index｜ back ｜ next
----------2005年04月30日(土) ペトロは誤解する
「救い主は私に言った、「あなたが見ている、十字架の傍らで喜んで笑っている人物は、活けるイエスである。しかし、両手と両足を釘で打たれているのは、彼の肉的な部分、すなわち『代価』である。彼（活けるイエス）の模倣物として成ったものを彼らは辱めているのである。」
（「ナグ・ハマディ文書�弧杣�録」所収「ペトロの黙示録」／岩波書店）
肉的な部分、すなわち身体に起こることは何事も内側に、精神に、本質に影響を与えない、という考え方を生半可にこの黙示録から学んだ。弄んで平気だった、踏みにじって嗤っていた、疵つけて悔やまなかった。
釘を打たれれば痛まないわけがないということを、今は知っている。釘の冷たさは骨を伝い内側へ、精神へ、本質へと浸透する。
大切なものはこの身体。造物主から貸し与えられた高級な衣服。それがなければ魂は剥き出しにされ、汚穢に塗れ、毀される。
引き裂かれた、傷痕だらけの、縫い跡だらけの衣服を纏った魂は惨めだ。
十字架の傍らで傷口から吹き出す血を眺めて喜んで笑っていたのは「活けるイエス」などでは決してなかった。活けるイエスは苦悶に喘ぎながら問うたはずだ、「神よ、何ぞ我を見捨て給いし」、と。
ペトロは誤解することで有名なのだ。最後は新約聖書の正典からの引用でしめておこう。
＊＊＊
しかし、彼は背を向け、弟子たちを見ながら、ペトロをしかって言った、「サタンよ、わたしの後ろに下がれ！ あなたは神の物事ではなく、人間の物事を考えているからだ。」（マルコによる福音書／８章３３節）
----------2005年04月29日(金) われわれは機械の前で思考停止を強いられているか？？
「記述の選択は、グノーシス主義的二元論が提示する神と世界との絶対的分裂に対して神と被造物の連続性を置くために成されたものである。しかし、記述と連続するものとして提示される神は、論理的に言って記述に内在することになり、その結果、記述内での至高の優越性として現れるにしても（実はそれすら危ういものなのとなるのだが）、絶対的超越性という属性は消滅する。言わば神は、論理的に言えば、記述の表現性の網目の中に解消してしまうのである。」（丹生谷貴志「砂漠の小舟」／筑摩書房）
もしも神が絶対的に超越しているなら記述はそれを捕えることは絶対にできない。記述に捕えられた時点で絶対的な超越を失う。
記述は常に、外部を残す。
若しくは
記述は常に、空隙を内包する。
もしかすると逆に虚しい記述を連ねることがそこに絶対的超越が存在していることの証拠になるのかもしれない。たどり着けないものがあるということを忘れないこと。
＊＊＊
意識の範疇から遠ざかること／動物の神聖（Ｇ・バタイユ）、発狂（ニーチェ）、拡散、逃走（ドゥルーズ）。それともそんな困難なことではなく、われわれは機械の前で思考停止を強いられているか？？
＊＊＊
？？？ どういう意味だ？ 数年前の自分の思考の跡が読めない。とにかく思考停止を強いられていることだけは、確か。
----------2005年04月28日(木) いつ書いたのか知らないけど
「総体としての世界に対する激しい嫌悪と、その中に生き、存在することへの絶望が、あらゆるグノーシス主義の基本をなしているという意味においては、グノーシス主義は明らかにある特殊な心理学的、あるいは精神病理学的カテゴリーに属すると考えることもできるだろう。」（彌永信美「閉塞世界とグノーシスの＜光＞」／「現代思想９２年２月号」所収／青土社）
できる。
以下、いつ書いたのか知らないけどフロッピーに残ってた自分のメモ。
＊＊＊
サルトルの嘔吐がたとえばメニエル氏病の発作に過ぎなかったなら、実存主義のめまいという大仰な言葉はすべてがいわゆる「神経症」に還元されてしまうのか。カミュの乾いた文体は離人症の産物か。ハイデガーのダーザインは分裂病患者の幻覚か。カトリックの告解が精神分析のカウンセリングとかわることがないとまでいうのなら２０世紀は完全に精神の病理に犯された時代である。この流れにしたがってグノーシス主義を定義すればあの呪詛にも似たつぶやきは鬱病患者の世界否定ということにもなりかねない。宗教的な世界否定と病理学的なそれとの間に明確な線引きをすることが可能なのか。
たとえばマルキオン。彼の「福音」が果たして現世的な幸福をもたらすか。彼の幸福は完全に彼岸の世界に設定されている。この地上に善と関わりのあるものは何一つ存在していない。それは鬱病患者の絶望に似ている。彼の救済はどこからやってくるか。この此岸を遥かに越えた世界に存在する、人間とは完全に切り離された「神」から「養子縁組」の形をとって文字通り「降臨」する。しかしそれはこの世における幸福ではない。「認識」という名のさめた救い、疎外を受け入れる術としての「認識」が与えられるだけである。根本的な問題は解決されない。ここであえて精神分析の言葉を使うとすれば抑鬱状態の引き延ばしである。
