる
かつて心洗われた讃美歌が妻の口から歌われると
恐怖と憎悪の歌に変わる。
妻の頬に接吻すると、人間の肌のぬくもりをまったく感じない
感情をもたない大理石のようだと言っていた。

この表現よく分かる。狂信的な聖女の冷たい肌。

荷風の見ている視点は好きだ。



2006年01月21日(土) 寄り道

プルーストの前に寄り道ばかり

バルザック「従妹ベット」読了。
70歳になっても聖女でなく、心のあばずれ女や娼婦に
翻弄される男達。
毒婦の離れられない魅力とどうしようもない男達
そして、全てを受け入れるカトリック信者の女。
バルザックの見事な人間劇。面白かった。

読了後、永井荷風「あめりか物語」「随筆集」を買ってしまう



2006年01月16日(月) 美しい人

電車に乗っていると、窓に隠れて、唇しか見えないのだけど、
美しい人はだいだい分かる
車両に入ってくると、見事に美しいお姿。
普通の装いなのに、隠せない美しさ。
伏し目がちにメールをしている姿を見て、
いったい誰にメールをして憂いの眼差しをしているのだろうと
気をもんだり。
文庫本を手に取り、読書をしてる姿も美しい。
女性の背筋を伸ばして伏し目がちな姿は素敵。
かたや、朝の電車で割り込んでくる女性。
絶対、ぶさいくだと思ったら案の定、何にも考えてない顔。

立ち振る舞いだけで、こうも違うものか
日頃から、バレエダンサーのごとく、背筋をのばして
流れるような動作を心がけたい。



2006年01月14日(土) サラバンド

今日の音楽は、バッハ管弦楽。
バッハを聞いているとなぜかゴダールの映画を見たく
なってきた。

バルザックを読んでいると
「サラバンドにあわせて踊ろう」という台詞

今、弾いているフランス組曲もアルマンド、ガボット、 
クーラント、サラバンドがあり、それぞれ弾き方も変わってくる。

クーラントはフランス語ではクールが流れるという意味だから
流れるように弾くのかなと想像できる。

練習中のフランス組曲5番のサラバンドはゆったりとして
牧歌的で、昔の思い出を語っているような曲
バルザックの小説の場面だと、心浮き立つときに
言っているので、また印象が違うのかな。



2006年01月10日(火) ルーツ

「愛より強い旅」

自分のルーツを求めて移民の二人の旅が始まる
ロマン・デュルス演じるザノが素敵だ。
髪もぐちゃぐちゃ、無精ひげ、洋服も汚れ放題なのに
探偵物語の松田優作のような帽子をいつもかぶっている。
ストーリとしては、あらい仕上げだが、
音楽とロマン・デュルスで最後まで楽しめた。





2006年01月09日(月) 従妹ベット

美容院に行く。
美容院ではたっぷりと時間があるため
いつも本をもっていく。
今日のセレクトは数年前に古本屋で買った
「従妹ベット」バルザック
内容を知らないで題名だけきいたときは従妹のベットの
話かと思っていた。ベットはリスベットという従妹の愛称で
決して、寝具のベットではない。

このお話。すごくおもしろい。
登場人物がすべてが見事に生きている。
なんで文庫にならないんだろう。
人間喜劇バルザックここにあり!だ。
まだ半分しか読んでないが、続きが楽しみだ。
名作は、はやく次が読みたくて、うずうずする。



2006年01月08日(日) 練習会

ピアノの練習会
今日の演奏曲はフォーレノクターン3番
バッハフランス組曲5番ガボット、ブーレ

練習もあまりしていなかったから満足できる演奏が
できるはずもないが、悔やまれる。
ピアノは一人で演奏する楽器なので、こういった
練習会があるとモチベーションもあがる。
以前、チェロとあわせて弾いたことがある
自分の演奏が、いかに自分勝手に弾いていたかが
よくわかった。合奏は難しい。




2006年01月07日(土) 鍼灸

最近、鍼灸治療に通っている
昔から強度の冷え性で、困っているからだ
針は初めてでうたれる瞬間まですごく緊張する
つぼにはまると、体の中に鈍い血の流れを感じる
この鈍さが病みつきになる。
ドロドロとした血が浄化されるよう。

治療後、近くのフレンチへ。
ここは、友達のおすすめレストラン。
こってりとした味付けで、お酒飲みには
たまらない味。
量が多いので一番安いコースで
お酒をいただくのが一番良かったようだ。



2006年01月04日(水) 埋め合わせ

トリュフォー「夜霧の恋人たち」より

「祖父が亡くなった時、祖父の家に皆集まり
哀しくて、いとこと泣いた。
葬式の後、屋根裏に上がり従妹と抱き合った。
それを皆がみたら凄い光景に驚いたろうよ」

「埋め合わせのセックスさ」
「生きている証拠だよ」

刹那的だけど、生きている証拠。
トリスタンの最上の愛とはまた違う愛もある

ナポレオン展面白かった。
博物館の空間に自分の身をおくのが好き。
すごく気分転換になる



2006年01月01日(日) 帰省

帰省中は、快調に読書もすすみ、
乱歩読破。
「芋虫」は映画を見てしまい
文章で醜さをどれだけ想像できるかためしてみたかったから
少し残念。
「陰獣」は、乗馬用の鞭がでてきたりと、サディスティクな世界で
「O嬢の物語」を思い出した。

ダンテは地獄篇を2回読めたから良かった。

音楽は、今はバッハの平均律(リヒテル)
素晴らしい。神々しさというより、音楽に対する情念を感じる。
いつかは私も演奏したい。


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