過去日記倉庫(仮名)
もくじもどるすすむ
フリフリおれ的わたし的ベスト2007はこちらより


2008年04月15日(火) Chasing the Trace / Drums Unlimited

スクラップ&ビルドの人生。(スクラップばっかりか?)過去のない男みたいに、選り抜かれたピュアな記憶ともういちど出会って、いけしゃあしゃあとこれおもしろいねーすてきだねーってまた書いて行こうかなと思ったりする。まあ忘れてるから一緒なんだけど。

     

前にマックス・ローチのDrums Unlimitedを久しぶりに聴いた。閉店まぎわにドラマーのためにかけてくれた一枚。どこかで聴いたなあと思いながら、ドコドコ・ドコドコと割り切れたタム回しでマックス・ローチだなとわかった。このアルバムはそんなに聞き込んでいないと思ったけど、確かにこのタム回しは知っていると思った。思い込みかしら…

ジャケを見て音を聴きながら、ハイハットの上下のサイズが違うね(画像右参照)とか、ドコドコとほぼ全てがシングルストロークっていうのは潔いけどジャズ的に言うといまいちかっこよくないんじゃないかとか、ドラム談義が続く。チューニングの話はおもしろかったですね。確かにベースとか他の楽器と合わせて初めて聞こえる倍音が変に響いて、やべえしくじったって時あるもんな。あと微細な狂いというか、半音より狭い段差が気持ち悪いとか、プロっぽいなと思った。でもこういう感覚的なものはみんなけっこうわかってるかもしれないな。言葉にならない感覚としてとか。

煽り・曲芸といった要素の他に、ドラムソロに知的イメージを与えた演奏。マックス・ローチはただのドラムに、悲鳴や警告以上の思想的なメッセージを伝える力をもたらした人だ。フィリー・ジョー・ジョーンズみたいに内輪芸にほくそ笑んで暗号を解きにかかったりするような、アート・ブレイキーみたいに励まされて涙が出て来るような、そんな音ではないんだけど、この人はドラムを使って何を語ろうとしてるんだろうと聞き入ってしまう。

でもやっぱりスカッとするドラムが好きでそういうのばっかり聴いてたんだけど、数年前にこの79年のライブ盤Two In Oneを見つけて、改めてマックス・ローチのことを考えた。改めてiTunesに読み込ませてみる。やはり数学的?で難解なスタイルを持つアンソニー・ブラクストンとのデュオライブ。前にも書いたことあるけど、さまざまなピッチと音色のシンバル銅鑼、グロッケンみたいな音も聞こえてきてびっくりしたんだよね。

今まで太鼓主体のソロを組み立てている人だと思っていたので、こういう金属楽器の演奏をどうしているのかというのがおもしろかった。マックス・ローチのシンバルなんて気にしたこと無かったし。具体的なセッティングとか知りたい所なんだけど、さすがにその写真はライナーにはのっていない。たまにはこういう感じでやっていたりしてたのか、相手を見てそろえてきたのか、とかいろいろ考える。余韻をうまくコントロールした空間/音響的な演奏。ドラムソロとなるといつものマックス・ローチなんだけどね。調べたら他にもアルバムが出てるので、聴いてみたらいいかもしんないな。これはいま思った。ブラクストンの影響かもしれないですよね。


aya_nkym |diaryJazz Boxantenna

即興アートWebRing
即興アートWebRing | 参加サイト一覧