雑念だらけ
DiaryINDEXpastwill

【whoisMy】をOFF設定にしています。


2006年09月24日(日) あたり前の世界で

ホームのゴミ箱に封筒とストラップを捨てた。

懐かしい街。
私が数ヵ月前まで居た街。

あたり前の広い世界に戸惑う。
知ってる土地なのに。
異世界を見るような気持ち。
暫く入院した後、退院して街を歩いた時の感じと似ていた。
自分に自信が持てない。不安。不安定。
(その感覚は、この先しばらく続いた)

私は「金魚鉢から逃げて川に流れていった金魚」みたいなものだったのかも。

駅を出て真っ先に向かったのは携帯ショップだった。
新しい携帯を手に入れなくては。

一番近くのショップに駆け込み、新規で契約。
(ショップの人と話してて、自分が何か変なことを言っていないか気になった)
データを移動してもらったり手続きの時間がかかるので本屋に入った。

前から気になっていた本を買った。
緑の表紙にクローバーが描いてある、「GOOD LUCK」という本。

これまで自由に本が買えなかった、彼がやかましいから。
その本を駅の待合で読んで新しい携帯が仕上がるのを待った。

一時間後、ショップで携帯を受けとる時メールのやり方を説明してもらった、今までの携帯とは会社も機種も違ったし一番に使わなくてはならないのがメールだったから。


駅に戻って東京のKさんにまずメールした。それから私を助けてくれたこっちの友人に。
すぐにおいで、と返事が来たので電車に乗り彼女の町へ。

午後六時過ぎ。
駅で彼女は待ってくれていた。
懐かしかった、嬉しかった。

「よかった!
なかなか連絡ないからダメだったのかって心配したんだよ!」

私はひとしきり事情を説明した、友達と会ってから来たこと、計画通りに手紙をポストに入れれなかったこと、携帯を変えなくてはならなかったことなど。

「あのね」
彼女は、ちょっと困った顔で私に言った。
「あいつから私にメールが来たんだよ」


え!?


彼には彼女の住所も電話番号もメールアドレスも教えていないし彼は知らないはずだ。


「こんなメールがさあ」


彼女が私に見せてくれた彼からのメールには
丁寧な言葉で、私が急に居なくなったことが書かれていた。

彼女はいつものカバンしか持っていません、心配です、別れを意味するメールが来たのですが彼女の意思とは思えません。
僕たちは愛し合って苦労をともにしてきたのです。
事件でしょうか。でも間違っていたら何かと面倒な事になるので警察抜きで確認を取りたいのですが。なにか情報をご存じないでしょうか。
僕の至らない面はたくさん有ります、それはわかっていますが彼女とは何もかも話し合って今日がありました・・・云々


驚きもしない内容だった。いつも彼が言ってる言い訳の羅列だった。

私が驚いたのは
彼が友人への連絡先を知ってたこと、
それからそのメールにあったのだが、彼は私の元ダンナの住所や電話番号、メールまで知っていたことだ。
おまけに私の実家の電話番号まで。

ああ・・・わかった・・・

いくら探しても見付からなかった私の前の携帯だ。
あれにはいろんな情報が入ったままだから。
それしか考えられない

彼のメールには「心当たりはこれだけですが何か知りませんか」とあった。
彼が自分からそこへ連絡するんじゃなくて。
つまり「良かったらそこへ連絡してみて下さい、僕はしないけど」ってことだ。


彼があれこれ知っている、と思うと面倒だった。
この先も彼女へのしつこいメールが来るだろう。
あの性格だから電話はしないだろうが。
顔を合わさず自分を上手に隠せるメールでの問い合わせを何度もしてくるだろう。


「なんにも知らないって返事しておいたよ。
『ヨウさんはあなたに言えない苦労があったんじゃないの、
あなたはヨウさんのことを愛してるのかもしれないけど、努力ってした?』って。

そしたらさ、
『僕なりの努力を必死でしたました、
でも僕は人生経験が少ないから足りない部分があったと思います、
もう一度彼女と人生をやり直したいのでなにか連絡があったら必ず僕に教えてください』
・・・だってさ。

教える?」


冗談じゃない
戻っても同じことの繰り返しだ、彼はもう変わらない

友人と食事をして家に。
その間にも彼からのメールが何度か。
そうとう焦っているみたいだった。

「焦ってるってことは、まったく気が付かなかったんだね。
ヨウさんのこと。
もう逃げたりしないって安心してたんだろうね」


私は友人の家の一室を貸してもらった。
ここで寝ていいのか・・・嬉しかった。

ひさしぶりに 静かな暗い部屋で、足を伸ばして、広い布団で眠った。
別世界、開放感。


***

その日 本屋で買った「GOOD LUCK」
内容が身にしみた。
今もそれに書かれていた言葉を心で繰り返して活力に。




メールは受け取っておりません。すみません。

[LINK] 「モラル・ハラスメント被害者同盟」
モラハラで苦しむ方々へのメッセージや皆さんの体験談があり
私の心の支えとなりました。

ヨウ