ヴァレンティノス派の場合。彼の場合はその神話論の全くのはじまりから精神分析的である。ラカンにおける鏡像段階の形成にあたるものがヴァレンティノスにおいては「世界の誕生」として扱われている。絶対的一者であったはずの神は湖面に映った自らの鏡像に心を奪われ、同じものを生み出そうとする。これが原初の分裂である。そして分裂は繰り返され、ソフィアに至ってついに地上界へ転落するのである。彼女の地上への転落は、あまりに隔たった父親像への「代償行為」と銘打つことができよう。
最も一般的な解釈をすれば、グノーシス主義は不完全なユング主義でもある。下意識の発見＝本来的自己への目覚め、無意識の統合＝グノーシスというあまりに簡略な図式を許していただけるなら、両者の述べていることに大きな相違点は存在しない。精神分析は宗教であるといわれる。なぜなら古来、人間の心を救っていやしてきたのは宗教であったからだ。人間の心に必ず存在する空虚な中心、その中心の座に誰が座るのか。キリストか、アラーか、それともフロイトかマルクスかフーコーかドゥルーズか。そんな固有名詞はどうでもかまわない。がしかし、とにかくこの座には誰かが、何かが座らなければならないのである。
「中心の喪失」を書いたハンス・ゼードルマイヤーは、神が不在になったその場を埋めることこそが急務であると告げた。中心の不在はすべてを瓦解させ、価値観を混乱させ、また「人間」という概念の崩壊にさえつながるであろうと。それは正しかった。かぎりなく正しかった。相対主義の絶頂期、たしかに人間という概念じたいが粉々に砕け散った。超越的存在の不在に耐えられるほど人間は成長もしていなければ円環的時間を生きるような緩慢さも持ち合わせていないのである。
再び、超越論の復活を。絶対的権威と絶対的服従の復活を。フォイエルバッハのいうように、その超越が人間の欲望の投影であったとしてもかまわないではないか。所詮人間が生みだした神であっても、人の中心には必ず空白の場所がある以上、それを埋めるために神という名の中心を捏造したところでどんな罪が待ちかまえているといえよう？ 偶像崇拝？ 偶像が人の命を救うならばそれはすでに偶像ではない。グノーシスの「かくれいます神」が実在の可能性さえ危うい「想像上の」産物であるとしても、ヴェイユのいう通り、「善がこの世に存在しないことは分かり切っている。ならば、存在しないもののためにこの世のすべてを投げ捨ててしまうことになんのためらいがあろうか」。
＊＊＊
バリバリウヨク？
「宗教的な世界否定と病理学的なそれとの間に明確な線引きをすることが可能なのか。」
多分、不可能。
----------2005年04月27日(水) ７文字の欠損
「欠乏に陥って、いわば病気になっていたロゴスが生み出した［本文７文字欠損］は、彼に似ていなかった。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「三部の教え」／岩波書店）
このようにいつも何かが足りないので、おまえの欲望は醜い。
おまえの存在じたいが醜い。
耳障りな声、残酷な現場に蠅がたかる、遠慮のないフラッシュ、慎みのない好奇心、責任放棄。
おまえの住まう世界は醜い。
過剰が欠乏を満たすことはなく常に新たな欠乏を招く。
・・・・・・・は、・・・・・・・でしか・・・・・・・ことができず、その方法・・・・・・・なっても新・・・・・・・し［以下全文欠損］
----------2005年04月26日(火) 読売巨人軍の落日
「禍いだ、神無き者たちよ、お前たちは望みを持たず、起こりもしないことに依り頼むのだ。
禍いだ、お前たちよ。お前たちは滅びゆく肉体と牢獄の中で望みを抱くのだ。いつまで眠っているのか。いつまで滅びゆかざるものを滅びゆくものと思っているのか。（・・・）お前たちはお前たちの魂を腐らしている。
禍いだ、お前たち、燃える火炎の中にある者たちよ、それは飽くことがないのだ。
禍いだ、お前たちよ、お前たちの心の中で回っている車輪のゆえに・・・」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「闘技者トマスの書」／岩波書店）
禍いだ、禍いだ、禍いだーっっっ！！！
↑
無関係。
＊＊＊
明日休みなのだ。だから今現在あの決してかっこいいとはいえない韓国人がキャラクターを務めているピザ屋に注文をしてビールのプルタブを引いたのだ。竹島問題でコレだけもめてる以上、電通もＴＶ各社もいいかげん「韓流ブーム」なんてやめたらどうだね、いっそのこと「反韓流、反中華ブーム」でも起こしたらどうだね、なんてことも思うけどニューフィッシャーの誘惑には勝てない（勝てよ）。
そんでもっていざジャイアンツ、とテレビをつけたらタテジマ。
