カゼノトオリミチ
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自分から いちばん 遠いところにある色が
白だと思う
くすんだ肌に もう 白いシャツは 似合わない
潔くまぶしい季節に もう 戻れない
ところが こころの どこか
何度 汚れても
油が 水をはじくような すみっこがあり
絶えず懐かしい 歌さえ 流れている
その辺りが
白さの記憶を 消そうとせずに
悪さする
だから厄介なことに
夢みたり する
夕暮れの風に タメイキ ついたり する
必要ない そう 言い切れずに
いつまでも 机の奥にしまってある
古くなった ホチキスの針の箱 のようだ
natu

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