舌の色はピンク
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| 2022年04月03日(日) |
修復職人、実家バウンサー、まぐろラーメン |
9時に休日トースト。 それから早く家を出たいのにEテレの番組に見入ってしまった。 修復職人。 修復といえばギャラリーフェイクの藤田が想起されるが、 主には骨董品を手がけているらしい。 先代から受け継いだ技術を当代は継承し、 さらに息子も同職に携わっている。
仕事場はマンションの一室で、 貸主に許可は得ているのか疑問に思った。 多くの賃貸では、居住以外の用途を制限しているはずだ。 接客業ではないにしても、薬品の取り扱いなど多くあるだろう。 でもまあいいんかな。黙認か。
陶器を熱してから液状の樹脂を流し込む。 すると樹脂がヒビ割れに垂れ込んで溝を埋める。 不思議だ。 どこでどう培われた技術なのやら知れない。
職人の業界に通じる用語はかっちょいいのが多い。 今日心に残ったのは「呼び接ぎ」。 ある磁器から欠けてなくなった部位を、 他の磁器や物品の欠片によって補う。 つまりは欠片がお呼ばれするわけだ。 素敵な表現。好き。
自分が新作を…ゼロから作ってみたくはならないのだろうか。 おそらくは長年を通じて、作品への畏敬、 先人への恐れ多さを積んできたのだろうけれども、 それだけに、やてみたくはならないのだろうか。
できあがった修復品は文句の付け所がない見事なできで、 ツギハギのあとなど微塵も見られなかった。
図書館ではたまごクラブと、 取り寄せをお願いしていた本を二冊借りた。 OKストアで買い物して帰宅。 妻は雑誌を喜んでいた。 「雑誌が借りられるって、いいよね。 返すから邪魔にならないし」 「そうそう、2週間という期限もちょうどいい」 「うん。最近ね、ちょっと何もしたくないなあってときに、 なんとなく手に取れるから、雑誌に大分助けられてるんだよ」 「何もしたくないけど何かしなければって心境にもぴったりだね。 たまごクラブなら。読んでるだけで、やることやってる気になれる」 実際、図書館でもっといろいろの雑誌を借りてきてもいいくらいだ。 まぁ借りてしまった分だけ他の利用者から機会を奪うことになるから 結局は最低限しか借りないわけだけど。
改めてドライブ・マイ・カーがろくでもねーという話をした。 単品で、ただこちらが個人的に気に食わない、 というまでなら話はシンプルだけれども、 なまじっかアカデミー賞なんかで評価されやがって、 するとあの作品で描出された主題が 世間に肯定的に認められるということになる。 男の女々しさ、情けなさが認められることになる。 強がらなくていいんだよというしょうもない甘言。 おっさんが若い女の胸に抱かれて弱音を吐く…なんだこいつ…。 聖闘士星矢を読め。
いやそうして当たり前化されてきた男性的規範からの 脱皮を遂げたんでしょうよ、ものすごい低い次元において。 全然聖闘士星矢的な美徳を越えられてないと思う。 都合がいいだけで。 あんなのは優しさとか許容とか良心じゃなくて 目先の甘やかしに過ぎない。 全然世のためにならない。 とふいに激した。
洗濯物を干してから風呂へ。気持ちいい。 しばらく読み返していた三島由紀夫の純白の夜が もうじき終わる。 この作品、比喩表現で戯れている。 子供が引き合いにだされる表現が多い。 あんまり高価な土産物に引け目を感じる子供のように、とか。 みごとだよなあ。
昼飯は炊き込みご飯。 火も油も使わないで済む。 でも炒り卵は用意した。 それから味噌汁で暖まる。 いつもは休日の昼飯にはサラダを用意しないが 昨日に続き今日も夕飯を外でとるつもりでいるから 今日の昼は多めのトマトとサラダ菜を共した。
