こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年04月06日(月) 桜の季節に想うこと


 彼と何の連絡も取らない日が続くと、

 この恋もまた錯覚であるかのように思えるのでした。

 あの人との7年間は既に曖昧な記憶の中に消え去ろうとしています。

 あの人の無関心や嫌悪感を示す表情はおぼろげながら思い出せても、

 あの人のどんな言葉や仕草に愛情を感じていたのか、

 あの人とどんな風に抱き合っていたのか、

 あの頃の日記を読んでも思い出すことが出来ないのです。

 たまに電話で話すあの人は

 もう私が好きだった人とは別人のように感じられます。

 7年間という長い年月でさえそうなのだから、

 もし今の彼と急に会えなくなっても

 半年間の想いなど容易く忘れてしまえるものなのかもしれません。




 去年の秋、まだ彼と付き合い始めの頃に、

 もし春まで私達の関係が続いていたら桜のトンネルを見に行こうと

 話していました。

 桜の咲いている期間は長くてもせいぜい一週間、

 その時期が二人の都合に合うかどうかは極めて微妙なところです。

 先日、私が諦め半分で、


 「桜のトンネル、遠いし、やっぱり行けそうにないですよね。」


 と彼に聞くと、


 「でも、一度も行ったことがないんだろう?

  桜のトンネルは見られなくても、




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 と彼が言いました。




 去年の今頃、あの人と飲みに行った帰りに見た神社の境内の夜桜。

 ライトアップされた薄紅色の花びらはとても綺麗でした。

 恋は儚い桜の花に似ています。

 その繊細な美しさは短い命だからこそ心に残るのでしょう。

 過ぎ去ってしまえばその美しさも幻だったかのように思えてしまう…。

 恋を美しいまま終わらせたいと望むなら、

 散り際を心得ておくことが大切なのでしょう。


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理沙子

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