こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年05月03日(日) 二度目のお泊りデート


 お昼過ぎに彼が車で迎えに来てくれました。

 それから、彼が予約してくれていた『ひつまぶし』のお店へ。

 お座敷で彼と向かい合って、

 とても美味しい『ひつまぶし』を頂きました。

 お料理が届くまでの間、彼は私とほとんど目を合わさずにテーブルの上の

 グルメ本を見たりしていました。

 カウンターには常連さんらしい年配のご夫婦、

 私達の隣のテーブルにも

 同じような年代のご夫婦とどちらかの母親らしい高齢の女性がいました。

 いつもとは違って言葉少なで、静かな彼。

 後で聞いてみたら、

 私がやたらはしゃいでいて彼に旅行のことなどを質問していたので、

 他のお客さんに聞かれるのではと恥ずかしかったそうです。^^

 多分、落ち着いた年配のお客さんが多かったからだと思います。^^;



 食事を終えて、車で来た道を戻りました。

 しばらくすると彼が助手席の私に聞きました。


 「どこか行きたい所ある?

  それともすぐに俺と二人きりになりたい?」


 いつもは私に何も聞かずに行き先を決める彼なので、

 私は少し驚いた振りをして彼の方を見ました。


 「どうして黙ってるんだよ。

  ぼーっとした顔して。」


 初めからなのか最近になってから特になのか、

 彼の気持ちは私にとってとても分かりやすいのです。^^


 「Tさんが早く私と二人きりになりたいんじゃないですか?^^」


 彼は私の質問には答えずに、その日泊まるホテルに車を走らせました。



 フロントでチェックインした後、

 ヨーロッパ調の家具でまとめられた綺麗なお部屋に案内されました。

 広いバスルームにはシャワーブースも付いていました。

 ベッドの端に座っていた彼は、

 私を膝の上に乗せると後ろからギュッと抱き締めました。


 「ずっと、こうしたかった。」


 彼はそう囁くと、私の顔を彼の方に向かせ何度もキスをしました。



 バスタブにお湯を溜めて、交替で熱いお湯に浸かった後、

 最近会う度に日焼けの色が濃くなっている彼の腕に抱かれました。

 去年の秋から毎週のように愛し合っているのに

 彼とのベッドが少しも新鮮味を失わないのは、

 食べ物の嗜好と同様、

 私達が二人とも愛し合うことに貪欲だからなのでしょう。



 抱き合った後、ベッドの上でお喋りしたりお昼寝したりしていたら、

 あっという間に夕方になってしまいました。

 私がシャワーを浴びて、洋服に着替えて、

 これから彼が予約してくれたお店に食事に出かけようという時になって、

 鰻屋さんに携帯電話を置き忘れたことに気が付きました。

 私が彼に伝えると、彼はすぐに鰻屋さんとこれから行こうとしている

 串揚げのお店の両方に電話を入れてくれました。

 そして、


 「夜もまた鰻にするか?(笑)」


 と私に冗談を言いつつ、車を出してくれました。


 「ごめんなさい。

  私がうっかりしていたから…。」




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 冗談とも本気ともつかない悪戯っぽい笑顔で彼が言いました。


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理沙子

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