こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年05月06日(水) 恋しくて…


 途中、滝を見るために一度だけ小さなパーキングエリアで降りただけで、

 私達の車は日本海沿いの道をひたすら北へ走りました。

 目的地の小さな街に着いたのは午後2時頃でした。

 地元のお寿司屋さんで、私達は少し遅いランチをしました。

 この日、彼は朝から「腰が痛い!」を連発。

 先週からの腰の痛みが今回のデートで悪化してしまったようです。




 お寿司屋さんを出てから、

 私達は日本海に臨む丘の上の小さな記念館に入りました。

 のんびり館内を見学した後、私達は再び車に乗って市内へ帰りました。

 彼の車のCDチェンジャーには10枚のCDが入っているのですが、

 そのどれもがノスタルジックな曲ばかり。(笑)

 今まで付きあってきて一番ジェネレーション・ギャップを感じた

 ひとときでした。^^

 彼が曲を聴きながら一緒に口ずさんでいたので、




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 過去に付き合った人とのドライブでは

 いつも私が助手席で口ずさんでいたから、

 こんなことは初めてでした。^^




 市内に入ると既にあたりは薄暗くなっていましたが、

 まだ二人ともあまりお腹が空いていなかったので、

 彼がよく利用するシティホテル内のスパに行きました。

 初めて彼とそのスパへ行ったのは去年の秋で、今回は二度目でした。

 あの日と同じようにそれぞれ入浴を楽しんだ後、

 中央のラウンジで待ち合わせしました。

 お揃いのバスローブ姿でデッキチェアに座って、

 冷たい飲み物を飲みながら彼とお喋り。

 彼は長時間のドライブから解放されてほっとしている様でした。




 スパを出てから、ワインと中華料理のお店に行きました。

 個室のように仕切られたそのお店では、

 二人っきりの時のように会話が弾みます。


 「しかし、俺って偉いと思わない?

  昨夜から3回して、往復8時間近く運転して。^^」


 「本当です。お疲れ様でした。^^」


 「理沙子、言っとくけど、俺もう無理だから!!」


 「無理って…私、何もお願いしてないじゃないですか。^^」


 「理沙子にお願いされても、もう無理だからな。」


 「ほんとにもう!(笑)

  腰、大丈夫ですか?^^;」


 「やっぱり今朝のがいけなかったな。

  昨夜みたいにしてって理沙子が言うから…。^^」


 「ええ〜っ!!

  私…そんなこと言ってないですよ〜。」


 彼が黙って笑っています。


 「口に出して言ってないですよね。

  確かにそう思ってたけど…。^^」


 「そうだろう。^^」


 「でも、言わないのに通じるなんて…。

  私達って相性いいんですね。^^」


 「可愛いよ。^^」


 彼は甘い眼差しで私をじっと見つめました。

 それは彼が私を欲しがっている時の表情でした。

 私はそのことを彼に伝えたくなりました。


 「どうしたんだよ。^^」


 「ううん、何でもない。^^」


 「何だよ、言ってみろよ。^^」


 口にするのは恥ずかしかったので、

 私はその場で彼にタイトルだけの短いメールを送りました。

 彼はそれを読むと目の前で返信のメールを打ち始めました。

 すぐに送信してとお願いした私に、


 「後で送るよ。^^」


 と彼が言いました。




 帰りに私の荷物を取るため、二人で立体駐車場へ戻りました。

 彼は珍しく酔っているようで、

 私の右手を握ると、大きな声で話し始めました。


 「理沙子、もう俺無理!!^^」


 「もう、何度も言わないで下さいよ〜。

  まるで私がおねだりしているみたいでしょ。

  私は何も求めたりしてないのに!!」


 「ちょっと誰か〜、今の聞きましたか?(笑)」


 彼の声が私達以外誰も居ない駐車場に響き渡ります。


 「ひどいなぁ。私だってもう無理です。普通に無理だから。^^」




 駐車場のエレベーターに乗ると、どちらからともなくキスをしました。


 「防犯カメラに見られてる…。^^」


 キスを止めて、彼が言いました。


 「ほんと?」


 私がはっとすると同時にドアが開きました。




 エレベーターを降りて車に向かって少し歩いたところで、

 彼は私を力強く引き寄せると、

 その広い胸にすっぽり抱えこむように抱き締めました。

 私は背伸びするように彼の大きな背中に腕を伸ばしました。

 彼という人の温かさが伝わるようなハグ。

 それは彼の優しさや包容力を感じさせるものでした。

 


 彼の車のトランクから荷物を取って、

 タクシーを拾うために通りに出ました。

 二日間一緒に過ごしたせいで、

 別れ際がいつもより余計に寂しく感じられました。

 タクシーが走り出してまもなくすると、彼からメールが届きました。


  今度逢うまで我慢してね。

  昨日から楽しかったね。

  ありがとう。^^


 別れたばかりなのに、もう彼を恋しがっている私がいました。


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理沙子

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