旅行に行って、昨日帰りました。
以前、テレビで、犬塚勉さんの絵を見たのです。
遭難して、若くして亡くなられた方です。
犬塚さんは、絵を描いている途中、
「ひょっとすると真実を見つけたかもしれない」と言われたのだそうです。
私は、うすぼんやりしながらテレビを見ていたのですが、
それを聞いた瞬間、雷にうたれたような感じがして、
その絵が見たいと強く思いました。
犬塚さんが見つけた『真実』が私にわかるというと、わからないと思います。
でも、犬塚さんという絵を描く人が、
絵を描きながら見つけた『真実』を見たいと思ったのです。
犬塚勉さんの個展はもう終わっていて、
犬塚勉さんの描かれた『梅雨の晴れ間』『林の方へ』の２作品は、
『リアルのゆくえ』展で見ることができるようでした。
でも関東の展覧会はもう終わっていて、姫路で開かれていました。
残念だわ…と夫に言いましたらね、
「じゃあ姫路に見に行こう。予定を立てる」と言いました。
びっくりしました。
なんてフットワークが軽いのでしょう。
そして、もっとびっくりしたのが、
夫の立てた予定です。
まず、岡山に飛行機で飛び、倉敷の『大原美術館』に行く。
次の日、姫路に移動して、『リアルのゆくえ』展と姫路城を見る。
次の日は、城崎温泉に行く。外温巡りをする。
翌日、京都に出て、東京に帰るというものでした。
３泊４日ね。
なんなんだ。
この余裕のない、一筆書きのような予定は。
私は、体力がないので、どちらかというと滞在型が好きなんですけど、
せっかく立ててくれた予定なので、
つれて行っていただくことにしました。
ちなみに乗り鉄の夫は、この旅行で２路線制覇できたそうです。
去年の３月、国立新美術館で『大原美術館展』を見たのですが、
その時、見た絵もあって、なんだかうれしかったです。
夫は、昔、来たことがあるそうです。
昔は、こじんまりとしていたそうですが、新館もできて、
展示作品数が多く、見ごたえがあることに驚いていました。
古い味わいのある本館は、素敵ですが、
照明がいまいちなので、見づらい絵もありました。
以前、モジリアニのみずみずしい色合いに心打たれたのですが、
ここでは、その繊細さがよくわかりませんでした。
でも、新館ではなく、あえて本館に飾るのは、
長い歴史のある美術館として意味があるのだと感じました。
絵も、東京で見た時とくらべて、のんびりしている感じがしましたよ。
私は印象派が好きで、
『大原美術館展』で、児島虎次郎さんの絵が好きになりましたが、
『アイビースクエア』に大原美術館の分館として、
児島虎次郎さんの作品ばかりが集められて展示されていたので、
とてもうれしかったです。
こんなにたくさん作品があるとは思いませんでした。
倉敷に来て本当によかったと思いました。
次の日、姫路に移動しました。
台風が、近づきつつあり、お天気がよくありません。
『リアルのゆくえ』展は衝撃でした。
今まで、私は、実物と同じように描くことに意味があるのかと思っていたのですが、
意味がありました！
もうびっくりしちゃった。
１８０度、自分の考えが、それも瞬時に変わる体験は、
体と心が、がくがく揺さぶられるような感じがします。
『リアルのゆくえ』展は、明治から現代までの写実絵画を集めた、
それは見ごたえのある展覧会でした。
他の展示会で見たことがある作品も、たくさんありました。
うれしい。
「あ！あなたも来たのね♪」とか「久しぶり」という感じ。
もちろん見たことのない絵もたくさん。
いいなあと思う絵も見つかって幸せ。
そして念願だった犬塚勉さんの絵を見ました。
描かれた景色の、空気感につつまれるような感じ。
さりげないタッチで描かれているのに、
これはドクダミ、これはクローバーとわかります。
私は緑が多いところで育ったので、
(そして、たぶん、それは、もうない景色)
こういう自然の緑豊かな絵は、心が自由になります。
いいなあ。個展があったら行きたいと思いました。
人は少なく。
近づいたり、離れたり。
じっくり見ることができました。
見終わってから、さあ姫路城に行こうとしたら、
土砂降りになっていました。
なので姫路城は、今回はあきらめました。
夫の計算では、城崎温泉で、台風をやり過ごして、
台風の後、東京に戻ることになっていました。
城崎温泉に移動する時、電車が川のそばを通っているのですが、
あきらかに水位が高いので、なんとなく嫌な予感がしました。
台風の雨が降り始め、城崎温泉いちおしの外湯は諦めました。
城崎温泉のお宿のお風呂は、
