遠雷

bluelotus【MAIL

彼はショートカットが好きでした
2004年09月30日(木)

私は子供の頃やある一時期を除いてずっと髪が短いのですが、あれから髪を伸ばしはじめました。よく、漫画などでは失恋やら心機一転再出発の為に髪を切るというなどありますが、これ以上短くするわけにもいかない私は、Hに対するまるで嫌味のように伸ばすことに決めたのです。

髪を伸ばすのもいいのですが、今朝まじまじと鏡を見たら愕然とするくらい老けた私がいました。あまり手入れにも身が入らなくて、基礎化粧品もドラッグストアの安いものを使い、メイクをしてもマスカラやシャドウなどめったに使わなくなっていました。もともと不精なので手のこんだことはしていなかったのですが、寄る年並と心労(と言っても許してもらえると思います)が重なり、めっきり老け込んでしまった様です。いつも、必要以上と言っていい程若く見られてきた方なので少々ショックを受けています。

さすがに思い立ち、久々に化粧品に散財しました。ヘレナの美容液と、クリーム。あとガンガン使えるような安いパック。肌が落ち着いてきたら、新しいファンデとパウダーが欲しいです。アイクリームもそろそろ必要になってくる年齢ですし、シミも気になる…。最近洋服には散財していましたが、しばらくはこっちにお小遣いを回しましょう。

ちゃんとお手入れしてキレイになって髪も長くなったころには、自信をもって一人立ちできるような大人の女になれているといいのですが。


備忘録
2004年09月29日(水)

ネットから離れていた1ヶ月のあいだ、いろいろありました。仕事もちょっと動きがあり、困ったような嬉しいようなという事態で、悩みはつきません。

Hの関係では、まずはHの友人たちの忍ぶ会がありました。私とはお葬式の前に一度会ったことがある程度の人か初対面の人ばかりでしたが、友人夫婦も一緒にいってくれたので、ひとり寂しく座っているということもなく非常に楽しい会でした。Hがいないことが不思議なくらい。楽しすぎてちょっと心が痛いくらいに。

他には、私の中では大きいことなのですが、Hが最期のときも身につけていたお守りを納めに行きました。そのお守りは、私が旅行に行った際に、丁度就職活動をしていたHのために買ってきたものでした。Hは、写真嫌いの私が珍しくあげた免許の更新の為に撮った証明写真をその中にしまい、ちょうど寅さんのように首からかけていました。

お守りとは言え肌身離さずつけていたものですしお棺の中に入れたいと思いましたが、式が行われた宗派の問題でそれは叶わず、結局中の写真のみ入れてお守りは私が持ち帰りました。49日が過ぎてから納めに行こうと思ってしばらく置いていたのですが、遠方と言うこともありなかなか行くことが叶わなかったところに近くに出張の機会が合ったので合わせて休みを取り、急遽行ってきました。

天気がよくとても暑い日でしたが、木立の中に納札所はあり、静かで涼しくて、なかなか立ち去れませんでした。中に納めたあと、何度、もう一度手にとってしまおうかと思いかけたでしょうか。もう一度手を触れたい、匂いを確かめたいと思いましたが、さすがに一度中に入れてしまったものを柵の中に手を差し入れて取り出すのは躊躇われましたので、勿論なにもしていません。そして納めた後に、Hが教義が一番納得出来たから別に信者じゃないけれど信者のつもりであると言っていた宗派のお寺にも寄り、お経をあげてもらいました。せめて、その教えが少しでもHに届いているといいのですが。

これで、すべてが終わった気がします。あとは、本当のお墓に納めるだけ、でしょうか。でも、それはもう私とは直接関係のない次元のはなしになっていますから、行けるだけお参りに行くだけのことです。寂しいですけれど。


なんとか復活しました。
2004年09月28日(火)

どうもモチベーションがあがらず、同タイプの中古機を探すまでに時間がかかり(古すぎて見つからず…)、家に届いたはいいけれど中をあけてディスク交換するまでにしばらくかかり(休日はだるくて…)、更にケーブルテレビ会社に修理に来てもらうまでに時間がかかり(部屋が散らかっていたので…)、なんだかんだで1ヶ月以上経ってしまいました。もう、読んで下さっていた方からも忘れられてしまっているかもしれませんが、とりあえずまた書いてみようと思っています。

昨晩、はじめてだと思います。夢を見ました。いいタイミングすぎますよね。日記再開に合わせてだなんて。それも、なぜ夢にすら出てきてくれないんだろうと思っていて、お盆にもお彼岸にも音沙汰がなくて3ヶ月たってやっと見た夢が、別れる夢でした。

もちろん彼は生きていて、そして、ある日いなくなってしまいました。見つかったと思ったら、なぜかとても遠い田舎で、ある仕事(昔、希望していた職種)の足掛かりとなるようなことを始めていて、そちらにずっといるつもりだから別れようと言う。夢なのに都合良くいかない。遠距離恋愛の期間すらない。見つからないあいだ私は今のようにやはり泣いていて、Hのほうが冷たくて、多分本当に失踪していたとしたらそんな感じではなかっただろうという状況ではありました。

生前、全部捨てて失踪してしまおうかと思うことがあると時々言っていました。仕事がうまくいかないことが辛くて、家族のことが辛くて、私のことが辛くて、全部が混ざって苦しくて放り出してしまいたくなると。現に、私と出会う前に一度短期間半失踪のようなことをしたこともあった様です。今だって完全失踪してるようなものですけれど、でも、行方不明ならばどこかで生きている可能性があるわけですよね。北朝鮮だって北極だって火星だって。今となっては、それでもいいから、なんでもいいから生きていてほしかったと思います。

そういう夢を見る要因となったであろうものに心当たりがあります。いじっぱりで恥ずかしがりなヒロインが性格だけでなく外見も私に似ていて、主人公も少しHに似ている、二人の関係も似ていると言って嬉しそうにHが読んでいた漫画の新刊を読みました。私達にはもう未来はないけれど、彼等には幸せな時間があって、そして思い出より二人で生きる未来が大事だと話している。それも、Hが言っていたような台詞を話している。最近はずっと嗚咽を殺していたけれど、久々に声をあげて泣きました。そしてどうやらひねくれた私は反対の内容の夢を見てしまった様です。

嫌な夢でも構わないからたまにはHの動く姿を見ることは嬉しい。嫌な夢だったなら、起きた時に楽しかった思い出を反芻すれば良いのですから。ふとした瞬間に冷たくて動かないHの姿が急に浮かんでしまわないように、むかついたとしても動いている姿をずっと思い浮かべられるように。そして忘れてしまわないように。時々でいいから、出てきてほしい。



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