岐路
彼から電話があった。
前回のように、ケンカになるなら話したくないと
先にメールで返事した。
懐かしい声だった。
風邪を引いて鼻声だったけど、彼の声だった。
彼は会社を辞めるそうだ。
新しい道を歩き出そうとしている。

終わった恋を振り返ってみる。
曲がりくねった、今までの人生を振り返ってみる。

彼と知り合ったことで、私は変わった。
私自身も、周囲の環境も。
私がいなくなったことで、彼は変わろうとしてるのかも
しれない。





  




2004年10月31日(日)

いつも傍観者
吐き出すことで、あの人は癒されていない。

2年前に、私が書いた。
それは違うと気づいた。
吐き出すこと、書き殴ることで増幅される。
憎しみ、怒り、嫉妬、辛さ、苦しさ。
マイナスの気持ちは、よりマイナス方向へ加速する。

楽しかったこと、嬉しかったこと。
書いて、言って、確認することで喜びは倍増する。
プラスの気持ちは、いっそうプラス方向へ。

吐き出した後、すっきりできる性質なら救われる。
一つ吐き出した後、次々に忘れていた小さな憎しみを
思い出し始めたら、止まらなくなる。
マイナス方向へ、急速に。

外に向かって、吐き出しているはずが
内に向かって、山積にされていく。
いつか、溜め切れなくなって決壊するよ。

自滅するのは、誰も傷つかないからいい。
だけど刃を外に向けると、自他共に修復できなくなるよ。
寸前で思い止まれればいいね。
一歩手前で、バランスを取り戻せればいいね。

私は私で手一杯。
だから、黙って見ているよ。

***  ***  ***  ***  ***

この一週間ずっと一緒に行動した。
いつも傍にいた。
寄り添って眠った。
車で送り迎えしてくれた。
ここを出る時は連れて行くと言われた。

現実的な君は、仕事を優先した。
崩れそうになりながら、耐えていた。
愚痴を何度も言う私を励ました。

勝手に決め付けるなと、また言われそうだけど
君は冷たい人だね。
そう感じた、一週間だった。

誰からも電話がないと嘆いたね。
私には、次々に電話があるのを驚いたね。

私は熱があることも、吐き気が止まらないことも
すぐに言わなくなった。
 
 早く治してね
 早く元気になってね

早く、早く、早く

無理なこと言わないで。
できるなら、とっくにやってるから。

入院するなら、帰って、馴染みの病院でする。
帰って来いと、親が言った。
そして、親の所にいる自分を想像して吐き気が増した。
帰りたいのは親の家じゃない。
親のいない、あの場所になら帰りたい。

ここの人は、暖かいね。
親切で純朴で、穏やかで我慢強い。
だけど、私は誰とも接してないから。
その思いやりも、優しさも、離れた位置で見ているだけ。
でも、とても好きになった。




2004年10月30日(土)

緊張と弛緩
波が来る。
そのたびに目を覚ます。

ほんの少しの変化にも、過敏に反応する。
小さな波なのに、大きな波を思い出す。
波が来ると、全身の筋肉が緊張する。
弛緩しないまま、浅い眠りに落ちる。
強張った筋肉は、次に備えて構えを解かない。

目が赤くなるだけで、涙は出ない。
君に見られた。

 泣かないの

この一言を、励ましと受け取ることができればいいのに。
泣いても無駄と我に返る。
怒りを含んだ冷たい声で叱咤され、筋肉はまた緊張し
心は沈んでいく。

先に帰る私に向かって、笑って見送ってくれた。
私もあんなふうに笑えればいいのに。
少し努力して、力の無い笑顔を返した。

彼からメールが来た。
私からの連絡を待っていた。
現状には触れず、はるか彼方の未来への希望を
考えられればいいねと書いてあった。
彼のように一足飛びに、前に行けたらいいのに。

感情を出せる相手を失った私は
能面のように無表情だ。
筋肉は緊張したまま、思考は弛緩している。

2004年10月28日(木)

ストレス
ネットに入るのは現実逃避。
現実の災いから目を逸らすため。

今も続く余震の中、現地の人は肌で感じながらも
それをテレビで確認せずにおられない。
鳴り止まないパトカーと消防車のサイレン。
余震が起こると、直後に騒音を巻き散らす報道ヘリ。
獲物を求めて舞い上がる。
テレビのインタビュアーが最低最悪なのは
前回の震災と同様だ。

ストレスが溜まる。
日頃、声を荒げない人が大声を出す。

 阪神淡路大震災。
 あのときよりは、よっぽどましじゃない?

