こぞのさくら...

 

 

オヤジな気持ち - 2006年01月26日(木)

目的の店へ向かって肩を並べて(と言っても、私の方が10センチ以上背が低いから、文字通りに、というわけにはいかないけれど)歩いている途中、わざと歩みを遅らせて距離を取り、全身の姿を斜めうしろから眺める。

今日はお気に入りの女のコとデート。

和製のバービー人形みたいだと、初めて彼女に会った時から密かに思っているのだけど、本人に伝えたことはない。
すらりとしなやかに伸びた四肢に肩甲骨あたりでさらさら揺れる漆黒の髪、色白の小さな顔にぱっちりと大きく理知的な瞳と程よい厚さの色っぽい唇。

美しい人やモノっていうのは、もうそれだけで、そこに存在するというだけで価値がある。
そこに内包されているものが滲みでて魅力となるわけだけれど、もし彼女に魅力がないなんてのたまうヤツがいるとしたら、グーパンチものだし、少なくとも私はその人と仲良くなれない。
天はニ物を与えまくるのだ。

「あれ?」
私が横にいなくなったことに気づいた彼女が不思議そうに振り返る。
「足、いつ見ても綺麗だね。」
ほんと綺麗。
真っすぐで細くて長い足に、蔓科の植物の柄の入った群青色のストッキングがよく映える。
謙遜して顔の前で手をひらひらと横に振る動きさえも、蝶々みたいに優美でうっとりと見とれてしまう。

街の喧騒を抜けて、坂を下ったところにある彼女ご推薦のクレープの店に連れて行ってもらう。
お互いに会っていなかった間の近況を語り合いながら、マーガレットの絵柄が描かれたカラフェに入ったシードルを差しつ差されつ。
バターの香りが食欲をそそる焼きたてのクレープを頬張ってほろ酔い。いい気分。

食べたり飲んだりしゃべったりで忙しい上品なコーラルピンクのグロスを塗った唇や、「おなかいっぱい」と体を反らして胃をさするVネックのセーターの小ぶりで形の良い胸に、時折どぎまぎしながら視線を宙に泳がせる。

昼間なのに結構いいペースでお互い飲んで、昼のバーゲンが終盤になってる夕闇せまる街へ繰り出す。
ハンガーにかかった服を次々と体に当ててみている彼女を遠目にこっそり盗み見る。
あ、それ、すごくよく似合うよ。
「お金そんなにないし〜」と残念そうに服を元に戻す彼女に「ああ、私が大金持ちのオヤジだったら、欲しい服なんて全部買ってあげるのに!」と言うと、思わず目を細めてしまうくらいの眩しい笑顔でからからと笑う。

あぁ、ほんとだよ。
今日一日で一体何回私が男だったらって思ったことか!







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