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ムシトリ日記
加藤夏来
→ご意見・ご指摘等は

2005年05月29日(日)
連絡・いろいろ

はなこちゃんはお母さんとけんかしました。お母さんはとってもおこって、今日はおやつぬきよって言いました。はなこちゃんはおやつを食べられなかったのがとてもくやしかったので、お母さんがだいじにしていたとうきの人形を庭になげてわってしまいました。
おかあさんはかんかんです。お母さんにおこられたので、はなこちゃんはわんわん泣いて言いました。
「はなこちゃん悪くないもん! はなこちゃんにおやつをくれなかったお母さんがわるいんだもん!」
はなこちゃんはとっても悪い子ですね。みんなは、はなこちゃんはどうすればよかったのかわかるかな?



最近の……
日中情勢を見てて思ったこと。




軽い前説は置いといて、先日書き終わってから数えてみてびっくりしたんですが、小話が四百字詰め換算で十四枚もありますね。エピソードをちょっぱってるんだから楽に書けるのは当たり前としても、たまに箸休めで短いものを書くのも悪くないかもしれません。そのうちちょっと手直しして、DQのリストに格納しておきます。

および、本日は連絡事項の日です。9/23のオンリーイベント、カリスマ収穫祭に出展することにしました。って言っても原稿はできてないどころか、内容さえ今から考えるんですが。

とりあえずマルククで小説なのは絶対として、せっかくだから18禁を目指します。それなりにまとまった長さの本にします。で、人生初のオフセットです。だいたいイベントにサークル参加するのも人生初で……ごめんなさい限界です。不安でぷるぷるしてます。

そういうアレな初体験は、同人仲間がたくさんいた高校生時代に済ませとけよって感じですが、当時は今よりさらにもっとチキンだったのでしょうがありません。生まれたてのひよこのように震えてても埒が明かないので、手近な印刷屋さんに行って色々と教えてもらってきました。細かいところが定まったら、告知しますのでお待ちください。

さらに、更新はラリエットです。一本だけ集中的に進めるのもこれはこれで悪くないのですが、さすがにダレるので合いの手気味に他のものも交ぜていこうと思います。

そして、リンクに一件お出迎えしました。太郎飴さんの「Dragon’s Deep」です。マルクク茶で同席したご縁なのですが、サイトにうかがってびっくりです。二次創作で自分よりも重い文体の人というのを、久しぶりに拝見しました。まあサイトの構成といい題材といい、すがすがしいほど潔く重いです。太郎飴さんに比べたら自分の小説なんぞ、京極堂の隣に座った関口巽くらい軽快に見えまして、あまりに嬉しかったのでリンクさせていただきました。太郎飴さん、いつも妙な話につきあってくれてありがとうね。ちょっと私信。

内容のまとまりがありませんが、本日はそういう日です。明日は大阪でお祭ですね。皆さん行ってらっしゃいませ!(血の涙で見送る貞子)



2005年05月24日(火)
小話

「芸能人は語る・私はこうして女口説きました」みたいなネタを、ついさっきTVでやってました。また得意げに下らんネタ披露しおってと苦笑しながら食事していたのですが、その時ふと思ったことです。

そこらの名前も知らない芸能人ならどうでもいい。
しかし例えば。



(東京版パラレル)
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たまに遊びに連れ出しても、兄貴と行くところなんて決まってる。
何も言わずにまっすぐ本屋。それも縦に潰れちまえってくらい、上から下までくそ難しい紙の束が詰まってる専門書店。兄貴がお目当ての(何語だか分からない)本を見つけて出てくるまで、俺は迷子の子供よろしく古臭い喫茶室でアイスコーヒーを啜っている。
やっと天の岩戸の向こう側からお出ましあそばしても、それからがまた長い。向かいの席に座って読む。黙々と、最初から最後までチェックしてる。その割には早いほうだと思うが、待っているほうとしてはほとんど地獄のように長い。
それも、一言でも文句を垂れるとこうだ。

「じゃあ、帰るか?」
俺一人で。

いや別に順当に遊び場所に行けたって特典はない……兄貴は騒がしい場所は好みじゃないし、俺たちにはまるで本物の恋人みたいに寄り添って歩いたり、人目に気兼ねせず幸福をばらまいて回るなんて日は永遠にやって来ない。
でも精々いつもよりは少し長く、連続した時間、お互いに向かって注意を注いでみたいじゃないか。そうしたって兄貴の愛想のなさは変わることがないんだろうけど。

もろもろの願望と現実の折り合うところ、俺は店屋めぐりをするのが一番好きだった。兄貴だって歩きながら本を読むわけにもいかないし、さすがに一緒に歩いている間はすぐ隣にいる俺を無視するのはおかしい。

特に何か買うわけでもなかったが、緩慢に移り変わっていく周囲の景色の中で、ちょっとしたものに兄貴が意表を突かれたり、真面目くさった顔で売り物に短いコメントをつけたりするのを見ているのは、意外に楽しかった。