そう簡単に言えるのは、テレビで見物してるだけだから。
被災地の人にとって、比較は慰めにならない。
ましだからどうだと言いたいのか?

現地の最低気温は、明日10度を下回るそうだ。
避難所になっている体育館の床は固く冷たい。


2004年10月27日(水)

辟易
近況を伝えるために、実家に電話した。
こちらの話を一通り聞いた後、大変な勢いで
自分のPCの不具合ぶりを話し出した。

いつも具合が悪くなるとお願いする「パソコン先生」が
母親についている。
そのたびに請求書を私に見せては、ヒステリックに叫ぶが
その料金には彼女のお相手代というか、宥め代が入って
いるはず。
私がその先生なら、もっと請求しているところだ。

確かに明細を見ると笑いが込み上げるほど
ボッタクられている。
だけど、自分で何もできないし文句は人一倍。
相手はそれが仕事であるので、仕方が無い。

なぜ、私が母親の相手を無料でしないか。
少しの間だけ、やってみて無意味な努力だと気づいたからだ。
私の言うことを聞かない。
言うとおりにしない。
英文科を出ているのに、英語の簡単なメッセージを
読まず、なんでもクリックする。
自分がしでかしたことを、私がしろと言ったと言いはる。

今回の彼女の訴えは、「パソコン先生」に初期化を
依頼したところ、買い換えたほうがいいと言われたこと。
彼女の言い分は「まだ5年しか経ってない」
パソコンは家電ではないと言っておいた。
彼女の

 ところで聞いて頂戴

が始まると、また何かやらかしたのかとワクワクするが
話の途中で、聞くんじゃなかったとゲンナリした。
母親はワクチンソフトとウィルスについても、意味不明な
解説をしてくれた。

 ウィルスとスパムを足して、10倍にしたのがあなただよ

と言いかけて、思い止まった。

「パソコン先生」に嫌気が指した母親は、従妹の結婚相手が
パソコンで仕事を始めたと知った。
彼が次のターゲットのようだ。
彼の検討を祈りたい。

2004年10月26日(火)

大地震
あの震災を思い出した。
道路のいたるところに亀裂。
自衛隊の救援、報道ヘリ、炊き出し。
テレビで観た光景。

余震が延々と続く。
見渡す限り真っ暗で、車のヘッドライトだけが目にする光。
信号機も停電で点灯しない中、事故のニュースがないのがいい。

あのNHKの伝言メッセージ
「連絡してください、心配しています」
現地の状況がわからず心配なのはわかるけど
あの放送はあまり意味がない。
停電しているのに、テレビは観られない。
自分の名前が流れているその瞬間、ラジオを聞いているなんて
タイミングはあまりないと思う。

連絡手段はあまりない。
固定も携帯も電話は、なかなか繋がらない。
停電だから携帯電話は充電が切れたら、次は充電できない。
水道も給湯器も全部通電しないとだめ。

テレビで速報を追う。
身体より気持ちが疲れた。







2004年10月25日(月)

摩訶不思議な男性
ある掲示板の書き込みを読んでいた。
50代間近の男性が、大活躍しておられる。
数年前に掲示板デビューされたらしい。
サイトをお持ちなので拝見した。
ふだんはスピーカーのスイッチをオフにしているが
敢えて挑戦した。
キョーレツだった。
多くを語ると、どこからか嗅ぎつけて
訪問されてしまうらしい。
その臭覚というか、卓越した検索能力に脱帽する。
私もその才能が欲しい。

自ら郵便番号まで明記した住所を、連続で書き込まれていた。
不思議なパワーだ。
連続コピーペーストを拝見しているだけで
腱鞘炎になりそうだが、「すくりぷと」なる技術を
習得されているそうだ。
40代半ばでサイトを立ち上げ、今では各方面?で感動を
与える技術を習得されている。
見習いたい。

それにしても、そんなところから雑学を仕入れては
仕事に生かす私。
正統なお勉強より、記憶に残る割合が高いとは・・・

マジメな君に話すと、大笑いされた。
だけど、マジメな顔をして、その男性のライフスタイルに
建設的なコメントをする。
おもしろがってばかりの私と大違いだ。

拝見している間、なぜか胃痛がなくなる。
やはり人生には、笑いが必要ということだと思う。


2004年10月23日(土)

