歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年07月09日(水) あなたの給料を教えてと言われて・・・

昨日、ある書類を期限ギリギリで郵送しました。その書類とは、平成20年度賃金構造基本統計調査。

賃金構造基本統計を初めて目にされる方もいると思いますので、若干説明をば。
賃金構造基本統計調査とは、労働者の賃金の実態を、産業、地域、企業規模、労働者の性、学歴、年齢、勤続年数などの別に明らかにすることを目的とした調査です。昭和23年以来毎年行われている調査なのだそうで、厚生労働省が行っている調査のひとつです。統計法により最も重要な統計の一つとして指定統計の一つなのだそうです。

この調査は全国の事業所を無作為に抽出し、選び出した事業所に対して調査を依頼する方式を取っているようで、どうやら今年度、医療関係の事業所の中の一つにうちの歯科医院が調査対象に選ばれたようなのです。送られてきた書類は2種類あり、一つは事業所全体の状況を報告するもの、もう一つが事業所に勤務する労働者の個別の状況を報告する書類でありました。

僕はこの調査に協力するかどうか迷いました。なぜなら、いくら厚生労働省が行う調査とはいっても、義務ではなく任意の調査でしたし、何よりもうちの診療所の僕や親父、スタッフの給与を正確に報告するのが嫌だったからです。
給与、賃金というのは事業所にとって非常にデリケートな情報の一つです。できることなら誰にも知られたくない、公にしたくないのが経営者としての正直な気持ちではないかと思うのです。いくら政府による統計調査だといっても、うちの歯科医院の情報が筒抜けになるような気持が強く、僕はこの調査に協力するかしないか迷っておりました。

そんな中、提出期限ぎりぎりになってから僕は決断しました。調査に協力しようと。その理由は、スタッフの給与を冷静に見直すきっかけになるのではないかと感じたからです。スタッフに対する給与は僕自身充分過ぎるほどわかっているつもりでしたし、今のうちの歯科医院の経営状況を考えても最大限の誠意を示しているつもりでした。
ところが、実際に数字に書いて見直してみると、客観的な数字の印象と自分のイメージとが若干異なるような感がしました。あの人はこれだけもらっていたのか?この人は勤務時間のわりには、少ないなあ等々。

そして、いざ、返送することになったのですが、書いた調査票をみて、あらためて我が歯科医院の経営がいろいろな苦労を重ねていることも見えてきました。今回の調査、自分の恥ずかしいところを観られているような気もしつつ、自分の置かれている状況、経営状況を冷静に見つめられる機会に恵まれたと感じた、歯医者そうさんでした。


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