そんなわけで、お決まりになってしまった店めぐりのコースの中、その骨董屋はあった。名前は今ちょっと出てこない。難しい発音の外国語の店名だ。兄貴に聞いたら、「心臓って意味だ」とのことだったので、ハツ屋と勝手に呼ぶことにした。

ハツ屋はやたら曲線の多い、金属の舶来物を中心に置いてある店だった。うっかりしてたら踏みつけそうなくらい小さな、度肝を抜かれるほど口の悪い婆さんが一人でやっている店で、いつ行っても何か一つは見たことのない出物があった。現代的な、光とデザイン根性にあふれたショッピングモールの中にあったのに、ここだけは何か悪い得物で抉ったように暗いので、いったいいつ潰れるのか最初はわくわくしながら見守っていたもんだ。残念なことにいつまで経ってもそうはならなかったので、諦めて普通の客になりにいった。金を使ったことは一度もなかったが。

根性が悪い同士で気が合うのか、ハツ屋に行くと兄貴と婆さんは仲良さそうに立ち話をしていた。俺は勝手にそこいらに置いてあるものを撫でたり眺めたり回したりして遊ぶ。ガレのランプがあった。天球儀があった。恐ろしく手の込んだディスクオルゴールも見かけたし、婆さんの眼光が恐ろしくて指紋一つつけられないボーンチャイナもあった。

そして、これだけはショーウィンドウの中に納められた、指輪があった。

ショーウィンドウと言っても木枠の箱型の机みたいな代物で、上の部分だけガラスが張ってある、ごく小さな奴を思い浮かべて欲しい。質こそ上物なんだろうが、いかんせんそこに並んでいる貴金属類(ネックレスも腕輪もカメオも)は、意匠が古かった。王侯貴族がローブデコルテの上につけるんでない限り、浮きまくるのは避けようがなかった。

しかし、その中に一つだけ交じった指輪――ごく直線的なホワイトゴールドの輪に、店名にちなんでなのか何なのか歪んだハートをあしらった形の――だけは、ごついくせに優雅で、超然としていて、時代に関係ない異彩を放っていた。

「結局最後はそこを見ることに決めてるのか?」
ある日店のもので一通り遊んで、最後にショーウィンドウに肘をついていたとき、兄貴がちょっと不思議そうにそう言った。
「別に決めてるわけじゃないよ。何となく締めのものっぽくなっちゃうんだ。色々見たいものはあるけど、この指輪っていつまで経っても売れないだろ? だから――」
「閑古鳥がぴいぴいしてて悪うござんしたね」

そのまま、いつものように罵詈雑言のキャッチボール、ならまだいいが乱打戦みたいなことを始めた俺たちに構わず、兄貴はショーウィンドウに近寄ってきた。どこの店でもまったく同じ、考古学者が発掘品を吟味してるような顔で、アクセサリーの並んだ箱を見下ろしている。

「指輪が欲しいのか」
「欲しくない」

脊髄反射よりも素早く答えてしまって、内心しまったと思った。本当のところ、憧れたことがなかったわけじゃない。男同士のパートナーシップを築いている知り合いには、きちんと指輪を交わしている人たちも何人かいて、俺はそのさり気なさが羨ましかった――例えあまり上手くいっていないところを目にしたとしても。

意識しないでいても構わないほど、その間には確実なつながりが存在している。痴話喧嘩も、倦怠でさえ、もともと何かそういう属性のあるつながりでなかったらできない作業だ。俺は自分の好きな男にそんなものを求められるとは思っていなかった……求めていいとは思えなかった。

「別に必要ないからさ」
「そうか」

あっさり納得すると、兄貴は引き下がった。というか、婆さんに軽く会釈してそのまま店を後にした。慌てて後を追う――自分がただの高校生のガキにしか過ぎないことが、熱いほど嫌になるのはこういうときだ。指輪には六桁の値札がついていた。もし、色んなことが自由になる大人だったら、張りたい意地と自分の本音に折り合いをつけるために、あの指輪の身代金くらい用意しただろうに。金で解決って最高だよな。




それから確か一月くらいあって、またハツ屋に入ったとき、今度は兄貴はショーウィンドウを覗いている俺の背後に立った。

「指輪が欲しいのか」
「……いらないってば」

ショーウィンドウにもたれかかるような姿勢で振り返ってみると、兄貴は腕を組み、婆さんは明らかに眼に殺気がこもっている。慌ててもたれるのはやめた。

「あのね、おじさん。俺をその辺の女の子か何かと勘違いしてる? 白いドレスにベールかぶって、教会で『誓います』なんて言いたがると思ってる? お断りだよ、そんなもの。気味の悪い、だいいちもし万が一思ってるにしても、どうしてそうしてほしい相手があんただと思うんだ。何回も言ってるだろ――俺の相手は一人や二人じゃないんだって」
「わたしは指輪が欲しいのか聞いただけで、別にそれにどんな意味があるなんて言ってないんだが」

