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| 2017年01月22日(日) |
シルバースプーンでりんごのリゾットを |
昨年の秋、ふらりと訪れた蔦屋六本木ヒルズ店で衝撃的な出会いがあった。夏にイタリアを訪れて以来その美食に魅了され、もっともっと食について知りたくて、料理の本を物色していたのだが、どーんとディスプレイされた赤い本がふと目に入った。
�爛轡襯弌璽好廖璽� ― イタリア料理のバイブル��
とある。2�圓呂△蹐Δ�、分厚いバイブルだ。イタリアで60年前に初版がでてから何度も改訂され、愛され続けているらしい。伝統的なものからモダンなものまでレシピの数実に2000以上。全部ではないが、写真も大分載っている。料理の本が大好きで、書店を見かければふらりとのぞいたりするが、この本は見たことがなかった。5分ほど眺めて買うことを決めた。価格1万円。会計に持っていき、ディスプレイされたものはけっこう劣化していたため、新品があるかと尋ねた。ない、という答え。すぐにネットで取り寄せられるかと調べてくれたのだが、市場にもう出回っていないという。自分でも調べてみたが和訳は市場で最後の1冊のようだった。アメリカの英訳版は問題なく手に入りそうだったが、何せ単位がやメジャーが違うし、All purpose flourなんかを材料に使われるとこれまた日本の小麦粉とはグルテン量が違うので嫌な予感がする。ここはやはり和訳を手に入れようと決めた。
「かなり劣化してるんで値引きしてくれませんか」
してくれないだろうと思っていたが、言うのはタダなので一応聞く。しかし答えは意外だった。
「申し訳ありません。和書は一切値引きができないんです。洋書であればできる場合もあるんですけど」
へぇ、そうなんだ。後で友人にこのやりとりのことを話すと、
「六本木ヒルズの蔦屋で値切るなんてあなたって本当に面白い人ね」
と笑われた。
重いバイブルを抱えて電車に乗って広げてみた。めくってもめくっても終わらない。
そして今日やっとレシピに初挑戦してみた。家に材料が揃っているというだけの理由で選んだのがりんごのリゾット。日本人には塩っぽい料理に果物を入れるのを嫌う人は多いが、わたしはこれが大好きだ。白ワイン、バター、チーズ、材料はりんごと相性の良いものばかりだしね。
完成したお味は想像していたのとは少し違った。思っていたように甘くはなく、りんごのさわやかな酸味は白ワインと一体になり、違和感がない。バターとチーズのプレーンなリゾットに焼いたリンゴをプラスしたようなものだった。やさしいお味だ。

