こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年12月06日(月) 今のふたり


 今週末、既に彼が前売券を用意してくれた映画を観た後は、

 シティホテルにお泊りすることになっています。

 翌日は私の誕生日。彼と一緒に誕生日を迎えることが出来ます。

 先週のデートでランチをしていた時に、

 彼は今度のデートの二日間のうちのどちらかに

 ショッピングに出かけようと言いました。

 私の誕生日プレゼントを買おうとプランしてくれていたようです。

 でも、師走の土日はどこのお店も沢山の人で込み合っています。


 「知ってる人に会いそうだなぁ。」

 
 私が少し躊躇うように呟くと、


 「じゃあ、今日これから行こう。」


 と彼が言いました。


 急に話が決まって、

 ランチの後にプレゼントを探しに出かけることになりました。

 自分の誕生日に何が欲しいかなんて何も考えていなかった私は、

 なかなか欲しいものが決められませんでした。


 「私、何も要らない。いつもご馳走してもらってるし。

  Tさんをくれればそれでいいから。^^」


 「そういうわけにはいかないよ。

  何か欲しいものはないの?俺以外に。(笑)」


 幾つかのお店を見て回った後で、

 私は自分で買おうかなと思っていたものを

 彼にプレゼントしてもらうことにしました。



 最終的に私がプレゼントを選んだブティックの周辺の駐車場は

 とても混んでいて、いつになったら入れるか分からない状況でした。


 「俺、ここに車を止めて待ってるよ。決まったら電話して。」


 私が先にお店に行って欲しいものを決めて、彼に電話をしました。

 私が選んだのはシックなデザインのポンチョコートです。


 「じゃあ、包んで貰っておいて。後で俺が取りに行くから。」


 私はお店の人に包装をお願いすると、車に戻って彼に言いました。




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 夜、カウンターで美味しいおでんを頂きながら、

 私達はこんな話をしました。


 「俺が後からお店に行った時、『ええっ、この人が旦那さん?』なんて

  目で見られたりしなかったよ。^^」


 「私達、夫婦に見えるってこと?^^」


 「『素敵な旦那さん!』って目で見てたよ。(笑)」


 彼は年が離れている私と夫婦に見られて嬉しかったのかな。

 何だかそんな感じでした。

 彼が誕生日を迎えて、私の誕生日ももうすぐだから、

 彼は少し年齢を意識していたのかもしれません。


 「20歳の時の理沙子に会ってみたいよ。」


 彼にしては珍しい言葉を口にしました。




 ホテルのお部屋に戻って、ベッドで愛し合う前に、


 「ねぇ、20歳の私の方が良かった?」


 と聞いてみたら、


 「当時だったら理沙子が俺のことなんか好きにならなかっただろう?」


 と彼が言いました。

 彼らしくなく、少し弱気になっていたのかもしれません。


 「きっと今の私の方がいいと思うよ。」


 私はそう呟いたけれど、

 本当はあの時、もう一つ伝えたかったことがあったの。


 「今のあなたが好き。今のあなたに会えて良かった。」って。


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理沙子

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