ごく普通の兄弟にしては大分支障のある会話を聞きながらも、婆さんは退屈そうに欠伸していた。どっこいこの程度のことで動揺するような婆あではない。

「……欲しいって言ったって、どうせくれないくせに」
間を挟みこんでそう言うと、兄貴はいかにも考え深そうな顔つきで首をかたむけた。
「そりゃあな。お前の欲しがるものをいちいち全部与えてたら、わたしはあっという間に日干しになる」
「全部もなにも、かけらも言うこと聞いてくれないくせに……」

思いもかけず感情が突き上げてきたので、少し動揺する。兄弟だから、年に差があるから、普通の間柄じゃないから、ごく普通の日常が「それっぽく」ないのは仕方ないんだと思っていた。でも、そんな言い訳に関係なく不安はたまる。ありふれたやり口でないんだったら、どんな方法で気持ちを確かめればいいんだろう。そういうときにつかまるものが、俺には足りなかった。

「……本当に欲しいものがあるんだったら、もうちょっと粘ってみればいいだろう…」

声に溜息が交じっていたような気がする。
兄貴は指の骨でショーウィンドウを叩いた。
「これ、見せていただけますか」
「どうすんだよ?」
「運試しだよ」

慎重な手つきで開けられる箱を、相変わらず冷静な目つきで兄貴は見下ろした。
「たまには賭けてみろ、ククール。その指輪、結構な年代らしいな。そんな縁もゆかりも無いようなものが、もしぴったりはまったら、望み通りお前に買ってやるよ」

台ごと持ち上げられた指輪と兄貴を、俺は交互に見比べた。輪の幅は広く、肉は厚い。元々あつらえられたんでもない限り、きれいになんてはまりっこない。

「何だよ! 結局買ってくれる気なんて無いんじゃないか」
「無制限にはわがままは聞けないと言っただろう。どうするんだ、やるのかやらないのか」

……しばらく迷った。兄貴は前言を翻さないから、合わなかったらきっと本当に二度と見向きもしない。自分でついさっき言ったことも忘れて、俺は本気で泣きたい気分になっていた。手の届かないものの貴重さに。

「何も行動しようとしない人間に、手に入るものなんてない」
兄貴はぽつりと呟いた。
「やる前から諦めてる相手じゃ、こっちも手の差し出しようがないんだ」

見上げた顔は、どこか寂しそうだった。決まりが悪かったし、後悔もつのっていた。信じられなくて寂しかった……でも、同じくらい、信じてもらえない人間も寂しいだろうと思ったからだ。

「あの」
「どこにするの?」

右手を差し出すと、ばあさんはむっつり尋ねた。自分で手をひらひらさせながら、少し考える。

「薬指」

指先がほんのかすかに震えていた。
婆さんは世界に一匹しかいない学術資料を扱っているような手つきで、俺の指に輪を通し……………、



………それはぴったりと、指の根元に収まった。



「……はまった」
「らしいな」
面白くもなさそうな顔で呟く兄貴の顔の前に、俺は右手を突きつけた。

「ほら! すごい、ぴったりきれいにはまったよ! 自分で言い出したんだ、約束は守ってくれるよな?」

いっぱいに張り詰めている手の先を取ると、兄貴は右左とそれを吟味している。

「確かに間違いないようだ」
「そうだよ、だから―――」
「じゃ、行くか」

一瞬、何が起こったかわからなかった。
兄貴は何事もなかったように背を向け、店の外へ出て行く。指輪と俺を、その場に残したままで。

婆さんはショーウィンドウの上に頬杖をついたまま、何とも表現しがたい笑みを浮かべる。

「毎度あり」
「え、ちょ、待っ、どういう……」

すっかり混乱しきった頭のまま、さっさと歩いていく背中に追いつくと、兄貴は体半分振り返った。振り返って―――笑った。あの笑み。今世紀最低の笑い方だ。あの笑顔一つだけで、兄貴は地獄に落ちても少しもおかしくない。




「なあ。……………気障か?」




これが気障でなかったら、この世に気障なんて単語は必要ねえよ。
お察しの通り、俺はそんな憎まれ口なんぞ、一言も口にはできなかった。


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どこにこんなマルチェロがおるかーーーーーーーーーーー!!!!!!(発狂

いやごめんなさい。つい一本小説を書いてしまった……。というか小話を。ついでに、自分は女というか人として大分戻れないところまで来てしまったような気がします。



拍手レス
(5/17)
>凪さん
訪問返しありがとうございました。モリモリ頑張ってまいります。

>ベリンカさん
こんばんわ、たこ焼きありがとうございました!(は?) 無事に届いていたようで何よりでした。ベリンカさんに萌えていただけるなら速攻そっちの更新に走りますので、楽しみにお待ちください(笑)