しばしダラダラと過ごした後、掃除。 あちらこちらと片付けていって 掃除機をかける。 本来ならば冬物をしまい込んでいくつもりが 昨日今日の思わぬ寒さで断念せざるを得なくなってしまった。
一通りの準備を終えて、14時半過ぎに妻と家を出た。 西荻の三井住友で預金。 それぞれ335万円。 二人合わせて現金総資産は1200万円ほどとなった。 もう家買えんじゃねーの、と妻が言う。 たしかに買うだけならできそうだな。
高円寺からバス乗って25分、16時に実家着。 とりあえず麦茶を出してもらい温まる。 こちらからも、昨日仕入れた和ハーブティーをやった。 おしゃべり好きの母親は問わず語りに 次から次へと話題を紡ぐ。 ほとんどしゃべりっぱなしで、 僕は半分聞き流しながらたまに相槌を打つ程度だから楽だが 妻はかえって大変かもしれない。 こちらからは娘の名前候補を提示した。 いずれでも良いようだった。 その流れで、名付けに関する話を聞いた。 僕の名前にある吉の字は三兄弟に共通している。 長兄は当初、父親の意向で万吉と名付けられるはずだったが 母親がそれだけはやめてくれと懇願して別の名になった、 という話は知っていたが、今日聞いたことには、 万吉の名は一度は役所に提出してしまったらしい。 出生直後に。父が。勝手に。 で翌日大騒ぎの末、なんとか届け出の訂正を聞き入れてもらったとのことだ。 めちゃくちゃだな。 また、吉の字は父が世話になっていた兄貴分… 本筋のヤクザモンで、この人が お前はこっちの道に入るなと強く諭してくれたから 父は極道にならずに済んだ、だから恩人なのだという… その人から拝借したのだとも聞き知っていたが、 その名は今回始めて聞いた。 吉三郎といったらしい。 ずいぶんとこれはまた…。
母親はコーヒー党で 普段は茶を気に入ってないらしかったが、 今回やった和ハーブティーは好みのようだった。 やはりアマチャの甘みが面白い。 ティーパック10袋で2000円弱と割高ではあるが ちょっとした珍しさが面白いし追加購入を決意した。
18時においとましてまぐろラーメンへ。 数年ぶり。 しかし客がいない。一人も。 いつも行列をなしていたものだけれど… やはり営業形態が夜向きなのだろう。 今はコロナ禍で20時までの営業としているようだが、 長い間、20時くらいから深夜の3時近くまでオープンしていたのだ。 ただ単純に、空いている分には助かりもする。 僕はラーメンの大盛りを、妻はラーメン丼を注文した。 ああ美味しすぎる。 唯一無二の味。 こんなに美味しいラーメンはない。 とびっきり濃い目のラーメン丼も… 見た目は残飯のようなのに旨味の塊。 ラーメン丼を食べると ラーメン丼を注文しておくべきだったと後悔してしまう。 あっという間に食べ終わり席を立つ。 気づけば店内は満員になっていた。 なんだ今もやっぱり人気店じゃないか…。 このタイミングでマスターと奥さんが挨拶をしてくれた。 何年ぶりに来ても、必ず声をかけてくれる。 中学生の頃から通い始めて、とうとう結婚したし、 今度子供が産まれるんです、と報告できて嬉しかった。
店を出てバス停へ向かう。 まぐろラーメンを食べている時間は夢見心地で、 ほんの一瞬で終わってしまった。 体感的には一口だ。 恍惚として雨の中を歩く。
帰りのバスでは妻が寄ってしまった。 高円寺駅で休憩。 上島珈琲に入り、これからの話などをした。 購入品の中でベビーカーは重くのしかかる。 数万円する買い物…という費用もさることながら、 今からどの製品がいいものか調べなおして、 比較検討して、下見して…というタスクが、端的にいって面倒だ。 もらうのならば選択の余地がないから楽だった。
