こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年05月15日(金) 彼の女友達


 私のネガティブな想像は、

 翌朝の彼からの電話の初めの5分ほどの会話で

 あっという間に打ち切られました。


 「昨夜メールもらってたけど返事出来なかった。

  飲んでたんだよ。」


 「帰り遅かったんですね。」


 「ああ…昨夜は遅かった。

  今、車でゴルフ場に向かってるところなんだよ。

  昨夜の時点では雨で中止になりそうだったゴルフが

  今朝になってやることになったから、

  スタートが遅れてこっちに戻る時間が遅くなりそうだ。」


 「うん…。

  今日会うのやめにしますか?」


 「俺は会えるよ。

  やめにしたいの?」


 彼の言葉はいつもストレートです。


 「私は映画が観たいと思ってたから…。

  もしTさんがそれほど観たいと思ってないなら、

  友達と観に行ってしまおうと思ってたんです。

  それで、昨夜はメールしたんです。」


 私の言葉は半分は真実で、半分は嘘でした。


 「映画は観ようよ。

  ちゃんと他の日に時間を取って。

  真面目な映画デートをするんだろう?^^」


 「あはは、真面目なデート?^^」


 「理沙子のメールにそう書いてあったから。^^」


 「うん、あの映画、早く観たくてたまらないんです。」


 「今日会った時にいつ観に行くか決めよう。」


 「はい。^^

  昨日は誰とゴルフだったんですか?」


 少しドキドキして尋ねました。


 「昨日はバーのゴルフだったんだよ。

  前に言わなかったっけ?」


 「あっ、この前見せてくれたあのメールの?」


 「そうだよ。」


 先日のデートで彼が見せてくれたのは、

 バーのママさんから送られて来た同報メールでした。

 それは数人のお客さんに送られたゴルフのお誘いのメールでした。


 「あれって昨日だったんですね。

  じゃあ、夜はそのバーに飲みに行ったんですか?」


 「そうだよ。」


 ゴルフのためなら前の晩に2時、3時まで飲んでいても、

 翌朝は6時前にしっかり目が覚める彼なのです。^^


 「じゃあ、ゴルフから戻ったらまた電話するから。^^」


 彼の明るい声を聞いて、

 前の晩からの落ち込んだ気分はどこかへ消えていました。




 彼が十年来通っているバーのママさんと

 東京で旦那様と会社を経営するスペイン在住の時からの親友は、

 私公認の彼の女友達です。

 初めの頃は色恋抜きの異性の友達というのがよく分からなくて、

 彼女達にジェラシーらしき感情を抱いたこともあったけれど、

 彼の人柄を知るにつれて、

 彼が好意や信頼を抱く対象として男女の区別は無いということが

 自然と理解できるようになりました。

 精神的な繋がりという点で言うなら、彼女達との関係に比べたら

 私達の関係はまだまだ浅いものと言えるかもしれません。




 それでも、私と付き合い始めてから、

 バーに行く回数はめっきり減ったと彼は言います。

 シーズン前は楽しみにしていた毎月のバー主催のゴルフコンペも




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 「最近来ないわね〜って

  バーのママさんに言われないんですか?^^」


 「客商売としてそういうことは絶対言っちゃ駄目でしょ。

  言葉尻にでもそういうニュアンスを含ませるようなことがあったら、

  俺はもうその店には行かない。

  客にプレッシャーを与えるようなことは言っちゃいけないんだよ。」


 「でも、そんなことは言わないママさんなんでしょ。」


 「そうだよ。だから何年も通ってる。」


 職業柄なのか、彼はお店や人をよく見ていると思うのです。

 その眼差しは時に厳しく、時に温かく。

 彼の共感と信頼を得れば一生モノと言えるほど長い付き合いになるし、

 失えばその関係はあっという間に切れてしまうでしょう。



 4年近く続いていた元カノとの別れについて、

 彼は今までその理由を曖昧にしていたけれど、

 別れの時点でその関係は既に終わっていたと彼は言いました。

 つまり、その時点で気持ちはもう残っていなかったと。

 私は彼と長く付き合っていきたいと思うのです。

 永遠に彼の恋人でいられることが最も幸せなことだけれど、

 ときめく頃を過ぎても仲の良い友達でいられたら、

 それも素敵なことだと思えるのです。


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理沙子

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