(5/23)
>5/22の日記にコメントをくださった方(二次創作の批評で以下略)
いやむしろあんなことやろうと思う、私の頭の程度が別の意味ですごいっていうか。
他所様のサイトをあーだこーだ言うことになりますので、密かにひやひやしていた折、暖かいお言葉ありがとうございました。勇気づけられました。こんなものでも楽しんでいただければ幸いですので、また見に来てやってください。

(5/24)
>朝八時:URA−Qさんのマルククも好きですが〜
そういうあなたが大大大好きです(ぎゅう)(きもい) シンプルでストレートな応援ありがとうございました。お気持ちを胸に精進していきたいと思います。



2005年05月22日(日)
すっぽ抜けてました

えらい忙しかった3・4月の代休の最後の一日を使って、ディズニーへ遊びに行ってました。平日に遊ぶためだけに休むというだけで、背徳感に打ち震えているチキンな自分がにくいです。シーに行くかランドに行くかで結局友人と意見が合わず、昼の部と夜の部でダブルヘッダーをかましました。諸経費で月収の三分の一が吹っ飛びましたが、やっただけの価値はあったと思います。

インディさんち・15分。海底・ストームライダー・センターオブジアース5分。火対水ショー最前列・15分。以上アトラクションの待ち時間です。最後に一人で乗ったコースターで泣きそうになったので、尻尾を巻いて帰ってきましたが、こんなことならあと一つや二つ試しておくべきだったかと後悔しています。これとあの休日のディズニーリゾートが同じ値段だというのは、どうにも納得いきません。
(詳しくない方のために。休日の待ち時間のおおよそ二十分の一以下です)

そんな感じで、先週の週末はオフと万博。今週はディズニーと創作教室。えー……見抜かれる前に自己申告します。ただ今ダウナー系です。元気がありません!(言い切った)

や、落ち込んでいるというより「積極的に元気というわけではない」という程度なのですが、今ひとつ空が抜けきらないような気分で複雑ですね。最後のとどめに「糞映画の金字塔」「今世紀最大の糞映画」と大評判の「デビルマン」を借りてきたのがとどめになったのでしょうか。監督の息の根を物理的に止めた、とまで言われる呪われぶりですから、案外それが一番的を射てるかもしれないです。

やたら慨嘆ばかりしていてもしょうがないので、原因と対策を考えます。

……って自分のHPのトップさえ見れば分かるよなあ……。

原因その1。うっかり小説を途切れさせた。しかもよりによって勢いづいている展開の途中で。
原因その1のさらに原因。ものもあろうに、主人公カップル二人の性格が分からなくなった。(しまった。ナチュラルにこの表記……)
原因その2。5月21日X−DAY。URA−Qさんが閉鎖された……。

その2については行くべき方向は分かってるので、こちらから先に参りましょう。何度も書いてるような気がしますが、私はゲームをやった時点でマルククにハマってはおりませんでした。URA−Qさんとこの小説以来妄想とか妄想とか妄想とかを始めたので、実を言うとほとんどゲーム画面は開いていない状態です。

これを別な見方すれば、私のやってる二次創作はDQ8二次創作というよりURA−Qさんの二次創作とも言えるわけです。それだけとは申しませんし、実際出ている作品を見れば「…。ん?」と思うのも事実ですが。

URA−Qさんとこを読んでいらっしゃらなかった方は完全に放りっぱなしの話をしますが、あそこの道具立ては基本的に普通です。普通すぎて陳腐になるぎりぎりの線を行っています。『強姦された相手に惚れてしまう』だとか、『初めての男が最後の男』だとか、これら全て男性向けポルノで下手を打った作品で出されたら、作者を刺したくなるくらいの古典的お約束パターンです。

前にも書いたか記憶が無いのですが、お約束であるということは決して劣った作品であるということを意味しません。むしろ能や歌舞伎と同じく、どれだけ誠実にお約束をこなせるか、その上にどれだけのオリジナリティを打ちたてることができるかが、創作者としての腕っ節の見せ所という感があります。

URA−Qさんの打ちたてたオリジナリティというのは、これも実に普通のものです。翻弄されているククールの心情をきっちり追いかけること。単純なように見えて、細切れ単発の多い同人界でこれを大真面目にやってのける人というのは、そうそういません。

短いものの連作でありながら、お互いのストーリーが並存しており、何より一人の人間の人格や心情に矛盾が無いこと。そして、その心情がどう移り変わっていったかという経緯を「中抜きナシ」で提示して見せたこと。そうそう真似のできることではありません。

はっきり言って劇中、特にマルチェロの用いている論理については支離滅裂もいいところですが、そこは問題にはなりません。

世の中理論的に整合性のある行動原理を持ってる人間なんて、そうそういやせんからです。

別に開き直ったわけじゃありませんよ。自分で行ったことのある言動を思い浮かべて、一つ一つ検証してみてください。それら全て理論的にきっちり説明できるような人間がいたとしたら、そりゃそれだけで当該人物の性格は八割がた固まったも同然です。理論というのは、基本的に感情の従属物でしかありません。「理論的に正しい」ことは人の感情を説得するにあたって良好な材料になる。ただそれだけのことです。