お兄さん
メールが届いた。
数年前からの友人。
台風の被害の心配をしてくれていた。
彼の名を、仮に和幸さんとする。

和幸さんには複数の妹さんがいて、彼女たちが
結婚や出産をするたびに、写真を送ってくれる。
和幸さん自身は独身だ。

妹さんたちから、いつも服装のセンスが悪いと言われ
るが、本人は何故だかわからない。
彼は
 俺、いつも清潔な服を着てますよ。
 それなのに・・・
と、トンチンカンなことを言った。
清潔さとセンスのよさは、別問題だからと言っても
彼は納得しない。

彼に一度だけプロポーズされたことがある。
それが元で私たちは大ゲンカになった。
家を継ぐために結婚しなければならない彼と
家制度などくだらないと言い切る私。

だけど和幸さんにはとてもお世話になった。
私を妹さんたちと同じように心配し
一人暮らしを始める時、事細かにアドバイスを貰った。
2階以上の部屋を借りなさい。
ベランダには、男物の下着を干しなさい。
表札にも男性名を入れなさい。
玄関の覗き窓のレンズを逆向きに取り付けなさい。
妹の一人というより、娘を心配する父親みたいだ。

食欲がないと言うと、お米やすぐに食べられる
菓子類を送ってくれた。
引っ越すたびに、必ず住所と電話番号を教えてください
と言われ、必ず伝えた。

そんなオヤジのような和幸さんは
実は、私より8歳年下だ。
だけど、私はふざけて「お兄さん」と呼んでいる。


2004年10月21日(木)

彼からの
深夜零時過ぎ、彼からグリーティングカードが届く。
この瞬間を待ちわびていた1日だった。
届いたら?
届かなかったら?

届かなくても彼の意志が、届いても彼の意志が
そこにあるように考えていた。

PCの前に彼はいる。
今この瞬間、彼はいる。
存在をひしひしと感じながら、私は時間が流れるのを待った。
1時間後、お礼を書いた。
思わず近況を知らせたくなる。
どうしているのか問いたくなる。
何度も手を止めて、書いたものを消した。

 今年は覚えていてくれたんだね。
 本当に嬉しいです。
 どうもありがとう。
 
声を聞きたいと痛烈に思った。
携帯電話を握り締めた。
私は彼を忘れられない。
たった数行に言葉にできない思いを篭めた。
彼の顔を浮かべながら眠りについた。








2004年10月20日(水)

一人でいたい日
きっと、あの子と久しぶりに話したからだ。
何も浮かばない。
ニュースもドラマも観る。
本も読む。
なのに、何も浮かばない。

会社でもほとんどしゃべらなかった。
何を言っていいかわからない。
君に話しかけるのに、途中で尻切れトンボになる。
何を言いたかったのか、わからなくなる。

ぼーっとしたまま時間が過ぎていく。
なのに何度も時計を見てしまう。
今日は早く一人になりたかった。






2004年10月19日(火)

長電話
君からだと思って電話に出た。

 俺 俺

久しぶりに聞いた声。

 手紙の返事を何度も書きかけたけど、忘れてしまって

書くのは照れ臭かったんだろう。
様子が電話越しに伝わってくる。
1時間以上話した。
バイトの様子、決まった進路のこと。
嬉しかった。
屈託なく話してくれて嬉しかった。




2004年10月18日(月)

ピンクは苦手
 今日はお洒落してるね

いつもと違う服装をしていると、君は嬉しそうに笑う。
デニムやラフな格好でもいいし、化粧をしなくてもいい。
そう言うから普段は全くかまわない。
だけど、目先を変えて気分を変えたいときがある。
すると、すぐに気づいてくれる。

ただ、ピンク色が好きなようで困る。
ベージュのネイルエナメルをしたときも、
爪きれいにしてるね、でもピンクのほうがいいなと言った。

君が女性に求めるのは可愛らしさ。
中身も外見も。

昔、ブラウスをプレゼントしてくれた男性がいた。
毎日、私がどんな服を着ていたのか見ていたのに。
箱を開けるとフリフリのブラウスが出てきた。
 
 これを私にどうしろと・・・

手にして呆気に取られた。

フリフリもフワフワもパステルカラーも私のキャラじゃない。
だけど男性は女性に柔らかで優しげなものを求めるみたい。



2004年10月17日(日)

