My life as a cat
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2018年10月09日(火) おやつの時間

フランス人はあまり間食をしない。午後3時のカフェ・テラス。ワイン、カフェ、喫煙、たいていそのどれかだけで焼き菓子やケーキなんかを食べている人は見かけない。何人かのフランス人に聞いてみた。

「間食?あぁそういえば、、、、確かにしないかもね」

みんなこんな反応だった。"間食はしない主義"なんていうストイックなものではないようで、単に習慣づいていないだけのようで、お菓子を持って訪ねれば、みんな嬉しそうに食べる。それでは一歩街へ出ればわたしを誘惑するあのパティスリーのお菓子はいつ食べるのかといえば、食後のデザートらしい。事実、フランス人と食事にでかけると、食後はちゃんとデザートまで食べる人が多い。だから間食にまで甘いものを食べては砂糖の摂りすぎとなってしまうのだろう。それではポテト・チップスなどのスナック菓子はいつ食べるのだろう。

「あぁいうのはパーティーの時食べるものかな」

確かにパーティーでは時々見かけるが、それ以外でスナック菓子を食べている大人を見たことがない。大人がアペロ(これはちょっとした間食になるのか?)の時につまむスナックといえばナッツやオリーブなんかのほうが主流のようだ。じゃぁ、市販のビスケットやクッキーは誰が食べるのか。

「あぁいうのは子供のおやつかな」

つまり育ちざかりの子供以外は間食はしないということなのか。

わたしも滅多に間食はしない。これも主義的なものではなくて、食べたら歯を磨かないと嫌なので、お菓子なんかがあれば食後にまわす。ともあれ、本当に空腹で仕方がなければ食べる。何を食べるか。フランスに来てからとっても気に入っているお手軽おやつがある。フランスの習慣などについて書かれた本(90年代に書かれたものでちょっと情報が古い)で、フランスの子供達はおなかが空けば食事で残ったバゲットに板チョコを挟んで食べていると書かれていた。この文章を読んで、わたしの脳裏を過ったのは大好きなジョエル・ロブションで売られていたミニ・バゲットだ。バゲットに薄切りにしたバター、板状のミルク・チョコレートとブラック・チョコレートを挟んだもの。バゲットとバターの塩味とチョコレートの砂糖味、バゲットの皮と板チョコのパリパリ感とバゲットの白い部分のもっちり感と口の中で溶けるバターと・・・口の中であらゆる味とテクスチャが複雑に混じりあってたまらなく美味しいのだ。ジョエル・ロブションもこんなおやつを食べて育って、そこに着想を得たのじゃないか、なんて想像した。それ以来わたしの間食といえば、バゲットにバターと板チョコを挟むというちょっとだけリッチな子供のようなものが定番になった。


Michelina |MAIL