どこも、あえて小さめで、作りもシンプルになっています。
そのかわり、外湯がおもしろい。
外湯巡りを楽しむ温泉なのだそうです。
お部屋に、小さい露天風呂がついているので、
台風の中入りました。(笑)
屋根があるから大丈夫。(笑)
台風のざあざあ雨でも大丈夫なのでした。
でも、その夜は、あまり眠れませんでした。
スマホの緊急情報が、しょっちゅう入ったからです。
何かあれば、旅館の人が知らせてくれると思いますが、
それでも心配なので、ネットで調べていました。
ウルファどんが、湊かなえさんが好きなのですが、
城崎温泉と湊さんがタイアップして、
ここでしか買えないこだわり本を出されているので、
３冊、(私とミリさんとウルファどんのぶん)買いました。
湊さんは城崎温泉が好きで、ご家族で毎年訪れているそうです。
私は湊さんの本を読んだことがありません。
イヤミスの女王と言われているそうですが、
さすがに、城崎温泉とタイアップされた作品なので、
心癒される、そして城崎のよさが伝わる、そして！蟹が食べたくなる本でした。
次の日は、台風が過ぎて、お天気も安定していました。
ところが電車が止まっていました。
バスはなんとか動いているらしいので、
城崎の町をバスの案内所まで歩きました。
途中、文学館で湊かなえさん展をやっていたので寄りました。
ポスターや本の展示、作品のコメント。
１００の質問への答えが紙に書かれて、上から、吊るされています。
蟹本のカバーの作る過程や、いろいろな展示があります。
そして！２階に上がるところの仕掛け！
前の人が、小さい悲鳴をあげました。
あえて、どんな仕掛けかは書きませんが、
やられた感が強いものがあったわけです。
湊かなえさんは、おもしろくて、いたずら好きの人だと思いました。
バスの案内所に行くと、大阪と姫路行きのバスがあるので、並びました。
すると、あと少しで、チケットが売り切れてしまいました。
バスに乗りたい方は、このままお並びください。
でも、チケットが買えるかどうかわかりませんと言われました。
夫が、諦めようと言いましたが、私は、そのまま並びましょうと言いました。
たぶん、臨時バスを出すために、がんばってくれているのだと思ったからです。
でも確約できない。
臨時バスを出します。
でも無理でしたとなったら、大騒ぎになるでしょう…。
だからバス会社の方もはっきり言わないのだと思ったのです。
(すでに外国の方で、大声で怒鳴っている人がいたので…)
並んで、並んでいると！
大阪行きの臨時バスが用意できましたとお知らせがありました。
本来のルートは水没したので、うんと遠回りの山道を行くそうで、
どのくらいかかるかは「未定です」とのことでした。
並んだので、お昼ご飯はぬきです。
近くにコンビニもなかったので、
案内所内のお土産屋さんであられを買いました。
食べるのが好きな夫が、気の毒でした。
お腹が空きすぎると、夫は、おとなしくなるのを発見しました。
大阪まで４時間。
無理すれば東京に帰れると思いましたが、
疲れたので、大阪で１泊することにしました。
城崎温泉から京都への特急は、次の日も動かなかったので、
バスで大阪に出たのは、一番いい選択だったと思います。
チケットの半券は、お守りにすることにしました。
大阪から京都に出て、お土産を買って、
新幹線で帰りました。
うちに帰って、ほっとしました。
楽しかったし、アクシデントもうまく切り抜けたけど、疲れました。
できれば滞在型旅行を望む…。
もう、だるくて、疲れて、ぼ〜っとして、ふらふらです。
急に寒くなったので、毛布を出して洗いました。
とりあえず１枚。
私は、長いことアクリルの毛布を使っています。
軽くて、暖かい。
なにより、自宅で洗えるのがうれしいです。
柔軟剤を使うと、ふんわりするし、静電気も防げます。
除湿機の上に干すと、一日で乾きます。
掛け布団が洗えないのが嫌で、今は毛布だけ使っています。
機密性の高いコンクリートの集合住宅なので、
真冬でも２枚でぽかぽかぐっすり寝ることができます。
目が覚める前の、眠りが浅い時に見ていた夢を覚えている時があります。
たぶんほんの一瞬。
夢の中の私が、本当に元気で、生き生きとしてて、
何をやっているのか、何をやろうとしているのかわからないけど、
本当に一生懸命だったりする。
夢の中の私は、私なんだけど、
私と思えないくらいがんばっているから、
ひどく、心を動かされてしまうのです。
今の私は、低エネルギーで生きていて、
少し疲れていて、だらしない。
