過去日記倉庫(仮名)
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フリフリのおれ的わたし的ベスト2007はこちらより
| 2005年12月30日(金) |
I have The Room On Her / ジャズ短評 |
今年はジャズというよりもポストジャズというか、ジャズの要素が入った今の音楽という感じのものを聴いていて、ジャズそのものはほとんど聴いていませんでした。最近本格的に寒くなって(笑)季節の気分で聴きだしたという感じですね。最近聴いたもの数枚の感想メモで今年の〆にさせて頂きます。今日はジャズ。
いちばんよく聴いていたのがモニカ・ゼッテルンド+ビル・エヴァンストリオのアルバム。前にTV番組の『世界の車窓から』でワルツ・フォー・デビーがヴォーカル入りで流れていて、ああ歌が入ってるのもあるんだと思ったのがきっかけで、たまたまTSUTAYAにあるのを発見しました。
モニカ・ゼッテルンドはスウェーデンの女優兼歌手。英語も違和感無いですが、地元の民謡や言葉で歌ったものがいいですね。ワルツ・フォー・デビーもそうで、モニカのワルツという題になっている。歌詞の訳が載っていないので内容がわからないのが残念ですが、いいなあ自分の名前がついて、とか思いました。あと降っても晴れてもとかIt Could Happened to Youが好きなので聴けてよかった。
またボーナストラックにサンタが街にやってくるが入ってるんだけど、聴いてたら男の人の歌声…どう考えてもピアノを弾きながら歌ってます。おおーこれはビル・エヴァンスが弾き語ってるんだ!とわかってびっくりでした。ファンの間ではおなじみなのかもしれませんが、ものすごいサプライズ。なんかスタジオのリハでテイク2まで録ってる(笑)。なぜかギターとベースが軽く入ってて、歌詞も大人向けな感じで楽しそうです。でもライナー見ると録音したのは真夏なんだよね!なんで?なんか笑ってしまいました。
聴いていてスタイルとしては普通のジャズの歌伴だと思うんだけど、やっぱりトリオとしての結束力みたいなものが伝わる。上でも書いたけど民謡のアレンジがすてきだと思いました。北欧の民謡ってこんな感じなのだろうか。3曲とも素朴で哀愁ただようメロディで、短いけど美しく印象的な演奏になっています。ああ。やっぱりワルツ・フォー・デビーのはいいです。歌はかなり大人しい感じだけど。この曲いいですね。大好きだ。デビーちゃんがうらやましい。
これが今年最後に買ったアルバムかな?ポール・モチアン(ds)トリオのI Have the Room Above Her。モチアンさんが好きではあるけどそんなに熱心に追いかけてるわけではなく…菊地雅章(p)トリオののテザードムーンとか電気ビバップバンドを持ってるかな?というくらいでしょうか。今回もクォン・ヴー(tp)の新譜のビル・フリゼール(g)があまりにもよかったために、これはどうだろうと聴きたくなって買い求めました。沖縄市の普久原楽器にて。先に那覇のタワレコに行って、これかデレク・ベイリーの何かあったらどちらかを買おうかと思ってたんだけど、どちらも無い。初めて気付く私も不覚!でしたが、なんかがっくりしました。ECM盤の豊富な普久原楽器にも見当たらず。(デヴィッド・シルヴィアンのはあったかも…)
で買ってそんなに聴いてないのでそんなに感想らしいことも書けないんですが。自分が言うのも何だけどなんかものすごい上級者向けって感じ…オリジナルは楽譜はどうなってるんだろうって思ったりしましたが、癒されるからどうでもいいかなあ。テザードムーンよりはくつろいだ感じで、モチアン御大が暴れる曲とかもあっておもしろかったです。私にはなんか本当に奏法的にもつかみどころが無いというか直感的で無造作な演奏に聴こえて、いいなあこんなに好き勝手にやって、と聴いてていつも思う。なんかずるい、って感じで。
哲学的なテーマとかそういうのとは無縁な、生き物が動いてるんだな、っていうそれだけの音が聴こえるような気がして、そこがすてきだと思っています。なんだろう、シンバルの音がクリアで癖が無くて(テザードムーンのライブではパイステのライドを使っているのを確認したけど、今もそれをお使いなのだろうか?)、スネアはヘッドをそんなに張らずに低めにチューニングしているのがそういう効果をもたらしているのだろうか。