ましてやこの場合、マルチェロとククールはほぼ完璧な密室の中に生きています。理論がどれほど無茶苦茶で身勝手で、一方の都合と心情を完全に無視した押しつけ一辺倒のものであろうとも、言われたもう片一方が納得さえすればそれでよろしい。ストーリーが進んでいってよろしい、という意味ですが。(徹底してるなあと思ったのは、この作品世界ではマルチェロとククール以外の人間には基本的に名前さえついていないこと。意図してのことかどうかはともかく、非常に意味深長だと思います)

そして最後に、そこに書かれている心情の内容です。これも普通です……非常に残酷な事実ですが、ありふれて存在しているものです。心の底から願ってやまない愛情を、ついに得ることが叶わない、というのは。

ゲーム本編に戻って考えると、マルチェロというキャラクターはついにただの一言も弟に対して愛情を示す言葉をかけなかった男です。そしてその対となるククールの方は、ついに最後まで兄に対する愛情を捨てなかった人物です。「マルチェロはどこ行ったねんな……!」という、ファンの皆様の血を吐くような叫びはまことにごもっともと思いますが、これは多分私がホリーさんでもそうします。

「自分は兄を愛している。しかして、兄は自分を愛していない」

たったこれだけのことを納得して成長するために、ククールはゲーム本編を全て費やしました。その人生の選択に何ら影響を与えることができず、まともに対話さえすることができず、実に象徴的な場面ですが最初に二人で登場したときと同じ、「背を向けた兄をじっと見ている」ままの状態で、二人は別れていきます。違ったことといえば、手の中のちっぽけな鉄のかけら、一つだけ。

どうしようもありません。そのどうしようもなさ故に、彼らはあれほど魅力的だったのだと思います。

もろともに愚かで無力な、どうしようもない人間同士であったがために、あたら「世界でたった一人の家族」なんていう無上に貴重な関係性をドブにうっちゃってしまい、埋まることのない巨大な欠落を抱えてそれぞれに生きていかなければならない、というのが元々の二人です。その欠落こそが彼らであったし、大げさな言い方をすれば「英雄の資格」だったわけです。

URA−Qさんはその閉鎖にともなって、作品世界の中に永遠に交わることの無い、ついにわかり合うことのできなかった二人を置いていきました。それでいいんだ、といささか無理やりですが思います。だって、例えいけない道をとったにせよ、彼らが魅力的であったことは、間違いないんですもの。




すらすらりんさん、短い間ですがありがとうございました。あなたの作品世界に出会えたことを、心から幸運に思います。



でここまで書いたら対策どころじゃなくなったんで、本日の話はまた他日に続きます。



2005年05月16日(月)

万博&名古屋マルククオフにて、週末がすっぽ抜けました。日頃の運動不足がもろに出て、足が痛いどころか脳まで痺れてるよな気もするのですが、これ以上文章をいじらないと体に障るので何でかん(おばあちゃんの名古屋弁)処理してみます。

愛知万博ですが、完全な運動装備で行くことを強くお勧めします。広い広いとは聞いていましたが、本当に行き倒れになりかけるくらい広いです。いくつかある交通機関も軒並み数十分待ちの状態で、待つ間の疲労と乗り物で軽減される疲労がさっぱり釣り合いません。およびこの帽子が必須アイテムで……あ、コトノハさんにプレゼントしちゃったんだっけ。宣伝よろしくね♪

その他のまとめはこんな感じです。

・押井守が友達連れて趣味に走っとる。
・しかし、一番趣味に走った部分が一番輝いている。
・詳述しませんが、不動の造形物がただそこに存在しているというだけで圧倒的な迫力を感じまして、けっこう感動しました。後述するCG技術使いまくった演出より、数段上だと思います。
・各国の国際館、あからさまに国力が予算に出てます。イエメン館必見。高校の文化祭か何かか。
・あまりのつまらなさに本国で問題になって、ついに調査官が出張ってきて会期中にも関わらず改装になった、つまらないので有名なタイ館を楽しみにしていたのですが、移動の都合上飛ばしました。
・イタリア館の正面でマスコット扱いされているカラビニエール(イタリア国家警察)のお二人。てっきりコスプレだと思っていたらびっちり現役の軍人さんでした。黒い正装の軍服で、スワロウテイルです。規律厳しい、本国では泣く子も黙ると言われる部隊なのだそうですが、慣れない観光客相手の仕事でストレスを溜めているとのこと。お気の毒です。
・食べ物については、何も言いません。
・企業館は基本的に大規模エンタテイメントです。CGスキャンした客の顔を、映画の画面に取り込む出し物をやっていました。当然ながら、異常に年齢層の高いスペースシャトル乗組員になります。映画のアップに耐える顔というのが、けっこうな才能であるということがよく分かります。……演出。うん、まあ、宇宙船地球号とか地球は一つとかそういう……。

