こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年05月18日(月) 意地っ張り


 土曜日の夕方、彼と映画デートをしました。

 私がシネマコンプレックスに着いた時、

 彼は既に二人分のチケットを買って私を待っていました。

 ディナータイム前の約2時間というのは、

 恋人達が映画を観るのに最適な時間帯だと思うのに、

 私達の入ったシアターは信じられないほど空いていました。




 映画を観終わって、エレベーターに乗る前に




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 「えっ…。」


 私は驚いて、一瞬言葉を失いました。


 「今日は初めからそのつもりだっただろう。

  理沙子がそう言ったんだから。」


 確かに映画を観ることを最優先したかったから

 真面目な映画デートをしようと彼にメールをしたのは私だけれど、

 食事もしないで帰るなんて思ってもいませんでした。

 当然映画の後はその作品について

 彼とお喋り出来ると思っていたのです。

 彼もそれを楽しみにしていると思っていたのに…。

 私が何と言っていいのかわからずにいるうちに、

 エレベーターは駅に繋がっている一番下の階まで降りていました。


 「食事だけでも一緒にしませんか?」


 彼は既に映画の後に他の予定を入れていると言ったので、

 私は無理を承知で言いました。

 考えてみれば、今までにもこういうことはあったのです。

 彼にDVDを返した日はそのまま車で家まで送ってもらっただけでした。

 あの時はすぐに気持ちを切り替えられたのに、この時は駄目でした。

 彼は少し困った表情を見せながらも仕方が無いなぁという様子で、


 「何が食べたい?」


 と私に聞きました。




 結局、映画館の近くの天麩羅屋さんに入りました。

 私は彼に申し訳ないような複雑な気持ちでいました。

 同時に、私が彼に対して少しずつ我侭になっていることを

 はっきりと知らされたような気がしました。


 「映画を一緒に観て食事にも来たのに、

  そんな顔されたら、俺、嫌なんだけど。」


 「ごめんなさい。

  私、どんな顔してましたか?

  何だかTさんに悪いことしちゃったと思ったから。

  本当は帰るべきだったのにね。」


 彼は嫌なことは嫌だとはっきり言う人です。

 でも一言言ったら後になってごちゃごちゃ言わない人だということも

 半年の付き合いでよく分かっています。



 その後はいつもの私達に戻って、

 観たばかりの映画や彼の仕事のことなどについてお喋りしました。

 彼は私にビールを勧めたけれど、

 彼はこの後、車に乗らなければならなかったのでお酒も飲めず、

 彼に食事を付き合わせてしまったことを悪く思いました。 

 そんな気持ちだったので、

 この時はほとんど大人しく聞き役に回っていました。^^


 「ここの天麩羅より前行った店の方が美味しいだろう?」


 彼は少し声を潜めて、以前ランチで行ったお店の話をしました。


 「あのお店、美味しいですよね。

  でもここのも美味しいですよ。」


 「夜、カウンターで目の前で揚げてもらうと美味しいんだよ。

  今度行こう。^^」


 「はい。^^」




 お店を出てからエスカレーターで降りる時に、

 彼が後ろを振り向いて、


 「今日は健全なデートだったね。^^」


 と笑って言いました。


 「ほんとですね。

  また今度こんなデートしましょうか。

  たまにはこういうのもいいですね。^^」


 私が精一杯の痩せ我慢をして言うと、

 彼は笑いながら私の目を見て、


 「いや、あんまり良くない。^^」


 と言いました。




 彼と素っ気無く別れてからすぐに、

 映画と食事のお礼のメールをしました。

 夜寝る前に彼がおやすみメールをくれたので、


  やっぱり健全デートはもうやめようね。


 と今度は正直な気持ちを打ち明けました。


  わかったよ。

  そうしましょう。

  おやすみなさい。^^


 私が意地を張っていたことなど、

 きっと彼にはお見通しだったことでしょう。


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理沙子

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