読売テレビがジャイアンツを二元中継にしてどうするんだ。キヨハラ（なんだか最近気持ち悪い生き物になってしまった）の５００号がかかってるってときに二元中継、いくら大阪ぢゃタテジマのほうが視聴率とれるからって。タテジマ専門チャンネルサンテレビも今日ばっかりは中継入れてないという念の入れよう。読売新聞のテレビ欄には「阪神ＶＳ中日 独占生中継！」のカラー文字が踊る。
でもうちは「Ｇ+」というジャイアンツ専門チャンネルがケーブルで見られるのでまあ許した。呪うのはやめた。
８回裏。５−５、同点。キヨハラヒット。代走、モトキ。
はーっっっ？？？？？
案の定そのモトキは９回表、ボテボテのピッチャーゴロだったのにファーストベースにぼけーっと突っ立っててイワムラ出塁。ラミレス、うわやべ、と思ってたらこれまた案の定カツーン、と外野の頭を抜いていく。つかさー、キャプラーってさー、守備のために、守備のためだけにいるんでしょ？ シミズ出し抜いて。
死んでも取れや、もうお前帰れ、氏ね、
なんつってたらフルタもカツーン。
９回裏。７−５、氏ねと言われたキャプラー頑張る、ボク頑張るからそんなこと言わないでと頑張る。ノーアウトランナー１塁。代打、ニシヤマ。
はーっっっ？？？？？
エトウだろう、そこはエトウだろうよ、エトウしかありえないだろう、と思ってたら案の定、見逃し三振。今年まだ一本もＨＲ出てない二人、ニシパパとケロちゃん、凡退、ゲームセット。
コレを読売巨人軍の落日と言わずしてなんといえばいいのだ？
そら「阪神ＶＳ中日」放送するわ。するする。誰でもする。
はっ、長文を書いてしまった、こんなことしてる場合ぢゃない、少しでもクビを休ませなければならないのに。アタシのクビより先にホリウチのクビ飛ばせやーっ、でとりあえずしめておくことに、する。
----------2005年04月25日(月) ダブルスタンダードで
「そして、われわれが彼らのことを無視するのは自分たちのためである。彼らがわれわれを侮辱し、われわれの顔に対して恥を与えるとき、われわれは他ならぬ彼らの方を見つめ、（何も）言わない。」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「真正な教え」／岩波書店）
解説書・概説書の類はもう飽きた。１０冊の「・・・入門」を読む時間があったら「・・・」の原典をじっくり読むほうがずっといい。
だって今置かれている状況にこれ以上ふさわしい言葉は何処を探したってみつかりっこないぢゃないか。
傍観する、に限る。
所詮毎日の生活が連れてくることなど本質的な事柄ではないのだ、殉教者を「ウソのつけないバカなやつ」と見下した古のグノーシス主義者は正しい、二枚舌を使い分けろ、ダブルスタンダードが世界標準だ、たったひとつの大切なことを見失わなければ何をしたって構わない、
と書いておいて大切なことって何だったっけと頭を抱える。
----------2005年04月24日(日) 想像力の翼で
「すなわち「グノーシス主義」は、（１）超宇宙的な神的領域を可視的物質的宇宙と存在論的に対立させる反宇宙論的二元論、（２）超宇宙的な神的本質と人間に内在する本来的自己の間の同質性、および、（３）この同質性の覚知をもたらす啓示、の三つを本質的な構成要素とする。」（大貫隆「はじめに 原グノーシスとグノーシス的なるもの」／「グノーシス 陰の精神史」／岩波書店）
この出来損ないの世界を造ったカミサマは無知で傲慢でバカタレ、自分の上にもっと偉い、ホントウのカミサマがいることにも気づかない、そんな出来損ないの世界に閉じ込められている人間は、「自己自身」を深く見つめるならばそこにホントウのカミサマが植えつけてくれた本性に気づくことができる、そうしてこの世界を突破できる。
若いなあ・・・青いなあ・・・。
出来損ないのカミサマに造られた人間は出来損ないに決まっているのであって、「本来的自己」とホントウのカミサマの間に同質性なんかないに決まっているのである、だからここで（１）から（３）の定義を踏み越えるマルキオンが出てこなければならない。
ホントウのカミサマは創造行為に一切手を貸していない、けれどもホントウのカミサマはまったきお方なので人間の苦境を目にして養子縁組を申し出てくださる。
この養子縁組という観念を導入しないとどうもしっくりこない。いや、別にしっくりきたからといってクビが治るわけではないんだけど。
それにしても壮大な想像力だ。
古代世界の人々は想像力の翼でもって世界を突破した。
現実逃避なんて言葉が吹っ飛んでしまうくらいの、想像力で。
若いけど、青いけど、やっぱかっちょいいな。
----------2005年04月23日(土) こんな世界造ったの誰だ！
「Ｅ・フェーゲリンのようにグノーシス主義を広義に解釈する研究者は、マルクス主義、ナチズム、ピューリタニズムを近現代の「グノーシス主義的」な思想に数え入れている。むろん、これに対してはグノーシスの概念を拡張しすぎだという批判がある。」（高橋義人「グノーシスと近現代思想」／「グノーシス 異端と近代」所収／岩波書店）
