| 2008年10月17日(金) |
双子兄弟入れ替わりの顛末 |
僕の出身大学の同級生に双子がいます。双子というだけあって外見上はほとんど違いがありません。実際の性格は兄の方が活動的で、弟の方が内向的ではありますが、それも実際に付き合わないとわかりません。僕は最初のうちはどちらか兄で、どちらが弟か区別がつきませんでしたが、顔や表情の微妙な差と性格の違いから双子を見分けることができるようになりました。おそらく、初対面の人や普段付き合いの無い人であれば、どちらが兄でどちらが弟が区別がつかないでしょう。
この双子の兄弟、大学時代には周囲からけしかけられてある悪戯をしたことがありました。僕の出身大学では、教養の講義カリキュラムの際、講義が選択制のものがありました。中学、高校のように全ての科目を受講するというのではなく、いくつかの科目から自分が興味ある科目を何科目か選択し、受講するカリキュラムだったのです。 双子の兄弟のうち、兄の方がAという科目を、弟の方がBという科目を取っていたのですが、周囲の友達の提案、というよりもけしかけられたと言った方が正しいかもしれませんが、ある時を境に兄と弟が入れ替わったのです。すなわち、弟がA科目を、兄がB科目を受けるようになったのです。それぞれの科目の講師は、双子が入れ替わったことは全く気がつかなかったのだとか。これは面白い!ということで、それ以降、双子はそれぞれが本来受けるべき講義とは違う講義を受け続けたのです。結局、講義カリキュラム終了までそれぞれの講師は双子が入れ替わっていたことに気がつかずいました。
ところが、その後問題がおきました。それは講義終了後の試験でした。兄と弟、どちらがどの科目の試験を受けるかということで一悶着起こりました。本来なら兄がAを弟がBを受けるはずだったのですが、実際はほとんどの講義で入れ替わっていたために、兄弟同士の話し合いで兄がBを弟がAの試験を受けることになったのです。そこまではよかったのですが、問題は試験終了後起こりました。兄はB科目を合格したのですが、弟はA科目を不合格だったのです。
双子とはいっても兄弟の性格の違いが現れているとは思うのですが、兄貴の方はきちんと講義を受け、ノートも真面目に取っていたのですが、弟の方は講義中、まともに聴かず、時には転寝を繰り返していたのです。結果は、兄が合格、弟は不合格。 実際の試験結果が張り出されました。その結果は、A科目には兄の名前の欄には不合格の文字が、B科目の弟の名前の欄には合格の文字が躍っていたのです。
どうして俺が不合格なんだ!
兄が怒ったのは無理もありません。実際に自分は真面目に講義を受けて合格しているのに、入れ替わっていた弟の不始末のために不合格にだったわけですから。
後で聞いた話では、双子の兄弟はかなり激しくケンカをしてしまったそうです。結局、兄の方がまさり、弟がA科目を再受験したことで一件落着したのだとか。
兄弟同士の入れ替わりも時には災いを生むもの。そのことを身を持って知った双子の兄弟の話でした。冗談も行き過ぎはだめだということですね。
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