遠雷

bluelotus【MAIL

新年度
2008年02月05日(火)

今月一杯で退職という事に決まりました。色々あったこの年月が幻に思えるほどあっけなく一ヶ月を切り、まだ問題は解決していないことが山積みだというのに、もう、半分職場から体が飛び出してしまったような感覚と後ろめたさとを感じつつ、とりあえず嬉しいような悲しいような…と、そんな焦点のはっきりしないような形容詞でお茶を濁す日々です。

金銭面を含め不安だらけではあります。学費は何とかなるものの、年金やら住民税やらはにはひたすら頭が痛く、高校出たての若い子たちのなかに入って、こんなオバさんが大丈夫だろうかとか。遠距離通学に耐えられるだろうかとか。でも、なぜか、卒業後の未来にあまり不安がないのです。ハッキリ言って全然商売にならないようなことを学ぼうとしているにもかかわらず、漠然と、何とかなるような気がしてしまうのです。今まで思い切った、堅実な道しか選ばなかった、この私が。石橋を特大ハンマーで叩く性格な一方、本当に大きな局面では片手でハンマーを投げ出しながら、もう一方で賽子を投げてしまうという隠していた性格が、ここに来て能天気に首をもたげてきたようです。困った事に、それがなぜか楽しいと思えてしまうのです。そして、そんな風に思えることも初めてなこともまた、うれしいのです。

そして、ほかにも色々計画していることが実現しつつあり、現れ始めた小さな成果を目にするたび、間違ってなかったのだろうと思えるのです。新しい世界が広がり、いろいろな出会いがあります。親と、今まで話したことのなかったような会話ができたり。

先日、旅番組で偶然に彼の住んでいた町の、本当に近所が映ったときには泣いてしまいました。たぶん、少し前より彼の事を考える事が増えたような気がします。成仏していると信じて解放されたような気がしたあとに、自分の事で精一杯だったりもしたので、なんとなくあまり彼の事を思い出す機会が減っていました。別に減ったからと言って忘れている訳ではないのに、やっぱり少し後ろめたいのに、それでもなんとなく考えない(思い出さない)日々でした。今は、後ろめたいからというわけではないけれど、寂しさも覚えつつ考えられるのです。やっと足下が定まりかけたからかもしれません。なんだか、6月に、彼の仲間たちに今の自分の境遇を説明することが楽しみ、そんな気分なのです。



BACK   NEXT
目次ページ