カゼノトオリミチ
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2008年07月07日(月) 手からこぼれおちるもの





雨あがりの空には 薄墨色の

雲が ちぎれて

薄水色の背景が 見える それは

もともと そこに有るもの



風は雨に洗われて 柔らかく

何も考えなくて いいよ と

ささやくから

受付の看護婦さんの

何事にも動じない

静かな温かさ 思い出す



そうなんだ 何も 変わらない

変わるのは

私の ココロばかり

夕暮れに

揺れる 振り子は

胸の鼓動のように 次第に 激しくなり

とうとう

行ったきり 戻ってこないのでは と

不安になる



あの 雨あがりの 雲のむこうは

ずいぶんと

気持ち良いからね と

ねぐらへ急ぐ オナガが

早口で 言いながら 頭上を 飛び去る


natu