帰ってきてみれば、「ああそうか、宣伝しないとなあ」という、郷土愛だか何だか分からない気分になっているのが不思議でした。万博の開催以前、あの場所は愛知青少年公園と言いまして、名古屋市内の小中学生の行きつけの遠足先でした。同じ町内のうちの一家にとっては、ヒマな日曜日に出かけるお馴染みの散歩場所でもありました。様変わりしすぎてどこか何だったんだかさっぱり分かりませんが、全国の皆さんに可愛がっていただけると嬉しいと思います。

というわけでトップページ。

(ついでに思い出したんですが、青少年公園って長久手町の面積の四分の一を占めてるんですね。広いはずだよ)



マルククオフですが、今回は少人数で全員少なくともチャットで同席したことのある方々だったので、大変アットホームでした。人でごった返す名古屋駅太閤通口で……何故か何の支障もなく全員初対面の、たった三人のグループを見つけられました。どういうことなのか。

以下まとめ。
・ただ一人だけ、首から十字架も○も下げていかなかった自分を恥じます。
・ラリエットって人気あったんだ……!
・とりあえず青と赤ということで、それらしきカクテルを注文。ブルーキュラソーに赤いバラが浮かんだグラスと、両手持ちの金属杯に入ったトマトジュースベースのカクテルが来ました。
・写真は多分コトノハさんちでアップされると思います。ちょっとここまでマルククな組み合わせってどうなんですか。
・ロシアンたこ焼き。じゃんけんで負け犬と化しまして、私は一番最後になりました。……私の一つ前のBリンカさんが水を四杯、立て続けにあおりました。ヤバい。萌えキャラだ。
・ところで最初のグラスについてきたイグアナの死体に、ひそかに「ククールv」と名づけてあげたんですが、どの段階で片付けられちゃったのでしょうか…。
・酒も入っていない段階で、「××××とか****とかだとヒかれそうでいやなんですよねー」「あーでも鞭くらいならOK。むしろ受けます」みたいな会話を往来で交わしてしまった記憶があります。今更ながら懺悔します。
・Rさんを小脇に抱えて連れ去りたいと思いました。

狩谷さん、参加者の皆様、遊んでいただき大変ありがとうございました! また機会がありましたら声をかけてやってください。郷里に素晴らしく濃いマルククがはびこっていて、とても嬉しいです。



2005年05月10日(火)
サイト喪中

多少お手を拝借願います。うちのサイトにはほとんど人っ子一人訪れない、まるで秘密の庭のようなページがいくつかあります。実を言うとメインのはずのオリジナル小説もそうなのですが、もっとあからさまに誰も来ないところ。それはMailの案内ページです。

拍手一個でカウンタもBBSも置いていない無愛想なつくりのせいか、それともこれが標準なのか、うちにコンタクトを求めてくる人はほとんどおりません。ちなみに拍手は平均で一日1回か2回。そして専用のメールアドレスときたら、開設から現在現時刻までの八ヶ月間で、テストを含めて使用した人はたったの3人です。

いや、まあ、こんな極北の地なので最初から期待してはおりませんでしたが、いくらなんでも多少なり寂しくはありました。アウトルックの中できちんとフォルダを分けておいたサイト用のアドレス箱がちっとも動かないのを見るにつけ、ここに誰かが感想を送る気になってくれるような腕のいい書き手になれるのはいつの日かと、慨嘆していたものです。

その空っぽの受信箱に、本日八ヶ月目にして二通目のメールをいただきました。(ちなみに一通目は、リンク報告に対する返信でした)



マルククにハマるきっかけになった、マイベストNo.1サイトさんからの閉鎖のお知らせでした。


ぬか喜びとショックのダブルパンチでちょっと本気で涙が出てきました。とりあえず死ぬほど暗い色合わせのトップページで悲哀を表現しています。思う存分落ち込んだら元に戻します……。



2005年05月09日(月)
虫と鳥と骨

本日のお題はサイト名です。何でそういや虫と鳥と骨なんだか、まじめに考えたことがなかったので、ちと模索してみました。

いつものことですがタイトルはフィーリングです。合うタイトルが思いつかないと作品そのものを書く気が失せたり、いいタイトルを使いたいがために合う内容を探して資料の海をさまよったりします。
すでに内容が決まっている小説のタイトルとかは比較的ロジックに探せますが、単に自分の作品であるという以外は共通点のない場所を示す言葉。むつかしいです。

子供の落書きみたいな雰囲気のサイトにしたいと思いました。無邪気で、残酷で、脈絡がなくて、小さくて、規制のないイメージです。そう思ってふと思いついた漢字を三つぽんぽんぽんと並べてみたら、気に入ったのでその場で「いずれ開かれるであろう自分のサイトの名前」と決めました。
前のサイトを嫌なトラブルで閉じてしまったので、このタイトルを思いつかなかったら再開する気になったかどうか怪しいです。