真反対すぎて、
私は夢の中の頑張っている私に、ごめんねって思ってしまう。
がんばる私の夢は、何度も見ているから、
ここにも書いたかもしれない。
見るたびにごめんねって思っている。
昨日、ウルファどんが遊びに来てくれました。
遊びに来てくれるのは、とてもうれしいです。
せっせとご飯を作りました。
ローストビーフを作りました。
オーブンではなく、フライパンで焼いて煮る作り方です。
くしゃくしゃの３重にしたホイルに包んで、
じんわり火を入れて、肉汁を落ち着かせます。
牛肉は、重さがある程度あるけど、
厚みが薄いので、加熱時間を短くしたら、
火の通りが、思っていたより弱く、
もとのレシピ通りに作ればよかった…と反省しました。
前に作った時から、少し時間が空いたので、
ちょっとしたコツを忘れていました。
料理って、レシピに書かないようなコツが、大切だったりするのよね。
私が作るローストビーフは、
レンジで作るローストビーフと、フライパンで作るローストビーフ、
２種類のレシピのいいとこどりで、組み合わせたレシピです。
これは美味しいと思っていたけど、
ちゃんとレシピとして確立しなくてはと思いました。
キッシュも作りました。
キッシュは、当日に一から作ると大変だけど、
前の日にフィリングまで作っておくと、気軽に作ることができます。
玉ねぎは大きいのを２つ。
千切りにして、耐熱ボウルに入れて、塩を振り、バタをのせて、
ラップをして、レンジで７分加熱します。
それを、出た水分と一緒に、フライパンで強火で炒めます。
ベーコンも一緒に炒めます。
こんがり、茶色になるくらいまで炒めます。
焦げそうになったら、お水を少し入れて、
フライパンにこびりついた、甘いこんがりを玉ねぎにもどしながら炒めます。
胡椒を振って、保管。
冷凍のパイ生地を２枚解凍して、
縁を１センチ重ねて、のばして、パイ皮に敷き込みます。
フォークでつついておきます。
オーブンシートをのせて、パイの重しをのせて、空焼きします。
冷めたら、フィリングを入れて、
パルミジャーノレジアーノチーズを削って、フィリングに混ぜます。
そこにキッシュ生地を流し入れて、
(卵１つと半分 生クリーム・牛乳 好きな割合で合わせて１５０ml
塩小さじ１/８)
１８０度のオーブンで４０〜３０分焼きます♪
卵の分量が中途半端ですが、
卵を２つにすると、パイ皿からあふれるので…。(笑)
ひじきのサラダ
フライパンにツナを入れて火にかけます。
そこにひじき、人参を入れて炒め合わせ、
キャベツを加えて炒め合わせます。
味つけは、お醤油。
ツナやひじきなどの塩分があるので、お醤油は少し。
仕上げに冷凍のむいた枝豆、
コーンを入れて、ざっと炒め、保存容器に入れて冷まします。
冷めたら、マヨネーズであえて、できあがり♪
蓮根や、ごぼうを入れても美味しいです。
今回は蓮根を入れました。
ツナと一緒に炒めます。
ようは、火の通りにくい野菜から加熱していきます。
枝豆やコーン、人参が入らないと、ちょっと地味かも。
これ、夫が買ってきてくれた週末のランチに入っていたのと同じ味です♪
作るたびに、デパートのデリとおんなじぃ〜と、なんだかうれしくなります。
ツナ＋ひじき＋野菜が基本。
あとは、レンコンきんぴら。
夫がケーキとお刺身を買ってきてくれました。
夫もうれしいんですね。
なので、前日に用意した鶏の紅茶煮は、
キッシュの残りと一緒にウルファどんのお持ち帰りになりました。
あと、なにか作りたいと思ったけど、指をざっくり切りましたので、
これで終了となりました。
いつもは、もっと野菜率が高いじじばばですが、
遊びに来てくれるとうれしくて、
つい、あれこれ用意してしまいます。
欲しい返事が返ってこないと、逆切れするのは、
やめて欲しいと思うこのごろ…。
年をとると、こうなっていくのかな。
気に沿わないことでも、相手が欲しい言葉を返したほうがいいのか。
でも、それでは、会話ではないよね。
難しい。
いずれ私もそうなるのかなあ。
じじばば二人暮らしになると、生活も変わります。
大きいお鍋は出番がありません。
高性能で、大好きな、バーミキュラ、２２cmは大きすぎる。
(今は、１８cmや１４�僂發△襪鵑任垢諭�)
大きな寸胴鍋も使わなくなったし。
またスープを作るのにフル活動していたシャトルシェフもです。
シャトルシェフは、保温鍋なので、
ある程度の量を作らないと、保温が維持できません。
うちにあったのは、サイズが大きいのと外蓋の蝶番が壊れていたので処分して、
