My life as a cat
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2016年07月31日(日) 奇妙な雰囲気Genova Sestri Ponente Aeroporto

世界遺産に登録されているチンクエ・テッレ(Cinque Terre)まで足を延ばすことなくその手前のセストリ・レバンテ(Sestri Levante)というイタリア人にもあまり知られていない場所がこの旅の最終目的地となった。騒がしい都市は好きではないし、有名でも人気があってもどこか心の馴染めない場所というのは多々ある。わたしのイタリア初体験はセストリ・レバンテ(Sestri Levante)で良かったのではないかと思う。ここは北部だからなのか、みんな声のトーンも控え目で″陽気なイタリア人″なんて雰囲気の人には全くお目にかからなかった。むしろとても寡黙で真面目な感じの人ばかりだ。

夕方セストリ・レバンテ(Sestri Levante)を後にして空港近くのホテルへ向かう。すごく混乱したのだが、ジェノヴァ(Genova)の国際空港はセストリ・ポネンテ(Sestri Ponente)という場所にあって、同じ″セストリ″でもこれはセストリ・レバンテ(Sestri Levante)とは全く別の場所だ。空港の名前もすごくややこしい。イタリア語で″Aeroporto di Genova-Sestri″というのになぜか英語で″Genoa Cristoforo Colombo Airport″となるらしい。ググると両方でてきて、二つが同一の物とつき止めるのに時間がかかった。そして更に、″空港ホテル″と名乗るところに滞在しても実際空港までさほど近くない。地図上では歩いて10分くらいだろうという距離なのに、港に面した空港の敷地とホテルのあるエリアはHWYで分断されているので遠回りすることになる。

セストリ・レバンテ(Sestri Levante)駅から空港のあるセストリ・ポネンテ・アエロポルト(Sestri Ponente Aeroporto)駅までは電車一本で行ける。所要時間1時間半、料金は€5.6。

セストリ・ポネンテ・アエロポルト(Sestri Ponente Aeroporto)駅に到着したのは夕方の7時頃。空港というのは通常街の中心にはないもので、外れたところにあるが、この駅の周辺はものすごく車の往来が激しい。歩行者用の通路はラゲッジが一個通れるかどうかくらいの幅しかなくて、歩行者はほぼいない。というか、歩行者用の通路などではないのかもしれない。とにかく、ホテルまでは徒歩5分なのに、通路が険しく15分くらいかかった。

荷物を降ろして夕飯を食べようと駅のほうに戻った。が、レストランなど見当たらない。人影もまばらで、唯一お店が並ぶ小さな通りにもレストランらしきものが見当たらない。車は通るが人のいない町というような不気味な印象だ。やっと見つけた明るいカフェに入ると、もう閉店だという。夕飯を食べられるところを知らないかと聞いたら教えてくれた。が、言われた通りの場所へ行ってもレストランが見当たらない。通りかかった人に聞くと、この路地へ入れという。薄暗い小さな路地で心細くなる。と、レストランの入口があった。メニューを掲げてあり、価格も明記されているが、人がいる気配がない。わたしが食べるのを店員全員で見守っているような店だったらどうしようか、いや、奥でマフィアがなにか相談しているような店だったら、とあれこれ頭を過った。しかし、選択肢もなく、意を決して扉を開けて中に入った。ウェイターがでてきて手招きする。奥へ連れていかれ面食らった。そこは大きなホールが広がっていて、大勢の客がピッツァを食べている。町の人通りからは想像もつかない。この車の往来から行くとこの裏にみんな車を路駐して入ってくるのかもしれなかった。ひとまず安堵したら急にすごくおなかが空いてきた。


黒米と魚介と焼葱のリゾット。新しい味。美味しかった。


″イタリアに行ったら絶対ティラミスを″と忠告してくれた友人に感謝。マスカルポーネのミルク味が″ホンモノ″でとても美味しかった。

イタリアに入ってから″美味しい″と何度言っただろうか。美食の国なんだなぁ。コーヒーも美味いし、もうしばらくここにいたい、と思いながらレストランを後にした。

ホテルへ戻る道すがら、明朝の空港へのアクセスのことを考えた。空港まで歩いて行き、そこからホテルまで歩く時間を測ってみた。20分強。ラゲッジを持つとなると30分はかかるし、道が暗く人通りがなく恐い。しかし、タクシーとなると、今度はイタリア人の運転が恐い。どちらの恐さを取るか、迷いながらシャワーを浴び、決断せずに眠ってしまった。

Michelina |MAIL