構成している三つの要素は、どれも生きている人間のイメージからはほど遠く、しかし人間の生活に近しいものです。大地のもの、空のもの、その狭間のものです。論理で構成される世界にはどうにもなじまない、しかし存在しないわけではないものです。あと日本語です。英字タイトル、ブックマークのフォルダの中でごちゃごちゃして分かりづらいです……。

バナーの背景には、わざときれいな絵を選びました。マリーゴールドの葉陰には虫が潜んでいて、その上には鳥の影が落ち、苗床にはひっそりとしゃれこうべが眠っていると思ってください。美しいものと醜いものと、凶暴なものとやさしいもの、どれもが脈絡なく自分の庭にあってくれるといいと思っています。余計な価値観の柵で、生きているものとそうでないものをジグザグに囲い込むような真似は本意ではありません。

ところで管理人は昆虫です。ゴで始まる黒いアレだと思っていただければ。


拍手レス

ミラコさん>
わはははは。まさかマジでやるアホがいるとは思わなかったでしょう。びっくりしていただけたようで嬉しいです。本当はキャバレーのネオンみたく、字が一文字ずつぺかぺかするやつにしたかったんですが、ホームページビルダーのパターンにそんなの無かったので止しました。凝ってるように見えても十分くらいしかかかってません。
兄の呼び方は兄貴・兄上・兄様・兄さま・にいさま・兄さん・にいさん・お兄ちゃん・おにいちゃんと一通り検討して、一番辛抱たまらん呼び方ということで「にいさま」に決定しました。地味ーーーーにこだわった部分に目を留めていただけて大変嬉しいです。



2005年05月08日(日)
いたずらおしまい

標的の人をビビらせるのには成功したようなので、トップの看板を下ろしました。どうでもいいけどこのホームページビルダーのツール、本当に使いどころがありません。笑かし以外の何ができるというのだろう。

(見えなかった人と後からこの日記を読む人へ)
*トップページのタイトルの真上に、でっかい赤い「(”虹色林檎”の)ミラコさん熱烈歓迎」の文字が、GIFアニメでぐおんぐおん持ち上がる形で掲げられてました。



2005年05月07日(土)
何かがしたたっている

チャットに伺うときは、何であれその日の作業を終えてからです。私の作業は100%文章ですから、キーを打つのが中心のチャットとはどうやっても平行できません。なので昨日のマルクク祭さんの文字茶にお邪魔したのは、前回の日記を書いた後のことです。


その一日の終りの体力の残りカス+3時間で、海のように妄想が溢れてきました。


・文書きも一発芸はかませます。ていうか太郎飴さんすごい。

・虐待→羞恥→死姦へ転がる、末期的なプレイ。

・その前はまた毛の話だったような…。毛の生えたマルチェロ、人気ありますね相変わらず。


一番胃に差し込んできたのはこれです。「複数ククール×マルチェロ」。

ククールはククール族のいきものであって人間じゃないそうなんです。当然、♂も♀もいます。亜種もてんこもりいます。誘い受けククール、襲い受けククール、Mククール姫ククール仔ククール。拷問室周辺に発生する、体色反転のきっつい性格の子が攻めククールです。

でもどの亜種もマルチェロになつく習性があります。だから捕獲は簡単です。(具体的に言うと、鮎の友釣りみたくして)

マルチェロの方も五人までなら同時にでOKなんですって。(……このマルチェロは人間なんでしょうか……?)

そんなわけでベッドの真ん中にまずマルチェロ。両腕に一人ずつククール。枕元に仔クク。脚の付け根のしかるべきあたりには恐らく、猫耳ククとかがはべってますが、そう簡単にはおねだりに応じてもらえません。お酒とか果物とか持つ係は女体ククールです。
こんだけいるのにその実態は全員”弟”。リアルに想像すると悪夢のようなってか、悪夢そのものの光景ですね!



”ね!”って言われても困ると思うんでこの辺にしておきますが……男性のよく言うハーレム願望ってこんなんなんですかね……? どうも楽しいよか気苦労のほうがずっと多いんじゃないかと思うんですけど。彼女らの福利厚生とか給与体系はどうなってんの。


*ところでTOPに特定個人向けのジョークを掲げてみたのですが、あれって画像オフにしてると見えないんですよね…。外したら哀しい。かなしいなあ。



2005年05月06日(金)
美味しいものを食べるとき

小説という作業には、それを作り上げるにあたって他の部分よりも明らかに楽しい、マグロで言えばトロの部分が三箇所あります。

一つは、そのストーリーを何を中心に構成するかという、キモの部分を思いつく瞬間。プロット立てと言われますが、特に詰まっているときに「これで行こうじゃないか」というアイデアがひらめいたときの快感は、アマチュアのひよっこから大作家に至るまで変わりません(と、思う)。スティーブン・キングの「ミザリー」を読んだ方にはお分かりでしょうが、時々そういう状態の人間は幼児的万能感にとらわれています。目つきがおかしくてもそっとしておいてあげてください。