フェーゲリンは行き過ぎだ、と思う。
思うけど、要するに、
「こんな世界造ったの誰だ！」
という問いのあるところすべてにグノーシス主義的なものはつきまとうのであって
ＧＷ明けの閑散期を前にして情け容赦ない大クビ切り大会がはじまった職場にはグノーシス主義的な空気が立ち込めている。私のクビは鞭打たれるだけでなくちょん切られるかもしれない、おお、こわ。
----------2005年04月22日(金) 生まれる時代を間違えた
「このように多くの領域のなかにあの憂鬱な詩が浸透したのである。この世、力、自然、人生、存在にたいする暗い冒険的なヴィジョンや蝉脱への意志が−。これがわれわれの文学に見られるかぎり、われわれはグノーシス的な時代に入ったのである。」（シモーヌ・ペトルマン「二元論の復権−グノーシス主義とマニ教」／教文館）
ラマルティーヌ。ネルヴァル。リルケ。マラルメ。ヴァレリー。マルロー。ショーペンハウアー。ニーチェ。フッサール。ハイデガー。キルケゴール。カール・バルト。チェスタートン。
以上ペトルマンが当該箇所で「グノーシス的」とした人々。
何人ご存知ですか。
これらの人々が熱心に読まれたのは１９６０年代くらいまでの話で、それらは２１世紀まで、流れてきていない。
われわれはグノーシス的な時代を抜けた、とするのが今の見解だろう、と思う。
小難しい顔をして眉をしかめて蒼白い顔で思想を語るのはいまや時代遅れ、内省的で口数の少ない人は「暗い、きもい」、神だ、真理だ、善だ、なんて言ってるのはアヤシイ新興宗教団体だけ、どこのケーキが美味しいか、どこの洋服がかわいいか、そんな世間話と昨日のドラマの話をしている間に一日は終わりまたすぐに仕事に追われる朝がやってくる、
そんな時代のいったい何処がグノーシス的か、と今日読み返して思った。
生まれる時代を間違えた、とよく思う。
----------2005年04月21日(木) 永遠なんて望まないよ
「地は狼狽の状態によって、水は恐れの運動によって、空気は悲しみの固定によって（生じたのである）。そして、ちょうど、無知が（これら）三つのパトスに仕込まれていると同様、火は死および滅びとして、これらすべてに内在しているのだと（彼らは）教えている。」
（「ナグ・ハマディ文書�亀澪竸析叩彌蠎�「プトレマイオスの教説」／岩波書店）
ツツジが咲き乱れています。
川沿いの芝生には名前も知らない小さな黄色い花がまるで壁紙のように。
街路樹に芽吹いた若い緑の息吹が風に乗り
やわらかな日差しと溶け合って。
それは多分美しい光景です。
一年で最も美しく、力に溢れる、季節です。
なのに何故、思想の言葉というのは斯様に暗く、重いのでしょうか。
たとえそれが迷いの産物でありいつか滅び行くものだとしても
ちっともかまわないじゃないかと
永遠なんて望まないよと
思うのです。
----------2005年04月20日(水) 肉体の雲
「あなたがたはこれを理解しない。肉体の雲があなたがたを覆っているからである。しかし、ソフィアの友であるのは、私だけである。私は最初から、真理と大いなるものとの子らの場所で、父のふところにいた。私と共に憩いなさい、私の仲間である霊たち、私の兄弟たちよ、永遠に。大いなるセツの第二の教え。」
（「ナグ・ハマディ文書�弧杣�録」所収「大いなるセツの第二の教え」／岩波書店）
肉体というのはやっかいなものでまだまだ首が痛いのである、冗談じゃないくらい痛いのである、本当に肉体というものは無駄で邪魔で鬱陶しい。
のだけれどもやっぱりコンドームも許してくれないようなカトリック教会っていうのはどうかと思うのですよ、ベネディクト１６世さん。
やっぱり肉体はどうしても此処にあるので。
あってしまうので。
肉体の雲が晴れるまで憩えることはないのか。
----------2005年04月19日(火) やっと役立った・・・
「彼はかたちを持たず、完全でもなく、そうではなくて闇で生まれたものどもの栄光のかたちを持つものである。ところで、この者が、「サクラ」すなわち「サマエール」「ヤルダバオート」と呼ばれるものである。彼は力を受け取った者、無垢なる者からそれ（力）を奪ったもの、最初に彼女を打ちひしいだ者である。」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「三体のプローテンノイア」／岩波書店）
トーリの「Beekeeper」を聞いていたら「ヤルダバオート」という単語らしきものが聞こえてきて驚いた。歌詞カードを確認するとこうある。
Original Sinsuality Yaldaboath Saklas i'm calling you Samael you are not alone...
