My life as a cat
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2021年09月10日(金) 新しい椅子















桃はよく熟れたのを皮ごと食べるのが一番好きで、生で美味しいのに火を通すなんてもったいないように感じるけど思い切ってトライしてみた。白ワインで皮と種と一緒にさっと煮た白桃のコンポートの色合いの美しいことよ。サワークリームを少し入れたクリームと挟んでミルクレープの出来上がり。あっさりした爽やかな味。当りの桃が手に入ったら、やっぱり生で食べたいけど、ハズレならこうやってお菓子にしてもいいかも。それにしても、今年はなんだか果物が不調なのだろうか。桃も当たらず、昨年死ぬほど拾ったノワゼット(ヘーゼルナッツ)もどこの通りを歩いても実を生してない。毎年5kgほど収穫してるという向かいの家のオリーブは今年はぱったり生らなかったらしい。彼に理由を聞いたが、

「わからない。なぜかオリーブとかノワゼットとかそういう木の実ってそういう年があるんだよね」

ということだった。ここは世界でも有名なノワゼットの産地、イタリアのピエモンテ州のすぐ隣。ここでこんな調子だとピエモンテもダメなんだろうか。ジェラートにしても、クッキーに入れてもなにをしても美味しくて、こんなものが通り一面に落ちてる様は宝の山を見つけたような気分なのだが。この分では今年は栗も怪しいな。


椅子を買った。たった赤ちゃんひとり育てるのに、必要なものは借りるなりお古をもらうなりで凌ぎたいと、何も買わずにきたけど、離乳食をはじめて3ヶ月、そんな志も折れそうなくらいあまりにもあれこれ汚す。正直、自分が子を持つまで、食い散らかしてる赤ちゃんを見ては、教育が悪いのかしら、と疑ってたから、ちゃんと教育してる(つもり)の自分の子がこんなに汚い食べ方をするとは驚いた。果物や野菜のシミだらけになった一時凌ぎに使わせてた布貼りの椅子をシャワーで洗い流して、乾かして、とやるのに疲れ果てて、椅子は買おうと決めた。すぐに不要になるようなものを買っては後々カーヴに沢山詰め込んで暮らすなんて嫌だから、使用後人に売るなりあげるなりも出来なかったら最悪暖炉に焚べられる木製のにした。簡素な作りで組み立ても簡単だったが、座らせてみたら愛らしいのなんのって。買って良かった!テンションあがってバチバチ写真を撮る。これに座って家族の一員みたいにテーブルに就いて、夢中で食べてる姿に、その成長のめざましさを実感する。つい数ヶ月前まで仰向けに寝て、泣く以外の意思表示は出来なかったのに。寝返りをうったと思ったら、声をあげて笑うようになり、パッパ、マッマと連発するようになり、わたし達と同じものを食べたがり、つかまり立ちしたり。おしっこやうんちもほぼトイレでできるようになったし、夜もお腹がすいた時以外は自分のベッドでちゃんと寝てる(以前はわたしにひっついて寝たがって、わたしもそれが好きだったけど、お互いのために今のうちにと頑張ってその習慣を断った)。育児の渦中は無我夢中で感じ入る余裕などないけど、夜に彼が寝付いた後、毎晩写真を眺めては一日のことを反芻してる。あぁ今日も終わってしまった、ともう数時間前が恋しくなる。時が経つのが早すぎて、心がついていかない。


Michelina |MAIL