雑念だらけ
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2006年08月24日(木) 「来月」は無い

その日の夜、ようやく彼の熱が下がり始めた。

熱が下がったら仕事が溜まっているのを片付けなくてはならない状態だった。
締め切りが近いらしい。

仕事に行く用意をしている私に彼が言った。
「来月だから、この仕事の振込みは・・・
だから今月も収入ゼロ、ね・・・俺。
覚悟しといてくれよ」

いつものことだった。

はいはい、と頷いて部屋を出た。


来月・・・
私に来月はない、ここで。あなたと。



昼休み、いつものオバチャン2人と私だけになった。
この2人は女性陣の責任者でまとめ役。

まずこの2人に言わなくては・・・と、退職の話を切り出した。

「せっかく仕事に慣れたのに・・・残念だよねえ」
「で、どうするの?辞めてからの事は決めてあるの?」

とりあえず田舎に帰る、とウソを言った。
両親もけっこう歳をとったので、と。

そうかそうか、と2人は頷いた。


それで・・・お願いがあるんですが・・・と、私。

「なあに?」

なぜか2人が、ピン、と来たような顔になった。

???と思いながらも続けた。

私が退職することを他の人に言わないでもらいたいんです、
社長と職場の人たちには私が言います、それ以外の人には・・・
例えば友人から電話がかかってきても
私がいなくなってからもどこに行ったかを教えないで欲しいんです

オバチャンは2人とも私を見て強く頷いた。
「まかせなさい。わかったよ」
そして2人はこんどはお互いに目を合わせて無言で頷いていた。

その後、社長にお願いに行った、
すみません、辞めさせてください、と。

「今度の食事会はそこの新しいお店にしようと思ってたんだよ、
居ないのかあ、ヨウさん〜
じゃあ、前倒しで早くやっちゃおうかね〜」
と、社長。
そして
「人それぞれ事情があるよねえ。
わしは余計なことは言わないし聞かないから、ね。
残り少しだけど頑張って働いてよ〜」

ありがとうございます、と頭を下げた。
やはりこの社長さんは変わっている、と思った。

仕事の事は気になっていた、
勝手に急に辞めたくなかったので。
まずひとつ、やらなくてはならないことを済ませた。
辞めることを言ったら、それなりに楽しかったし思い出もある、ここもあと少しか・・・と寂しくなった。


***

オバチャンたちがアイコンタクトを取っていたり社長が物分りが良かった訳が後日分かった。
『ヨウさんはストーカー被害に遭っている』
『ヨウさんの彼は酷い男でDV男らしい』
『元彼がしつこいらしい』
・・・な噂があったらしかった、私の知らないとこで。
『だからヨウさんは逃げたいんじゃないのか』と。

全く違うわけではないとこがなんとも。
彼の話は職場ではした事がなかったんだが。

***




メールは受け取っておりません。すみません。

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ヨウ