(Ｔ１２「Original Sinsuality」）
ヤルダバオート（ヤルダバオド）、サクラ（ス）、サマエール、どれも我こそは唯一神、と思い上がる、盲目の、無知の「造物主」（デミウルゴス）の名。実際はソフィアの過失によって流産の形でこの世に流れ出た、不完全な存在に過ぎない。
you are not alone
と呼びかけるのは光のロゴス、おそらく女性性を帯びたプローテンノイアである。だからこの「三体のプローテンノイア」はフェミニズム神学系の論文でたまに見かけることがある。
グノーシス主義にいわゆる「原罪」はない。知恵の実を食べてこそ、この世の神（＝ヤルダバオート）がニセモノに過ぎないことに気づくことができる。そのへんのことにインスパイアされてできた曲なんだろう、と思った。
ちょっと、嬉しかった。
だってリーダーズ英和辞典には、「Yaldaboath」なんて単語は載ってないんだもん。
----------2005年04月18日(月) 国辱だ。
「もし彼が地に、すなわちソドムと呼ばれる土地に現われるときには、シェームよ、私がお前に与えるであろう知覚を、しっかりと守りなさい。なぜなら、心の清い者たちが、お前の語る言葉のゆえに、お前のもとに集まって来るであろうから。しかし、お前が被造物の中に現われると、暗黒のピュシスはお前に逆らって、風たちと悪霊とともに震え、お前の知覚を滅ぼそうとするだろう。」
（「ナグ・ハマディ文書�弧杣�録」所収「シェームの釈義」／岩波書店）
国辱だ、と思うのですよ。
政治的な意見を述べるには私はあまりに浅はかなので口を慎みますけどね
今年の８月１５日には内閣総出で靖国神社に参拝しろ、とか
思いますよ。
・・・久しぶりにニュースを見たらハラワタが煮えくり返った。「愛国無罪」と叫んで狼藉を働く低脳の輩、幼児を殺して「悔いはない」と言い放つ外道、
知覚は既にそこになく。
西から１０億の悪意の塊が押し寄せてくる、吠えた者が勝つのなら圧倒的に数で劣っている日本という国の見通しは、真っ暗だ。
----------2005年04月17日(日) 置き去りにして
「主が言った、「あなたがたが、自分について来ることのできないものどもを、自分の後ろに放置するなら、その時こそ、あなたがたは休息するであろう」と。」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「救い主の対話」／岩波書店）
振り返るな。
打ち捨てておけ。
後ろから縋りついてくる喧騒に二度と耳を貸すな。
過去の一瞬において生じた感情の責任を一生背負う必要なんかない。
人は、変わっていい。
置き去りにして、走り去れ。
・・・首が痛いので言われずとも振り返ることなんかできないのだった、ちょうど、よかった。
----------2005年04月16日(土) 残酷なまでに蒼い空
「ペトロがマリヤに言った、「姉妹よ、救い主が他の女性たちにまさってあなたを愛したことを、私たちは知っています。あなたの思い起こす救い主の言葉を私たちに話して下さい、あなたが知っていて私たちの知らない、私たちが聞いたこともないそれらの言葉を。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「マリヤによる福音書」／岩波書店）
センセイが話す日は、いつだって残酷なまでに、蒼い空。
東京はあまりに遠くてたどり着けそうになかった。
今頃きっと、と空を見上げる
ことは首が痛くてできなかったんだけど。
私が知ってる言葉は私だけのもの、誰にも教えてあげたりなんか、しない。
----------2005年04月15日(金) 「剣のように引き抜かれた」
「そこで、あなたたちは心から語りなさい。あなたたちは完全な日であり、あなたたちの中に、沈むことのない光が住まうことを。真理を求める人々と真理について語りなさい。また、彼らのプラネーの内に罪を犯した人々のために認識について語りなさい。躓いた人々の足を堅くし、病気の人々にあなたたちの手を伸ばしなさい。飢えた人々を養い、疲れた人々に安息を与え、起き上がろうとする人々を起こし、眠る人々の目を覚ましなさい。あなたたちは剣のように引き抜かれた知恵なのだから。もし強さがこのようであるなら、それはますます強くなる。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「真理の福音」／岩波書店）
剣のように引き抜かれた知恵、だって。くーっ、カッコいいこと言うねえ。
ヴァレンティノス派、もしくはヴァレンティノス自身の手によるものではないか、と推測される、というクィスペル説はもう古く、今ではヴァレンティノス派の神話を前提にして書かれたもう少し成立年代の遅いもの、とするのが「定説」であるらしい。
ふーん。
最前線は今どんな感じなのかな、とエレーヌ・ペイゲルスの新しい著作「禁じられた福音書」（青土社）を手にとって思う。ついでにこれを読み終えるまで何日かかるのかな自分、と思う。こうして毎日ナグ・ハマディ文書を読んでいると修士論文の手直しをしたくなってきてうずうずするけど
