My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2018年11月09日(金) 最高に贅沢

心配して日本の食べ物を段ボールに詰めて送ってくれる母の気持ちはすごく嬉しいけど、本当のところもう日本の食べ物を恋しく思う気持ちはあまり強くない。ここの田舎暮らしは良質な食材の宝庫だ。卵はBIOの飼料で育てられた庭を走り回っている鶏のものをよく近所の人が分けてくれる。牛乳はこの町で朝に絞られたものがお店で売られる。牛乳を飲まないわたしでも違いがわかるくらい美味い。はちみつは庭先で養蜂しているところが近所にあって、そこの脇の小屋のような直売所で買える。野菜はこの辺りの農家から買い取った野菜を売る八百屋がある。山へ入ればオリーブ、ハーブ、栗、ミュール、アスパラガス、ほうれんそう、シャンピニョンなんかが採れる。果物は季節ごとに庭先のものを近所の人がよく分けてくれる。葡萄、柿、プラム、キーウィなど。必要なものはすべて半径5キロ以内の場所から調達できる。生産者や成長の過程が見える。なんて贅沢なんだろう。わたしは毎日しっかり食べて、よく働いて、十分幸せにやっている。

---------------------------------------------------------------

テレビでダンスの世界大会のようなものがやっていた。決勝有力候補のフランス・チームがインタビューを受けている。

「手ごわいチームはどこですか?」

「日本ですね」

「ほぉ、それはなぜですか?」

「だって、彼らはロボットみたいなんです。仕事の傍らでも毎日6時間練習すると決めたら必ず毎日やるらしいんです」

苦笑。「にんげんだもの ―相田みつを」の世界に生きているフランス人からしたらそうなのかもね。

ニースの駅で窓口の列に並んでいたら、前にアジア系の女性がふたりいた。リュカが耳打ちする。

「日本人だ」

「なんでそう思うの?」

「おとなしくちゃんと列に並んでるから」

そのうちふたりが日本語で話すのが聞こえてきた。


Michelina |MAIL