VITA HOMOSEXUALIS
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私の目の前には健康な二十歳の体があった。
私はその股間の叢に唇をつけた。
どこか懐かしい汗のようなむせ返る匂いが鼻腔を打った。
その茎は大きく膨れ上がり、硬く反り返っていた。
私はそれを口に含んだ。
青年は切なそうなうめき声をあげた。私はそっとその顔を見た。鼻翼が開き、整った顔がゆがもうとしていた。
私は彼の茎を含んだ口を動かした。舌を使って彼の茎を刺激した。舌先に鹹味が感じられた。彼の息遣いが荒くなった。彼のペニスは粘液を漏らし始めたのだった。
私は考えた。
いま、壮年となり、やがて迎える老境も見えているこの私はこうして青年を弄ぶ。
これは私が昔やられていたことなのだ。
あの頃私は何を考えたろう。
思い出せなかった。
それが嫌だったという記憶もなく、良かったという記憶もなかった。生々しい行為の記憶はいまだに頭に刻み込まれているが、そのとき私がどんな人間で、何を考えていたかは、忘れているのだった。
ともかくそれは遠い過去のことだった。
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