ようやく一歩
夜明け前まで君と話した。

 俺にとって最初で最後で失敗するわけにいかない

君は若くない。失敗すると後がない。
ようやくバカな私にもわかった。

 していることを理解し認めてくれる人が欲しかった。

滅多に奥底にある気持ちを出さない君から聞いた。
君の城、砦。
仕事が忙しくないときも、決して離れようとしない。
24時間、会社を離れたのは、入院した時だけ。
日曜もお正月も、君は必ず会社に行く。
なのに私のために、彼のできる精一杯のことをしてくれている。

この7ヶ月、二人で外食したのは2回。
丸一日、出かけたのは1回。
24時間一緒に過ごしたのは2回。
多くの人が普通にしているデートをしてみたかった。
約束していた旅行に行きたかった。

私をどうして連れてきたの?
君の口から聞きたかった。

言葉より仕草や態度で示していてくれたのに
私はもっともっとと望んだ。

 あなたにとって私は何?

最初の頃、簡単すぎるほど口にしていた
最愛の人と言わなくなり、口で言うのは難しいと
言葉を濁すようになった。
それが悲しかった。

 辛いの?

 辛くないと言ったら嘘になる。

 楽しいでしょう?

 楽しいときもある、でもとても楽しいと言ったら嘘になる。

君の気持ちを思い遣って、もっと上手に言えばよかった?
だけど、できない。
嘘はいやだ。
心にもないことを言って、仮面をかぶったまま
うわべだけの笑顔を繕うことはしたくない。

 ここが辛いの?田舎だから。

 本当に田舎だよね・・・

都会で育って、老後は田舎で暮らしたいと言う人が
大勢いる中で、昔から私は絶対にごめんだと言い続けていた。
その気持ちが今も抜けない。
だから君に対して鬱憤が溜まっていくと
何が悲しくて、こんなところに埋もれているのかと
見るもの全てに怒りが湧いた。

私の言葉のイントネーションで振り返る人がいる
注目する人がいる、詮索する人がいる。
だから誰とも長く話さない。
イントネーションを変えて詮索されないよう
取り繕う自分は、本当の私じゃない。

きっとこれからも何度も不満が出てくる。
だけど、君の気持ちが少し見えたから
私はこれから君と一緒に歩いていこう。

自分を理解して支持してくれる人が欲しい。
だから君は、あの頃何度も寂しいと言ったんだ。

君に頼んだ。
嫌いになったら、そう言ってほしい。
気持ちがなくなったとき、
義務だとか責任だとかで、私といるのは止めてほしい。
君はマジメだから先に言っておかないと。




2004年10月14日(木)

時間制の相手
君がようやく帰ってきた。
病院に行こうとしていた私は、いろんなことが頭に浮かび
痛みと吐き気で動けなくなった。
服を着替えかけたり、留守番電話にメッセージを残したり。
動けなくなった頃、退院して会社についた君から電話。
すぐに仕事を始めようとしていた。
そんなことないと言ったけど、信じない。

 入院していた期間を取り戻したい。

それが最重要事項。
そんなに仕事人間なら、もっとお手軽な時間制の
恋人を探せばよかったのに。
仕事の合間の息抜き、ほんの数時間付き合える相手。
時間がきたら、仕事に戻ると簡単に言える相手。




2004年10月13日(水)

悲しい色やね
上田正樹が歌っていた。

 泣いたらあかん 泣いたら 切なくなるだけ

そうかもしれない。


 hold me tight
 please hold me tight

これが望み


聴くと思い出す曲が多すぎる。

汽笛の音、コンクリートの岸壁。
一人で見た、汚れた海。
悲しいのは海の色だけじゃなかった。

2004年10月12日(火)

筥迫と詩人
着付けを終えたばかりの小さな女の子を見た。
胸に挿した筥迫を見て、遠い昔の自分を思い出した。

筥迫についた飾りが好きだった。
銀色の揺れる簪。
結髪に挿した簪より、懐で揺れる簪が好きだった。

着付けの最後、胸元に筥迫を挿されると
引き締まった気持ちになり、背筋が伸びた。
自分では懐剣を帯びた気になっていた。
ただのちり紙入れだと教えられていたのに。
きっと添えられていた銀の簪の切っ先が
そんな気持ちにさせたんだろう。



ある人の日記を最初から読ませて頂いて
うーを思い出した。
そして、うーのサイトを久しぶりに覗いた。
月に一度か二度しか更新しない。
まだ若いのに、傾倒している詩人に影響されていて
ますます書き方が大正浪漫なものになっていた。
矢絣に角帽、そんな風貌が似合う文体。
「無花果のタルトを食した」感想を本人から
直接聞いてみたい。
一緒に歩いた地下街を思い出す。





2004年10月10日(日)

電話
君からようやく電話があった。
君は熱が出た。
入院前は元気だったのに、手術したら具合が悪くなった。
身体にメスを入れると、それだけで体温は上昇する。
でも、君のは微熱じゃない。
それにメスは入れてない。

何された?
そこの医者、何したんだ?