私の首は引き抜かれた剣のように堅くはないので。
----------2005年04月14日(木) 笑ってる場合じゃない
「なぜならアダムは笑い物だった。彼は人間の型の模倣物として、第七の者によって造られたのである。あたかも、私と私の兄弟たちよりも彼の方が強くなったかのように。われわれは、これに関して無実である。われわれは誤りを犯さなかったのだから。」
（「ナグ・ハマディ文書�弧杣�録」所収「大いなるセツの第二の教え」／岩波書店）
このあとアブラハムもイサクもヤコブもダビデもソロモンも十二預言者も、アダムからモーセ、洗礼者ヨハネにいたるまでみーんな笑い物にされるのだけれど笑ってる場合じゃない、こうして引用しようと思って膝の上に本を載せてそれを見ながら打ってるだけでほんっとうに痛いので今日もこのへんで。
私以外の誰も皆、これに関してまったく無実ですので。
----------2005年04月13日(水) 痛い。
「私は知識にして無知。
私は控えめにして大胆。
私は恥知らずにして恥を知る。
私は強力にして、恐れ。
私は戦争にして、平和。」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「雷・全きヌース」／岩波書店）
私はメガデスにしてムチ（本文二文字欠損）。
２０００年後に「ナジャ・ハマディ文書」の一部として発見される、かもしれない。そうしてその頃のガクシャが「メガデスってなんだ？」「大量の死？」「多数の死にして無知？」「いや、鞭じゃないのか？」「死を知るものにして無知ってことなのでは？」なんてな論争を繰り広げながら欠損部分の二文字に思いを馳せる、
なんてことは絶対にない。
痛い。
----------2005年04月12日(火) ムチウチニツキ
「なぜなら、耳の聞こえない者たちと目の見えない者たちは、自分たちの仲間とのみ交わるからである。しかし、ある者たちは、邪悪な教えと民衆を迷わせる秘義から離れるだろう。」
（「ナグ・ハマディ文書�弧杣�録」所収「ペトロの黙示録」／岩波書店）
・・・離れたい・・・すべての誤った交わりから。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
あのー非常にお恥ずかしいんですが「ムチウチ」と診断されましてちょっと冗談抜きにクビが回らないのでしばらく簡易版でお届けさせていただきます。
阿呆とか馬鹿とか開いた口が塞がらないとか言わないで下さい、コレも愛です、愛の立派な一つの形です、ムステイン大佐のためならば、屁でもありませんので。
・・・いったいどんなに暴れたんだろう・・・。
好きなだけあざ笑ってくれよーちくしょー、あたしゃ華奢なんだよ。
----------2005年04月11日(月) ヤコブとシモーヌの対話
「救われるように急ぎなさい。（但し）人から願われてそうするのではなく、あなたがた自身の意志で熱心でありなさい。そして、もしできれば、私の先を越しなさい。そうすれば、父はあなたがたを愛するだろうから。」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「ヤコブのアポクリュフォン」／岩波書店）
もしもシモーヌ・ヴェイユがこの一文を読むことがあったら、とふと思う。ナグ・ハマディ文書が発見されたのは１９４５年のこと、シモーヌはもう既にこの世にはなかった。
自ら救われるように急ぐ、だなんて
自らの意志で熱心に救われようとする、だなんて
「きみが救われたいと願う理由を言ってくれ」、と切り返されそうな。
・・・けれど人は救いを求めていて、おそらくは人の先を越して救われようと懸命に努力をするほうが、人としての道にかなっているし、本能にもかなっている。
「その本能こそが大怪獣である」、と切り返されそうな。
自ら救いを求めることは罪のように思われる、私が救われなければならない理由なんてどこにもないようにも思われる、むしろ救われてはいけないようにさえ思われる。シモーヌとグノーシス主義は非常に近い位置にありながら根本的なところで限りなく遠い。
シモーヌ・ヴェイユは３４歳でこの世を去った。
レヴィ＝ストロースより３年遅く生まれた彼女が、ナグ・ハマディ文書や死海写本の発見を待たずに夭折したことはこの現代というおかしな時代にとって、大いなる悲惨であった、と思う。
・・・いったい彼女はヤコブとどのような対話を交わしたであろうか。
----------2005年04月10日(日) 妥協点は
「そして、あなたの言葉は豊かです。しかし、あなたが私たちに向かって話す言葉は、この世に対して皮肉で軽蔑的です。かれらは（それを）理解できないのです。とすれば、どうやって私たちは（彼らのもとに）行って、彼らに宣べ伝えることができるのでしょうか、−私たちはこの世（で）認められて（いない）のです。」
（「ナグ・ハマディ文書�契盒機�書簡」所収「闘技者トマスの書」／岩波書店）
全四冊で出版されているナグ・ハマディ文書の中で私が一番よく読んだのがこの第三分冊、そうして一番「グノーシス主義らしい」のがこの第三分冊に収められている「魂の解明」であり、「闘技者トマスの書」であり、「雷・全きヌース」、「真正な教え」である、と思う。
