| 2008年10月22日(水) |
大変失礼な通りすがり |
昨夜は診療が終わってから地元歯科医師会の会合へ出かけました。日頃の診療だけではなく、地元歯科医師会の仕事をしている関係上、会合があるのは夜遅くになるのは仕方がないことですが、それにしても一日の診療で疲れた体を何とかごまかし、再度気合を入れなおして会合にでかけるのは結構つらいです。ここ1〜2週間、地元歯科医師会関係の会合が立て続けにありましたから、余計にそう感じるのかもしれません。
まあ、個人的な愚痴はこれくらいとしまして、昨夜の会合の合間、地元歯科医師会の某先生から聞いた話は、思わず開いた口が開かない話でした。
「実はね、先日うちの歯科医院にある高齢の患者さんが来院したんだよ。初診の患者さんだったんだけど、最初から妙に落ち着きがないんだよね。患者さんに落ち着きがない場合って、体調が優れない場合も否定できないから慎重に診ながら問診を取っていたんだよ。そうしたら、僕の質問を遮るように問いかけてきたんだ。」
「『最近、新しい歯科医院が開業したからって聞いたものでこちらへ来たのですけど、どう見てもここは建物が新しくないし、器械も最新式のものじゃないですな。』って。“こいつ一体何を言い出すんだ!”と思ったんだけど、何とかこらえて、言ったんだね。『うちは開業して20年以上経過していますからね。数年前に改装はしたんですけど、残念ながら最新というわけではありませんね。』」
「そうしたら、その患者何と言ってきたと思う?『先生は○○先生じゃないんですか?』って。明らかに私の名前ではなかったので、否定したら、その患者さんはこんなこと言ったんだよ。『私、間違えていましたわ。本当に行きたかったのは○○歯科医院だったんですけどね。地図を見てここだと思い込んでやってきたのですけど。何か診療所に入ってから雰囲気が古くさいし、スタッフの人も年配。おまけに先生も若くないので変だなあと思っていたんですよ。』」 「大変失礼な奴ですね。いくら間違えたからと言っても礼儀があるはずなのに。」 「まあね、世の中にはいろんな患者がいるからね。まあ、他の歯科医院と勘違いしてやってくる患者もいるだろうと思い、何とか我慢しながら聞いていたんだけどね。ただ、さすがにその患者が次に言った言葉には堪忍袋の尾が切れたよ。」 「一体どんなことを言ったのですか?」 「その患者が言うには、『ここにいても埒があきませんので、失礼しますわ。ところで、先生、○○歯科医院ってどこにあるか知りませんか?』ってね。うちの歯科医院を勘違いしたくらいだったら笑って済ませられるけど、さんざんうちの歯科医院のことを酷く言った上に、○○歯科医院の場所を訊いてくるとはね。さすがの私もつい感情的になってしまった。『そんな歯医者知りません!』」 「その患者の反応はどうでしたか?」 「捨て台詞を残して出て行ったよ。『役にたたない先生やな』って。私も20年以上歯医者をしているけど、これほど大胆で失礼な患者に遭遇したのは初めてだったよ。患者というよりは失礼な通りすがりみたいだけどね。何だかテレビで放送しているコントみたいだけど、本当の話なんだよ。事実は小説より奇なりって言うけど、まさしくそのとおりのことが起こったよ。ああ、今思い出しても腹立たしい・・・。」
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