旅行前夜11時過ぎに、バーで飲んでいた彼からメールがあり、
いつになく酔っ払っていた彼と電話で話しました。
周りに聞こえないのかしらと私が心配するくらいに、
「大好き。」
「会いたい?」
と甘い言葉を連発していた彼。
「明日の朝、起きられるんですか?
もうお家に帰って、着いたらメール下さいね。」
結局、その後、彼からのメールはありませんでした。
後で聞いてみたら、電話の後にすぐにタクシーで家に帰ったけれど、
服を着たままベッドに倒れ込むように寝てしまったそうです。
旅行当日の朝、ピックアップの時間を30分遅らせて欲しいと、
寝坊した彼からメールがありました。
今回の旅行で乗るはずだったGクラスはドアが壊れて修理中だったので、
いつもと同じセダン型のEクラスで行くことになりました。
少し気分が悪そうな二日酔いの彼に、私のテンションも若干下がり気味。
それでも、爽やかに晴れ渡る青空が私達のドライブの味方をしてくれて、
美しい山の麓にある温泉リゾート地に向けて出発しました。
「昨夜あんなに酔ってたから、
今朝はきっとこうなるだろうと思ってたんですよね。」
二日酔いの彼をちらりと睨んで、私が言いました。
「元気ないですね〜。^^」
私が彼の疲れた横顔を呆れたように見つめていると、
「理沙子が冷たくするからだよ。」
と彼が甘えるように言いました。
午後1時を過ぎた頃に、
何度か訪れたことのある美味しいお蕎麦屋さんで食事をしました。
元々美味しいものが大好きで、味の好みが似ていた私達だけれど、
最近では二人がその時に食べたいと思うものまで
不思議なくらいピッタリ合うような気がします。
お蕎麦屋さんを出た後は真っ直ぐホテルに向かいました。
「眠たくなったんだろう。寝ていいよ。^^」
彼のお許しが出たので、助手席でうとうとしていた私。
気がつくと、いつの間にか目的地に到着していました。
車を降りると、外の空気は思ったより冷たく、
半袖のブラウスでは少し肌寒く感じるほどでした。
「温泉に入るのにちょうどいいな。^^」
と彼が言いました。
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