My life as a cat
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2022年03月15日(火) 春のマルセイユ



ロクちゃんのパスポート作りのため、マルセイユへ一泊二日の旅。治安が悪いと嫌う人はいっぱいいるけど、わたしは大好きな街。カラフルで、もう海の向こうにアフリカ大陸が見えそうな雰囲気で。ニースはのっぺり平らなのに対して、坂が多くて、海が見下ろせるのもいい。一歩大通りから小路にずれると広がってる大きなアラブ通り。ここに入ると、ここはフランスだったっけ?というくらいカオス。小さな通りに無理やり突っ込んでくる車、道端にツバを吐き捨てる人、所狭しと並べられたバスケットやスリッパやスパイス。フランスのパンも大好きだけど、アラブ人のパンもこれまた美味しいんだな。アラブ人のクレープ、ムスメンとかセモリナ粉のパンとか。ブリックも大好きなスナック。ロクちゃんは早く歩けとわたしのスーツケースをぐいぐい押した。マルセイユで夜にふらふらと出歩きたくなかったので(ましてやベビーカーを押して・・・)、あれこれ買い込んでホテルの部屋で広げて食べた。ロクちゃんはベッドの上を這いずり回り、自宅にいると永遠に終わらない家事に追われてる気分のわたしも、手持ち無沙汰でダラダラした。たまにはこんな休暇いいな。








マルセイユで美味しいものを沢山発見してきて、家で再現を試みる。中でも"Chez Yassine"で食べたLablabiというひよこ豆のスープは忘れがたい。朝の11時、朝食なのか昼食なのかわからないが、体躯のてっぷりした常連客としか見えない中年男性が、ひとり外のテーブルにつき、黙々とこのスープを食べてた。わたし達も座って同じものを頼むと、一人一本大きなバゲットと一緒にスープが盛られてきた。こんなに食べないよ、といいつつも、ぺろりと全部平らげてしまったのだった。リュカがレシピを探してきて、作ったLablabi、これが思いの外簡単に再現できた。

「おぉ、Chez Yassineの味だ!!!」

と感嘆しながら食べる。ロクちゃんもハリサ抜きのスープをもりもり頬張った。わたしが焼いたムスメンも焼き立てなだけにこりゃ美味い。マルセイユの小さな旅の土産はこうして味の記憶となり、この先も我が家の食卓に乗るのだろう。


(こんなブサ顔ほど愛おしかったりする)

Michelina |MAIL