そんな彼らの教えはまさに、「この世に対して皮肉で軽蔑的」であり、傲慢で、利己的で、そうして青臭い。自分たちこそは選ばれた者、知識を、認識を有する者、特別な、特殊な存在であると自負し、常に高みから衆生を見下ろしてあざ笑っては、悦に入っている。この選民思想こそがグノーシス主義の衰退の原因であった、という一般論は確かに正しい。
そこには愛がなく、赦しもなく、癒しもなく、花も、鳥も、歌もなく、風もなく、水もない。荒れ果てた砂漠の、切り立った岩の上で、「真理」を知ったとしてそれがいったい何の役に立つだろう？
キリスト教がまだ若かった頃に隆盛をみたグノーシス主義はやはりそれじたい「若い」思想だと思う。いつか丹生谷先生が「現代思想」に書いていた「老いのグノーシス」、性急でない、緩慢な世界否定というものの意味が、最近少しずつだけど分かってきたような気がする。
尻尾なんか振りたくない。
けれど「孤高の真理」なんかクソ喰らえだと思う。
where is the room for compromise？
----------2005年04月09日(土) 再びロゴスに力を
「さて、ロゴスはこのようにして存在するようになった者たちの原因となったが、なお一層錯乱の中に在り続けた。彼は驚嘆して目を見張った。彼が見たのは、完全さの代わりに欠乏、一致の代わりに分裂、安定の代わりに混乱、安息の代わりに騒乱であった。彼には、彼らを抑えて、混乱を愛さないようにさせることができなかった。また、それを滅ぼすこともできなかった。彼は、一度万物と彼の高きところから離れたとき以来、完全に無力だったのである。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「三部の教え」／岩波書店）
もう何度も生き直したけれどそれでも足りないならもう一度、もう三度、もう十度でも生き直してみせなければならない。私の「ロゴス」は錯綜していて何の統一も与えられないまま、中央にぽっかりと空虚な穴を穿たれて、無益な言葉をただばらまき続けているけれど、いつか。
いつか、私がどれだけ「愛した」のかを知らせるためだけに。
縛り上げて、鍛え上げる、もっと冷たい、硬質で、精緻な表現を見出せるまで。
いつか、ロゴスのプレローマへ。そのためだけに私はまだ生きている。
縋りついていいのはこの不完全で無力なロゴスだけ、生温い日常なんてもういらない。
----------2005年04月08日(金) 砕かれた器
「プラネー（迷い）は苦悩した。何をすべきかを知らなかったので。彼女は心の中で困惑し、悲しみ、何も知らなかったので、やつれ果てた。認識が彼女に近づいたとき、−これが彼女と彼女のすべての流出の滅亡である−プラネーは虚しい。何も彼女の内には存在しないからである。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「真理の福音」／岩波書店）
その器は欠けているのだから真空の状態などを保てるわけもない、ましてやそれが満ちることなど。
迷い、という綻びからすべてが流れ出して行く。
いったい何を迷っている？
いったいいつから迷っている？
迷いを何かでせき止めなければ私は虚しくなるばかりだ。
もしくはもうこの器ごと、明日木っ端微塵に砕かれてしまえ。
----------2005年04月07日(木) いまだ愛を知らず
「肉を恐れてはならない。また、それを愛してもならない。もし、君がそれを恐れるならば、それは君を支配するだろう。もし、君がそれを愛するならば、それは君を飲み込んで絞め殺すだろう。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「フィリポによる福音書」／岩波書店）
誰のこともちっとも「愛した」ことなんかなかったことにふと気づいて愕然とする。自分がどうやら人並みに、それらしき感情をおぼえていることが物珍しかっただけで、泣いたり、わめいたりする自分に酔っていただけで。
「最悪の時は終わった」だって？
まさか。
「最悪の時」が終わって考える余裕が生まれはじめるとそこには深淵が口を開けて待ち構えている。これからが本当の、最悪の時かもしれない。
肉から派生した「愛」も肉を欠いた「愛」も失って。
「愛情らしきもの」が何ひとつ見つからない。
肉を恐れている、肉を愛している、矛盾した感情が絶望を連れてくる。
気づかないふりをしていたことが群れをなして、やってきた。
----------2005年04月06日(水) 決して積極的には
「イエスが言った、「過ぎ去り行く者となりなさい」。
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「トマスによる福音書」／岩波書店）
あれほどの執着がどれほど虚しかったか。
ただ、茫洋と、受け入れたり、奪われたり。
もう、それでいい。
去るものは、去れ。
どうしても手に入れたいと叫ぶに足りるものなんて何もない。