上島の会計は1000円。 昨日今日でそれなりに散財してしまった。 なにしろ久しぶりだからいいけど。 いいけど…やっぱ使いすぎたな。 荻窪着いてからさらにバス。 昨日と同じく歩くのを諦めて。 妻の不調に加えて雨だしバウンサーも持ちっぱなしだし。
帰宅は20時。 なんだかすごく疲れた。 洗濯物は乾いていない。 乾きそうなところへモノを入れ替えていった。 しばしくたばった。 スーパーマリオコレクション。 おおお懐かしいぜ。 ちょっとした効果音や音楽に感じ入る。 マリオブラザーズ3をプレイしてみた。 一面ごとがやけに短く感じた。 ボリューミーなゲームに知らぬ間に慣れしまってんだなあ。 続けてツインビーもプレイしてみた。 ベルを撃つと色が変わる仕掛けが懐かしくってたまらない。 懐かしさだけでプレイしているから5分で満足。
妻と交代して、僕は借りてきた本を読むことにした。 韓国の小説。四隣人の食卓。 共同体とか隣近所とか特異な生活とか、 いま僕が興味のある領分で満たされた作品と思われるのだけど、 2ページだけ読んでみてなんとなく気分がのらない。 そもそもあっちの登場人物名全然覚えられないし序盤はかったるい。 で、小説は諦めてもう一冊の本を読んだ。 団地に関する本。 面白い。 今でこそ古臭い昭和の象徴で、活気がなく、 孤独な高齢者の生ける墓場のような場所となっているが、 かつては全く逆で、団地中がまるごと家族のような結びつきがあり、 いつも喧騒にまみれていた……。 著者の経験に根ざしてもいる記述には団地の息遣いが感じられる。
21時過ぎ。動けない。 動けないが風呂には入りたい。 入りたいが動けない。 「ミュークルドリーミーがないから動けない。 ちあふるタイムがないからやる気になれない」 と呻くと妻がちあふるタイムの真似事をした。 その声とともに動いた。 「これで動かないと、 ちあふるタイムを否定してしまうことになるからな…」 「便利だなこれ」
入浴後、バナナジュース。 生のバナナ1本と 冷凍してあったバナナ1本をブレンダーにかける。 いつもは冷凍バナナは事前にやや解凍するのだが 今回は試しにそのまんまガリガリとやってみた。 ちゃんと砕かれジュースになる…が、 刃が傷つきそうだから今度からはやめておこう。 でも冷え冷えのめちゃうまバナナジュースに仕上がりはした。
23時からしばし一人の時間をもらった。 1時間ほどかけてトキノの推敲を進めていく。 推敲は文を書き進めるわけじゃないから かける時間の割に停滞感に見舞われる。 でもこれで、2章までは完成した。 全体量の3割くらいか。
寝る前に風光るをちょっとだけ、 第一巻だけ読みきった。 これ面白くなるの、と妻。 幕末の時代の動きを追っかける面白さがあるよと答えた。 僕の感想を正直に言えば、 この漫画の基軸である主人公と沖田総司の 鬱陶しい掛け合いさえなければ面白い作品だ、と思う。 というか皆いいキャラしてるのに 主人公セイと関わるやいなやナヨナヨしい種無し野郎になるのが惜しすぎる。 最後までデレない土方が良心。
新たに借りてきた民話集を読み聞かせた。 スラブ民話集。 イスラム文化圏の国々の民話がぎょうさん載っている。 今日読んだのはちょっと凄惨だった。 神に祝福された美少女が 口を開く度にジャスミンと百合の花びらがこぼれる というのは途方もなく素敵だったけれど これに嫉妬した叔母は彼女を砂漠へと連れ出して 水と引き換えに彼女の右目をえぐりだす。 さらに同様に、左目もえぐり出す。 でまぁ最終的にはこの叔母の娘の両目もえぐり出されて その目玉が祝福された美少女の方につけられて 王子様と結婚してハッピーエンド☆みたいな終わり方してるんだけど 叔母とその娘がどうなったかを思うと…。
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