明け方、彼の動く気配で私は目を覚ましました。
前の晩、抱かれないまま眠りについたので、
朝になったら彼と抱き合えると思っていました。
そんな私の気持ちに彼は気付いている様子もなく、
「飲み過ぎた…。」
と疲れた声で呟きました。
彼はベッドを離れるとテレビの前のソファに座りました。
そして、石川遼が出場している全米プロ選手権の中継を見始めました。
中継が終わると、彼は隣のベッドに入って朝の情報番組を見ていました。
私は二言、三言、彼と言葉を交わしましたが、
そのうち隣のベッドから彼の寝息が聞こえてきました。
今度は私の方がすっかり目が覚めてしまったので、
バスルームへ行きシャワーを浴びました。
髪を洗い、ドライヤーで乾かして、メイクもしました。
「どうしたの?」
ベッドから彼の声が聞こえてきました。
「用意してるの。
私もあなたがゴルフに出かけた後、すぐにここを出るから。」
私が時々咳き込む音が聞こえたのか、
「大丈夫なのか?」
と彼が言いました。
時刻は午前8時を過ぎた頃でした。
彼は友人とのゴルフのために10時にはホテルを出ると言っていました。
私はキャミとショーツのまま、眠っている彼の枕元へ行きました。
そして、彼の寝顔にそっとキスをしました。
「こっちにおいで。」
目を覚ました彼が、私の手を引っ張ってベッドに誘いました。
抱き合った後、彼はシャワーを浴び、ゴルフウエアに着替えました。
彼は赤いポロシャツと茶のズボンを着ていました。
彼はベッドに横になっていた私の隣に来て、
その格好のまま寝転びました。
私達はしばらくベッドの上でお喋りしていました。
それまでのゆったりした時間の流れが夢だったかのように、
それからはあっという間に時が過ぎていきました。
一人でベッドに残されるのが嫌だったので、
私が先にベッドを離れようとすると、
「行くなよ。」
と彼が私を抱き寄せようとしました。
多分私達は二人とも寂しがり屋なのだと思います。
私はもう一度彼に抱き締められたい気持ちを抑えて、
ベッドを離れました。
私がもう一度シャワーを浴びてバスルームから出ると、
彼は既に起きて自分の荷物をまとめていました。
「もう出るんですか?」
「会計を済ませないといけないから、早めに行かないと。」
「そうですか…。」
「電話もメールもいつでもしていいからな。」
「はい、夕方電話してもいいですか?」
私は彼がゴルフが終わって帰る頃に電話をすると言いました。
彼は白いバスタオルを巻いて立っている私の側に来て、
「もう一度するか?^^」
と甘い声で言いました。
あの時、もう一度抱いてとおねだりしていたら、
彼は本当に私を抱いてくれたのでしょうか?
彼が部屋を出た後、
はしゃいでいた私の気持ちがフェードアウトしていくのが分かりました。
私は自分の荷物を手早くまとめると、慌しく部屋を出ました。
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