バスドラも音が低くて口径が大きめなのかもしれない。あとタッチがかなり優しいというのも。生で聴いたことが無いので何とも言えないけど、そんなに強くたたいてないのではないかなと思う。ダイナミクスの幅もそんなに広いわけではなく、ばんばん場面転換していくというよりも、長回しでゆっくりひとつの対象に自然にズームアップしていくみたいな流れ方をしているように感じる。
ここでのフリゼールさんは聴き慣れているスタイルで、そんなにアグレッシブではなかった。音もノイジーになることは無い。でもやはり曲によってアブストラクトな、フリーっぽい演奏になったりする。輪郭がにじんだような、アタックをずらして合わせたりとか、逆回しっぽい音でサックスと絡むとかがおもしろかったです。またタイトルはスタンダードなんですが、私が思い出したのは、地元のジャズボーカルの与世山澄子さんの、インターリュードというお店の上が貸間になっているということでした。張り紙がしてあって、ああ、ここに住んだらどんな感じだろう!と考えたりした。あそこはもう誰か住んでるのかなあ…最近、よく知っている方がそこに住んでいたことがあるというのを聞いてちょっとうらやましかったです。わー、どういう感じなんだろう、ジャズバーの上に住むっていうのは。
supersilentの7。これもまだ一回しか見ていませんが、思わぬ伏兵というか、やばいです。これが今年のベスト1になってしまうのか!!という破壊力を持つ一枚。ロックのベスト1はBORISなのでジャズはこれなのかやっぱり。6曲入りで、とあるライブの模様を最初から最後・アンコールまで撮って収めてあるといった感じで、曲の順番もそのままみたいですね。メニューのページが無く、曲のスキップ/戻りはできるものの、この曲だけという聴き方ができない。これもBorisのDVDHeavy Metal Meと対照的で、Borisの方はAll Playが無くて、本棚から一冊ずつ手に取るように、一曲ずつしか見れないつくりになっています。コンセプトの違いでこうやってつくるんだなあというのがわかっておもしろかったです。
映像はフィルム16mm撮りで白黒。柔らかい質感ですが、照明がチカチカして、特にドラムが見えづらかったなあ。とりあえず、ツーバスでタムが5つ+α(フロア)というでかいセットというのは確認しました。シンバルが少なかった!クラッシュとハットとライド(シズル)くらいしかなかったんじゃないかなあ。その他にはtp、key、サンプラーという感じの編成です。妙に殺伐とした速いテンポのものやきれいなメロディのゆったりした曲や、構成がきちっとしてるなと感じるんだけど、全部即興だそうです。まじ。確かに演奏終わった感じはそうだなあ。すさまじい完成度。最高以下の出来が無いというライナーの解説が大げさに感じないです。本当に。
もっとテクノとかエレクトロニカっぽいのかなと思ったけど、なんかトライバルなアプローチでとっつきやすかった。生楽器が入ってるからかな。Herge Stenの電子楽器のノイズも変な味があって悪くなかった。というか私はこの方に最も興味があって、ソロアルバムが国内盤で出るのを待っている所なんだけど。なんというか、流行する音楽にリンクしながらも、この方たちの内部で醸成・完結してる自分民族音楽なのかなあと思った。自給自足みたいな。技術とかサウンド的にひとつひとつ取り出してみるとそんなに奇異なことをしているわけではないと思うんだけど、つながり方が変な気がする…んーうまく説明できないのでもっと聴いて考えます。
Runegrammofonのコンピの一曲で悩殺されたデスファンクというか、この殺伐としたグルーヴ(ていうか踊れないんだけど)のドラムがすごいおもしろくて好きです。ハットをあんまり使わない方で、タムをドコドコというか、フリーっぽい短いフレーズをえんえんサンプラー的に繰り返してズタズタなグルーヴをつくっていくのが見事。生で聴いてみたいなあ。死にそうだけど…それにしても、同じレーベルでSPUNKとScorch Trioというこれまたアクの強いフリーキーなバンドのアルバムを買ったのに、ぜんぜんふつうに聴き流してしまいました。感想はこの時点でまだ何も書けず。おそるべしsupersilent。
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