そこにある時間


「出逢うのが遅すぎた」

絶対にそんな事は思わない。この人生で出逢えたこと自体が奇跡だもの。
「あの人」と過ごした今までの「時間」、そしてこれから過ごせるはずの「時間」を自分のための思いでとして綴っていこうと思います。


DiaryINDEX今までこれから


2008年04月28日(月) 大丈夫だよ、とっちゃん。

今日はとっちゃんと楽しい時間を過ごす予定だった。

だから私は、いつもより遅い時間とは言え7時過ぎには目を覚まし、顔を洗い準備をしていた。

 「さぁ、喫茶店に行って、それから待ち合せ場所に向かおうか」

そう思っていた。

すると、とっちゃんからメールが入った。


 「今喫茶店にいます。9時過ぎにいつもの場所で」


このメールで、私は喫茶店に行くことをやめた。

ここのママは勘がいい。

うっかり二人別々とは言え喫茶店に言って、うっかりいつもの二人で過ごすときの会話が出てしまっては危ないので、私は喫茶店に行くことをやめた。

だから私は9時少し前に家を出てコンビニにより、いつものアイテムを買い、場所へ向かい待っていた。


すると9時20分ごろ、とっちゃんが私の車に乗り込んできて、私たちは競艇場に向かった。

 「楽しもうね」 − ゆみ

するととっちゃんが言った。


 「楽しむだけやったらあかんねん。絶対勝たなあかんねん」


この時点で私はとっちゃんの様子がおかしい事に気づくべきだった。


競艇場に到着して、さっそく新聞をチェックしながら予想をたてる。

1レース目は見事に外した。

だけど2レース目を取り、なんとかチャラに。

でもでも。

その後ずっと負け続け、6レース目を前に帰ることに。

駐車場に向かう途中のとっちゃんの足取りは重かった。

車に乗ってからもとっちゃんはため息ばかりをつき、多くを話さない。

携帯を見ながらイライラしている。

私は黙々と運転することしかできず、「帰ろう」と言ったとっちゃんの言葉に従っていた。


そしてとっちゃんから話し始めた。

今日の競艇はとっちゃんにとって遊びではなく、真剣勝負だった。


大変な問題を抱えたまま、それを解決するための最終的な手段としてこの「競艇」と言う名のギャンブルを選ばざるを得なかったようだった。

それを聞いて驚いた。


どうして他の方法を選ぶように話すことができなかっただろう。

だから、昨日「競馬行こう」なんてメールしてきたんだ。



私は、とっちゃんと車に乗っていて私が運転しているときは絶対に煙草を吸わない。

だけど今日ばかりは一言断り、運転しながら煙草を吸い始めた。


集中するために。

今、この状況で、私がとっちゃんのために出来ることを一生懸命考えるために。

するととっちゃんが言った。


「こんな事になるなら俺、こんなギャンブルに使わなきゃよかった」

「こんな事なら、二人でカラオケ行ってホテル行って、二人の時間過ごせばよかった」

「そしたらこんな風に焦ることなんてなかったのに」

「増やそうと思ったのがいけなかった」


そして最後に、


「ごめんな」


そんなセリフをとっちゃんから聞くのがつらかった。

だから私は煙草を持ちながらふかしながら言った。


 
「とっちゃん、落ち着いたら一緒に、純粋に楽しむために競艇場にまた来よう」

「とっちゃん、またカラオケ行こう。ゆみ、とっちゃんの声聞きたい」


「とっちゃんが倒れそうなら、私はそれを支えるから」

「とっちゃんの幸せがゆみの幸せだから」



「だから今、一緒に何ができるか考えようよ」




とっちゃんを一人なんかにしない。

たとえとっちゃんが私を一人にしたとしても、私は絶対にとっちゃんを一人にしたりなんかしない。

だから、また一緒に考える。

私の問題は私の問題・・・・


だけど、とっちゃんの悩みは私の悩みなんだもの。



大丈夫、とっちゃん、大丈夫。

そばにいるから、一人にしないから。



私はあなたを笑顔にするために、いつもここにいるから。





ね、とっちゃん。


また、ゆっくりのんびりカラオケ行ったり、競艇場に「楽しむ」ために行こうね。

もぅ、こんな苦しみが終わる日は、そこまで来ているから。


Toっちゃん

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