彼が予約してくれたのはツインの洋室で、
檜の露天風呂が付いていました。
私達は昼も夜も朝も一緒に露天風呂に入りました。
湯船の中で彼が私を後ろから抱っこしてくれました。
彼に言われたとおり、肩までお湯に浸かると、
周辺に建っているホテルやロッジは視界から消えて、
高くそびえ立つ美しい山だけを拝むことが出来ました。
ホテル自慢のビュッフェ料理を信じられないくらい沢山食べたり、
真夜中に浴衣のまま外へ出て星を眺めたり、
朝陽に照らされる山を見ながら露天風呂でお喋りしたり、
私達はゆったりと楽しい時間を過ごしました。
旅行に出かけると、夜はいつも早い時間に眠くなってしまう私。
折角の時間がもったいないから本当はずっと起きていたいのに、
私は彼の腕の中であっという間に眠りに落ちてしまうのでした。
ハッと目が覚めた時には彼は一人でテレビを見ていたりして、
旅行の時には彼より早く起きてシャンプーしたり、
きちんとメイクしておきたいと思ったりするから、
女にとっては普段のデートより面倒なことも結構あるのです。
翌朝もとてもよく晴れていたので、
私達は朝食を食べるとすぐにチェックアウトしました。
ガラス越しに青く輝く日本海を眺めながらドライブしました。
幾つかのスポットで彼が車を止めてくれました。
「近くまで行ってみよう。」
と言って、彼が私の手を繋ぎました。
コンクリートの坂を水際まで下りて行くと、
透き通る水の中に小さな魚やヤドカリ達が見えました。
その後、私達は美しい日本海を眺望できる岬へ行きました。
車を駐車場に止めて、崖のように切り立った岬の遊歩道を歩きました。
昔、失恋した首長の娘が身を投じたという言い伝えがある岬。
岬から眺める海の青さと雄大な景色が素晴らしく、
私は何度も足を止めて写真を撮りました。
岬の駐車場を出た後、私達は地元のお店で海鮮丼を頂きました。
新鮮なウニとマグロがとても美味しかったです。
食事を終えると、私達は市内へ向かいました。
市内へ着いたら私達は一度家に戻り、
それぞれの用事を済ませてから夕方にもう一度会う予定でした。
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