二つ目は、「終」または「了」、何でもいいですが、ひとつの区切りにエンドマークを書き込む瞬間です。ある人は私に向かって、「これを食べて生きている」と断言しました。その通り、エンドマークを充分に食べていない書き手は、見た目は普通に見えてもだんだん弱っていきます。

三つ目は、その小説にどんな人物を出すか、キャラクターを作り設定を付け加える作業です。昔から私はこれが無類に好きな人間で、キャラクターの周辺状況として設定を作るにもやりすぎ、本体の小説を書くまで行かなかったり、友達と遊びの小説を書くにも「お前ばっかりそんなたくさんキャラ設定して!」と、それが原因であわや絶交しかかったこともあります。

食べ物でもそうですが、美味しいものはすぐに食べ終わってしまうのがもったいなくてわざわざ長い時間をかけたり、もうちょっとどこかに残っていないかと皿をつつき回して変なものまで食べてしまったりもします。
ただ、上記の三つはどれも読み手と共有するには適さないものです。プロットがいくら上手く行ったからって先に明かすのはルール違反だし、キャラ設定表が本文の前に長々つくのはみっともない。なので密やかな楽しみとして味わい、さっさとルーチンワーク(本文作成)に戻ります。そうじゃないと冷めかけのお風呂と一緒で、どんどん出づらくなりますね。

高々60枚そこいらでこんな振り返り方をしているのも未熟ものの証しですが、ご不快と面倒でなければ以後もお付き合いください。「デビュタント」本日で終了、通しタイトル『団長閣下の淑女』としまして、このシリーズの二つ目のエピソード「招かれざる客」を以後始めさせていただきます。



拍手レス

ミラコさん>
こんばんわ、リンクありがとうございました〜♪ SCCはいかがでしたか?(笑) もう本当に、あっちこっちにイっておりますので、ついてきていただけるのが本当に嬉しいです。堂々と通ってきてくださいませ! 「ミラコさん歓迎」って看板立てときますんでv



2005年05月05日(木)
陰にこもっておりますが

突然ですが、ここの管理人は陰気です。


陰気なもので、都合で行けなかった昨日のSCCについて、「みなさんお疲れ様でした。イベントはいかがでしたか?」と記すだけのことでも、画面から怨念が噴出したらどうしようとぐじぐじ悩んで結局書けません。丸一日後悔するくらいなら次から思い切って行ってしまおうと決心しただけで終わらせればいいものを、「それにつけても」と愚にもつかない悩み方を継続するため、無駄に神経を疲労し、やらんでいい負担を覚えます。陰気です。

陰気ですので、人とのコミュニケーションを運営することが不得手です。余計に気を回しすぎ、返って相手に対して不都合を起こしてしまったりもします。言葉足らずと言い過ぎが交互にやってきます。ちゃんと円滑に人間関係を運営したという自信がないので、新規の関係性に対して及び腰になります。するとさらにコミュニケーションというものは上手く行かなくなり、よくない実績を積み重ねます。悪循環です。

さて、いい加減しつこいですが私は陰気です。陰気なので、一人でああでもないこうでもないと考えることに慣れています。また、コミュニケーションが上手くいかないので、どう言ったら自分の言いたいことは相手に伝わったのかぶちぶちと考え直す機会が多いです。また、文章に書くという作業は、基本的に時間制限がゆっくりしている分、頭の回転が遅い人でも根気さえあればそれなりの結果を出すことが可能な分野です。なので、目の前の人に言いたくても言えなかったことが溜まったぶん、私は文章を訓練して過ごすようになりました。

また、文章にはもう一つの強みがあります。その効力を発するスパンが長いということです。とてもよくできた文章なら、一千年ばかり継続して人目に触れる機会があります。そこまでいかなくても、置いておく場所と雰囲気を考慮すれば、ある文章は非常に大勢の人、多くの回数に渡って読者を得ます。その多くはたいがいの場合、書き手にとって思いもよらない人であったりしますが、無数のその目の中には、それこそ思いもよらない強さで、その文章の意図するところを受け取ってくれる人がいることもあるのです。

またまた話を戻します。陰気な人間であるということで問題なのは、人とのコミュニケーションが上手く行かないということです。しかし、陰気であるがゆえに、別の形の対話を手がけ、ある意味では最も強烈な形で意思の疎通に成功することもあります。私は陰気な人間です。ただ、陽気ではなかったということで、人生において決定的に損をした、という気にはなりません。陰気であることの本当の楽しみは、当今の流行りのように数秒以内に分かったりはしないものだ、と思っております。



でここからが本題。



ここの管理人は陰気です。
なので、どこかから自分のサイトにリンクが張ってあるのを見つけると、こっそり観察してぐふぐふ言いながら喜んでおります。
「リンクフリー」とだけ書いてあるのは、単に報告必須とか言ってリンクしづらくなったら嫌だというチキン根性によるものなのです。リンクを張ったらほぼ確実にそこのサイトはネットストーキングされると思ってください。……ぐふ。ぐふ。ぐふ。