だからもう、決して積極的には。
----------2005年04月05日(火) 母親にはなれない
「霊は彼女に同意も承認もしていなかったにも拘らず。また彼女の伴侶、すなわち男性なる、処女なる霊も同意していなかったにも拘らず。彼女は賛同者を見いださないままに、（すなわち）霊の同意がないまま、彼女自身の賛同者が知らないうちに自分で承認し、彼女のうちにある情欲のゆえに流出した。」
（「ナグ・ハマディ文書�亀澪竸析叩彌蠎�「ヨハネのアポクリュフォン」／岩波書店）
この世は「彼女」という代名詞で語られるソフィアの過失によって「流産」の形で生まれでた、という創世神話。
せっかくの三連休を何もせずに寝て過ごすのはもったいないから、と散歩に出かけた。けれど桜のつぼみはまだ固く、目についたのは小さな子供を連れた母親の姿ばかりだった。
この間リッツで交わした会話を思い出す。
「あんたも子供作れば？」
「センセイの精子だったら欲しい」
「それってもしかして精子バンクに登録するとしたら日本一高い？」
「高いかも」
「いいじゃん、すごい子供できそう。もちろん行為つき？」
「いやこのさい行為なしでいい。センセイ精子ちょうだい、って言いにいく」
「あんた、もうちょっとジンセイに夢もったら・・・？」
こんなんで母親になどなれるわけがなかろう。伴侶に賛同されない「子供」はいつまでたっても不完全なままなのだ、母親の子宮が断ち割られることが決まっていた６月６日、要するに私の誕生日、「伴侶」はゴルフに出かけていたと聞く。
母と、祖母の意志でこの世に生まれでた私はいつまでたっても生きているという実感がない。高島屋のディオールカウンターには確かに私の名前は登録してあるけれど、明日になればあの灰色のビルの７Ｆのフロアのどこかに私の机が用意されているだろうけれど、何かが許しがたく緩慢で、退屈だからコーヒーカップを２つ割った。
やはり母親になどなってはいけない。
----------2005年04月04日(月) ありそうでないもの
「なぜなら、おのおのの者がもともと出てきた場所へ戻ってゆくことが必要なのであるから。すなわち、人それぞれの実践と自分の認識から自分の本性を明らかにすることになるであろう。」
（「ナグ・ハマディ文書�亀澪竸析叩彌蠎�「この世の起源について」／岩波書店）
一日休むと張りつめていた腰や肩や首の筋肉が弛緩して、痛みがぐっと増す。右腕が上がらなくなったので、お風呂にたっぷりお湯をはって、タラソ・ド・ブルターニュのミネラルタラソバスとオリゴバスをたっぷり入れて、電気を消して、Lisa Germanoを聞きながら３０分くらい漂ってみた。
タラソバスとオリゴバスを一緒に入れると、「海と全く同じ成分になるんです」と店員は言っていた。でもちっともしょっぱくはないし、太陽の光も感じられない。そもそも「海」に最後に入ったのがいつなのか思い出せない。
でもなんとなく、生まれる前はこんな場所にいたんだろうな、という気がした。まっくらで、生暖かい、水の中。
そのときは私も愛されていたのかな、と近頃周囲に妊婦が多いので思う。
右腕の痛みはちっともよくならない。
・・・本性とか、本来とか、起源とか、そうであるはずのもの、とか、自己自身とか、そんなものは多分ありそうでないのが本当だと思った。
----------2005年04月03日(日) いったいどれほどの期間
「しかし、私は言った、「主よ、なおどれほどの期間そうなのですか」。
（「ナグ・ハマディ文書�亀澪竸析叩彌蠎�「アルコーンの本質」／岩波書店）
いったいどれほどの期間こうして黙り続ければいいですか
いったいどれほどの期間こうして頭を抱えて這いずり回ればいいですか
いったいどれほどの期間こうして意味を成さない考えに身体を乗っ取られていればいいですか
いったいどれほどの期間こうしてただため息でしかない呼吸を繰り返せばいいですか
イエスの代理者であるはずの法王が亡くなってもすぐに次の法王が立つだけのこと
いったいどれほどの期間。
答えは簡単、絶対的な「死」がやってくるその瞬間まで。
----------2005年04月02日(土) 低下中
（４月３日に書いております、昨日はセイリツウ＋１１時間４５分勤務で家に帰りついた瞬間にオダブツでした、「１５００件仕分け」なんてな伝説をまたひとつ作ってしまいました、当分破られることはないでしょう、てか破れるものなら破ってみろこのやろーっっっ）
電源ボタンを押すともうひとりの私があらわれる。
生身の私より、多少愛想がよく（？）、多少おしゃべりで、多少生真面目で、多少知的（？？）な彼女にもそろそろ飽きてきたというのが正直なところ。
「３年目の浮気」ってホントなのだな、とか思ったり。
今、私が心の底から感じる感情というのは、「猫ってかわいいなあ」、ただそれだけだったり。
体力・気力・意欲、どれも低下中。
それでは数時間後にまた。
----------2005年04月01日(金) 迷子
言葉とはぐれてしまうことも、たまにはある。
細切れの単語が頭の中を駆け巡るけど、
そんなことばかり考えてる。
どうしようも、ないのにね。
