VITA HOMOSEXUALIS
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2015年05月22日(金) セブンティーン

 17歳にとって18歳になるということは老化なのであった。

 それは汚れた大人の世界に向かうということであり、感性に蓋をするということであり、現実と妥協するということなのであった。

 その頃私はまた一人の同級生と親しくなった。この子は本当にかわいい子だった。私たちはたびたび老化する悩みを話しあった。手紙を出し、小さな几帳面な字の返事が来た。それは私のかばんの中に忍ばせてあるのだった。

 私たちはたびたびお互いの家に遊びに行った。自転車で15分ほど離れている彼の家は農家だったが、土地を売ったので金が手に入り、綺麗な洋風の二階建てに建て替えたのであった。居間にはシャンデリアがぶら下がっていた。しかし、農家である本質は変わらず、シャンデリアの下にはタマネギが積んであり、ベランダには切り干し大根が干してあった。

 二階の彼の部屋で、ときに私たちはお互いの息が頬にかかるほど顔を近づけて小声で話した。彼の息は少し乳の匂いがする。

 私たちは未来の夢などは話さなかった。話すことは後悔であったり、不満であったりした。

 私は、オナニーをするときに彼の顔を思い浮かべた。そのことに私は最初はとても驚き、何か許しがたいことをしているかのように思った。だが、空想の中で私は彼にくちづけをし、彼の体を裸にし、彼のペニスを舐めるのであった。そう思うときだけが性的に興奮できた。私は多くの同級生とは違い、女の子の姿を思い浮かべてオナニーすることはなかった。

 私は彼に惹かれていると思った。その思いを手紙で伝えたかった。しかし、素直な言葉はいつも出て来ず、かわりに私は彼を落胆させるようなことを言うのであった。


aqua |MAIL

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