小さいサイズを買いかえました。
ところが、小さいサイズ…。
大きいのと比べて、保温がいまいちなんです。
ショックだ…。
今日は、「あやねこや」さんと「くろぽち」さんの、
『猫のお人形展』に行きました。
あやねこやさんとお会いするのは、本当に久しぶりで、
私は、興奮して、座り込んで、おしゃべりしまくってしまいました。
申し訳なかったです。
あやねこやさんは、以前お会いした時と同じで、
ふんわりと大輪の花が開いたような印象は変わらないままでした。
とてもうれしかったです。
作品も、愛らしくて、丁寧に作りこまれています。
猫ちゃんへの愛だけでなく、職人気質も感じます。
いつか手元にと思っていた、
猫の文化人形ちゃんをつれて帰ることにしました。
うれしいな。
こういう創作は、イメージとぴったりあう素材を見つけるのが大変だと思います。
どういう素材を使うかで、作る人のセンスがわかります。
また、くろぽちさんの絵も素敵でした。
小さい絵本と画集を買いました。
ものづくりの人達にとって『サーシャのお人形』は、
作り始めたころの、気持ちを思い出す、
そしてうれしくなるような絵本だと思いました。
絵本の『サーシャのお人形』と、
あやねこやさんとのコラボの作品もあります。
私は、こういうものがたりのある演出が、たまらなく好き。
ギャラリーを借りての展示は、空間すべてを演出できます。
素敵な飾りつけでした。
『猫のお人形展』
１０月３日〜９日まで
１１時〜１８時
ATELIER COMET
http://www.ateliercomet.com/
私は、ものすごい方向音痴ですが、今回は無事に到着しました♪
自宅近くのバス停から、錦糸町に出て、
今度は日暮里駅前行きのバスに乗り、
西浅草３丁目で降りると、ギャラリーまで、徒歩１分だったのです。
もちろん、地図は印刷して、準備万端です。
(まだスマホで地図を見るのができない。)
行きも帰りも座れたし、あまり歩かなかったので、疲れなかったです。(笑)
日暮里駅前行きのバスは、スカイツリーのそばを通ります。
スカイツリーの、すぐそばを通ったのは、初めてです。
大きくて、びっくりしました。
| 2017年10月02日(月) |
『池田学展 The Pen―凝縮の宇宙―』 |
土曜日は、『池田学展 The Pen―凝縮の宇宙―』に行ってきました。
池田学さんは、丸ペンで描かれるそうで、
１日に約１０cm四方の面積しか描けないそうです。
そのくらい緻密な絵を、大きな作品に制作されています。
宝探しのように、モチーフが描かれています。
それでいて、離れて見ても、美しい。
細かいところを描きこみながら、全体を把握しているのかしら？
全体をラフに決めてから、描きこんでいくのかしら？
思いついたことや、見たこと、経験したこと、聞いたことを、際限なく、
そして集中して緻密に描いているようでも、
全体のバランスがとれているのです。
おもしろい〜。
みなさん、並んで、前列で見ます。
時間がかかりますが、細かいので、その方が絶対おすすめです。
それから目が悪い人は、眼鏡もね♪
ただ、作品には、人が描かれているのだけど、
人の顔が描かれていません。
(１作品だけ顔が描かれているのがありました)
デッサンや、スケッチなどの旅行の記録には、
人の顔まで描かれています。
いつか、顔が描かれる日がくるでしょうか…。
モチーフとしてではなく、人が、作品の中に描かれたら、
また、新しい表現が生まれるのではと思いました。
といっても、これは大きなお世話ですね。
震災を予兆するような作品や関連している作品を見てから、
『誕生』を見ましたが、
見ているうちに、つらくなってしまいました。
たまたま横にいた人が、つれに、
「これはこういうことがおきている」とか、
「ほら○○している」とか、
「〇が○した」とか、描かれている情景を事細かく説明して、
(言っていたことを、ここに書くことができません。)
見ている間、それが耳に入って、具合が悪くなってしまいました。
すぐに離れて、全体から絵を見ましたが、
どうにもこうにも、気持ちが晴れませんでした。
後で、夫に言ったら、笑われてしまいました。
晩ごはんは、何かなあ？と思ったら、
シンガポール料理でした。
暑い国のお料理は、甘いことが多いです。
砂糖は体を冷やすから気候に合っているんですね。
美味しかったです。
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