遠雷

bluelotus【MAIL

決心
2007年12月12日(水)

仕事を辞めることを決めました。いい年をして、学校にいこうかなどと考えています。もういい加減我慢がならなかったということもありますが、気持ちも一段落ついたところで、分かりやすい形で一歩踏み出してみようかと思ったのです。

今の仕事は、好きな仕事ではあります。ただし、やりたい職種ではありません。本当にやりたいことを、この数ヶ月ずっと考え続けてきました。具体的に掴めるイメージが固まったことと、やってみようという気持ちが生まれたこと、責任感と安定したポジションから離れることの不安だけで惰性で働いていることへの疲れと。すべてが高まって、「辞めよう、やりたいことのために、私は辞めてもいいのだ」と思えるようになりました。

あんなに、職場近辺が思い出があるからといるのが辛かったのに、それが慣れてしまった今は思い出があるからと離れてしまうのが悲しい気分になっていたことも、辞めるのを遅らせた一因でもあるでしょう。それでも、辞めようと思いました。

「彼はやりたいこともやれなかった。彼の分も私はやりたいことをやる」
そんな気持ちがない訳でもありませんが、それだけではいけないだろうと思います。(彼は仕事面では、病のことさえなければ割と恵まれた職種・職場にいたと思うのもありますが、)何でもかんでも「彼の分も」と言うのは簡単で、いくらでも言い訳に使えるからです。それよりも、陳腐な言い方ではあるけれど、「彼に胸を張って報告できるようなこと」を少しでもできるようになろうと思います。

今とは全然関係のない前の仕事を辞めようとして、かなり行きたかった職場への面接に行った帰り、興奮からか結構飲んでしまって、これからやろうとしている業界へ思うことなどを熱く語ってしまったことがありました。仕事については私はそれまでそんなに熱弁を振るったことがなかったのですが、彼はたかがそれだけのことでも「こんなに仕事について熱く語るのは初めてだよね」とやはり嬉しそうだったことを、これまたやはり些細な事ですが私は覚えています。結局その会社には入る事はなかったのですが、この業界で頑張って行きたいと、色々思っている事を話したはずです。そして真剣に聞いてくれたのです。

そんな風にまた、話ができたらいいのにと思います、もちろん。けれど、彼がもし生きていたら、今のこの私の選択は絶対あり得なかったと確信してもいます。もしかしたらここまで自分の考えが発展してすらないはずです。結婚していてもいなくても、心の病を抱えた状態の人を片手に収入のなくなる道を選ぶ事は私には不可能ですし、今の職場を辞めるにしても転職という形になるでしょう。だからといって、もし彼の生か自分の夢かと選べるのだとしたら、自分の夢などは二の次です。比べられはしません。でも彼をどうやっても選べない今は、夢か夢のない人生かという選択ししかなくて、私は夢をとるしかありません。そして夢を持てたというだけで、私は幸せな人間なのだと思います。あの時語った夢とは少し違ってきたけれど、基本部分は変わってはいないのですから、彼に応援されたと言えるのではないでしょうか。それならやっぱり、私は幸せ者なのだと思います。



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