雑念だらけ
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2006年09月14日(木) 一番長い夜・2

「でさあ〜」
彼は続けた。
「『時々一緒のとこ見るんですよ』って言われてさあ。
ヘーって思ったわけよ」

で、あなたはなんて答えたの

「ええ、まあ・・・って。
でさあ、そいつの話だと、あちこちで見かけたって言うんだよ。
で、そいつの知り合い(これも同業者)も、『○○さんって、彼女いたんですね、見かけました』って言ったんだって」

ふうん


で、何が言いたいんだろう・・・と思ってたら

「もうおしまいですよ」
と、さらにニヤニヤしながら
「こんなに見られてます!
俺達はそういう仲なんです!
目撃されてるんですよ!!」



目撃・・・
芸能人じゃないんだし、男と女が一緒に歩いて何が特別なのか・・・
付き合ってて一緒に出掛けたら誰かに会うだろう、わりと。
コソコソと密会してるつもりでも見られてるものなんだから。



「でさ、聞くとこによると〜
Fさん(同業)の彼女も年上らしいんだよ・・・
で、お前と一緒でバツイチらしくて・・・

いやあ〜よかった〜〜〜多いんだよ、彼女が年上バツイチって人〜〜〜

俺だけじゃないんだよ〜
おまけにみんなに見られてるんならさあ、わざわざ紹介する手間が省けたじゃん〜〜〜
どうしようかと、正直さあ、思ってたわけよ。
お前のことをどう紹介したらいいもんかと・・・
俺のイメージも変わっちゃうしさあ〜〜〜

でも、よかった〜
俺だけじゃないんだよな〜〜〜って」

嬉しそうな彼。
悪気は無しに言ってるんだろうが、そんなに私の経歴がイヤだったのか、と 怒りというより呆れた。
明日にはこの人を騙して逃げるんだ、と思っても情けなかった。


私の肩を ポン と叩いて、ものすごく真剣な顔を作って

「見られてるんです。
もう、目撃済みなんです。

お前にはそのつもりで居てもらわないと困るんです。

お前は俺より、いろんな意味で人生の先輩です。
だからしっかりしてください。
俺達はもう、そういう関係なんだと自覚してくださいよ」





「好きになったら バツイチなんて珍しくない、歳の差なんて気にならない」

昔、私にそれを熱く語った人が一番気にしていたわけだった。




その日の出来事を語るだけ語ったら気が済んだのか、彼はテレビを見て笑っていた。

「お前が寝たら、俺、仕事するから」

締め切りは?

「月曜。月曜まではけっこう忙しいんだ」

そう、じゃあおやすみ


携帯の目覚ましをセットするふりをして設定を戻し、枕元に置いた。

月曜かあ・・・
私はもういないけど

今夜も灯りは消えないだろう。
どのみち眠れそうになかった、ゆっくり寝てられない気分だった。
寝たふりをしていよう、と決めた。
長く感じるだろうが確実に時間は過ぎるのだ、と言い聞かせた。


彼は暫くの間テレビを見てようだ。
深夜番組が始まった頃、仕事に取り掛かった気配がした。



メールは受け取っておりません。すみません。

[LINK] 「モラル・ハラスメント被害者同盟」
モラハラで苦しむ方々へのメッセージや皆さんの体験談があり
私の心の支えとなりました。

ヨウ