受話器に向かって、まくしたてそうになる。
入院して病人にされてしまった。
退院がいつになるかもわからない。

私は胃カメラで撮影した写真を貰った。
十二指腸潰瘍の跡は、数ヶ月以上前に治っているものらしい。
同じような症状が前にもあったはずだと言われた。
覚えていない。
ここに来る前に、3ヶ月続いた心臓の苦しさしか覚えていない。


君はいつ帰って来るだろう。





2004年10月09日(土)

浮かぶ 重なる 
君の車のCDから、聞き覚えのある曲がかすかに流れてきた。
音量を上げた。

 ふーん、こんな曲も聴くの?

何気なく言いながら、窓へ顔をそむけた。
あのとき、彼が歌った歌だった。
あのときの彼のマイクを握っていた様子が浮かんできた。

深夜にやっているテレビ通販。
音楽CDの特集になると、聴き入ってしまう。
持っているCDは滅多に聴かない。
よく聴いた当時を思い出すから。
思い出すと、頭と心が真っ白になってしまうから。
なのにテレビのチャンネルを変えるのを忘れてしまう。
しばらくして我に返りテレビを消す。

君は入院してしまったし、私は当分通院しなければいけない。
君は軽く、出張だと思えばいいからと言った。

聴くと君を思い出す、君と重なる曲は、まだ、ない。


2004年10月08日(金)

きっと
去年の10月を思い出した。

今日、君が何か買ってあげたいと言った。

去年の10月、荒れ狂っていたのを思い出した。

今日、俺がいるから寂しがらないでと言った。

私は去年の10月、こんな日が来ると思わなかった。
君ではなく彼といると思っていた。
彼は今、誰と過ごしているのだろう。

去年の10月、他の恋人たちの楽しそうな語らいを聞いて
自分にも訪れると信じていた。

君は私の表情の変化を敏感に感じ取る。
 そんな顔しないで、笑って
いつも君は私に言う。

私は去年の10月より、ずっと幸せだ。
きっと。

2004年10月06日(水)

甘く感じないキス
何度も何度もキスをされる。
だけど、私の心を満たさない。
胸がぎゅっと苦しくなることもない。

午前零時前、玄関を開錠する音が聞こえる。
体調を気遣ってくれる君がやってきた。
抱き締める腕に力が入ると、吐き気が込み上げる。
それは君に対しての嫌悪ではなく
背中の痛みが取れないからだ。

薬の副作用で、吐き気と下痢が続く。
胃薬を飲みながら、もう1種類の薬の副作用に
悩まされるなんてね。
だから、今は胃薬だけを飲む。

 疲れることはさせてないのに。

君の体力と気力は、私のそれとは比較できないほどだ。
だから私の弱々しい体力が理解できない。

吐き気が治まらない。
痛みが消えない。


軽いキスをされるたびに、彼を思い出した。
彼なら、ここまで気遣ってくれなかった。
こんなに優しく静かに背中をさすってくれなかった。

やまに東京で会った時、目が覚めたように
いつか彼に会うことがあるなら、目が覚めるだろうか。
9ヶ月が過ぎた。
彼の顔を最後に見てから、9ヶ月が過ぎた。

私は君に、心にもないことを簡単に言う。
一緒に帰ろう。
ね、一緒に帰ろう。

君がどう答えるか知りたいだけで
本当に一緒に帰りたいと思っていない。
君の居場所はここだから。

雨が降り続いて、このまま冬になっていく。
気温が5度下がると、体温がついていかない。
慣れる前に、また気温が下がる。

君が突然、東京に行こうかと言う。
私がここでは耐えられそうにないと思ったから。
現実にはならなくても、気持ちを汲んでくれただけで
ありがたい。

彼は言っていた。
誰も知らないところで、二人で静かに暮らそう。
叶えられたら、どんなにいいだろう。
あのときは甘い期待で胸が一杯になった。

今、誰も知らない場所で、君と静かに暮らしている。
現実になると、苦痛だと知った。

相手が違うからかもしれない。
だけど私の性格では、相手が誰だろうとダメだ。
やってみてよくわかった。


久しぶりに外食した。
楽しかったよ。
気分転換になったよ。
ありがとう。

2004年10月05日(火)

