今週末、既に彼が前売券を用意してくれた映画を観た後は、
シティホテルにお泊りすることになっています。
翌日は私の誕生日。彼と一緒に誕生日を迎えることが出来ます。
先週のデートでランチをしていた時に、
彼は今度のデートの二日間のうちのどちらかに
ショッピングに出かけようと言いました。
私の誕生日プレゼントを買おうとプランしてくれていたようです。
でも、師走の土日はどこのお店も沢山の人で込み合っています。
「知ってる人に会いそうだなぁ。」
私が少し躊躇うように呟くと、
「じゃあ、今日これから行こう。」
と彼が言いました。
急に話が決まって、
ランチの後にプレゼントを探しに出かけることになりました。
自分の誕生日に何が欲しいかなんて何も考えていなかった私は、
なかなか欲しいものが決められませんでした。
「私、何も要らない。いつもご馳走してもらってるし。
Tさんをくれればそれでいいから。^^」
「そういうわけにはいかないよ。
何か欲しいものはないの?俺以外に。(笑)」
幾つかのお店を見て回った後で、
私は自分で買おうかなと思っていたものを
彼にプレゼントしてもらうことにしました。
最終的に私がプレゼントを選んだブティックの周辺の駐車場は
とても混んでいて、いつになったら入れるか分からない状況でした。
「俺、ここに車を止めて待ってるよ。決まったら電話して。」
私が先にお店に行って欲しいものを決めて、彼に電話をしました。
私が選んだのはシックなデザインのポンチョコートです。
「じゃあ、包んで貰っておいて。後で俺が取りに行くから。」
私はお店の人に包装をお願いすると、車に戻って彼に言いました。
夜、カウンターで美味しいおでんを頂きながら、
私達はこんな話をしました。
「俺が後からお店に行った時、『ええっ、この人が旦那さん?』なんて
目で見られたりしなかったよ。^^」
「私達、夫婦に見えるってこと?^^」
「『素敵な旦那さん!』って目で見てたよ。(笑)」
彼は年が離れている私と夫婦に見られて嬉しかったのかな。
何だかそんな感じでした。
彼が誕生日を迎えて、私の誕生日ももうすぐだから、
彼は少し年齢を意識していたのかもしれません。
「20歳の時の理沙子に会ってみたいよ。」
彼にしては珍しい言葉を口にしました。
ホテルのお部屋に戻って、ベッドで愛し合う前に、
「ねぇ、20歳の私の方が良かった?」
と聞いてみたら、
「当時だったら理沙子が俺のことなんか好きにならなかっただろう?」
と彼が言いました。
彼らしくなく、少し弱気になっていたのかもしれません。
「きっと今の私の方がいいと思うよ。」
私はそう呟いたけれど、
本当はあの時、もう一つ伝えたかったことがあったの。
「今のあなたが好き。今のあなたに会えて良かった。」って。
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