次々に浮かぶくだらないこと
彼の名前を見つけた。
本名そのままで。

あんな場所で活動してるなんて、想像できない。
他人に無関心だったのに。
嬉しい。
だけど、私の知らない彼の一面。
少し寂しい。

薬のせいか、眠くてたまらない。

私はどうして、ここにいるんだろう。
一つ一つ理由を挙げられる。
でも、今度の通院の原因は、検診のせい。
そして、それ以外のストレス。
心臓の動きはおかしくならない。
だから、まだいいのかもしれない。
それにしても、どこで暮らしても穏やかな気持ちで
いられない。
穏やかな気持ちは長続きしない。

戻りたいところがない。

彼の声が聞きたい。
だけど、また言い合いになるなら聞かなくていい。

彼は私を覚えてるだろうか。
彼は私を忘れないだろうか。

お互いに誰よりも欲しながら
傷つけあうなら、遠くで思っているほうがいい。

人には忘れられない人がいる。
それでも、その人とやり直すことは考えられない。

独りは寂しい。
でも、君といると君を傷つけてしまう。
君も私を傷つける。

だけど独りになるのは、どうしてもできない。
だから、イライラが募って、穏やかに過ごせない。

自分の人生を振り返ってみる。
かまわれると嬉しい。
かまわれすぎると、鬱陶しい。
したいことだけをして生きていたい。
それは夢のまた夢。
したいことなんかない。

この半年で、喫煙量が倍増した。
料理しなくなった。
身体に悪いと頭で理解しながら、じっとしたまま
できあいの惣菜ばかりを食べる。

どんどん赤くなっていくボディタオルを
まだ使ってる。
買い換えても、配管が錆びてるなら無駄だよ。



メガネをかけて、首からカメラをぶら下げてる日本人。
今はどうか知らないけど、これが外国人が考える
日本人の典型。
今、メガネはコンタクトレンズに代わった。
首からぶら下げたカメラは、携帯電話のカメラに変わった。
でも本質は変わらない。
写真を多用してるサイトを眺めてると、そんなことを
思いついた。

見るもの、聞くもの、全て何かを連想させ
思いつかせ、思い出す。
神経が休まらない。

悪寒が続いてる。
暑くなったり寒くなったり。
そのたびに、服を重ね着したり脱いだり。
ヒーターをつけたり、アイスを食べたり。
季節の変わり目は、脱ぎ散らかした服で
いつもひどい状態になる。

モニターで見た血の塊は、どこへ行くんだろう。
そんなことも、ふと思ってみる。

2004年10月04日(月)

胃酸過多
2種類の薬を処方された。
一つはもちろん胃薬。
問題はもう一つの薬。

あの医者め。
病歴を説明するんじゃなかった。
昔、「効くと信じれば、小麦粉だろうと
片栗粉だろうと効く」と笑ったことを思い出した。
効能効果を詳しく調べて、余計に胃が痛い。
薬物依存になるつもりは毛頭ない。
ニコチン中毒だけで充分だ。

十二指腸潰瘍の治った痕。
出血ヶ所不明の胃潰瘍。
どす黒い血の塊が、ぽつぽつあちこちに。
自分の内臓を見るのは面白い。
モニターに集中してると気が紛れた。
今度胃カメラ検査をする時は、麻酔しよう。

それにしても、処方薬の癖に効き目が薄れるのが早すぎ。
今日も仕事、比喩でなく文字通り胃が痛い。

2004年10月03日(日)

吐血
血を吐いたので胃カメラ。
吐血とは、マンガみたいに鮮血が噴水のように出るのだと
勘違いしてた。
あれは喀血?

会社から病院へ、病院から会社へ。
今帰ってきて、胃カメラ検査後の注意書きを読んだ。
2時間以内はうがいや食事ができないそうだ。
朦朧としてたから、逆だと思った。
うがいして食べて、仕事した。

こんな状態でも仕事するのは
君にとっては当たり前の行為。
私にとっては信じられない行為。
だけど、なぜかした。

飲んだ薬も点滴も、効かない。


2004年10月01日(金)

初日 最新

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