My life as a cat
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2016年07月25日(月) 山火事ならぬまさかの土砂降りCalanques

そもそもカシ(Cassis)に来たかったのはカランク(Calanques)を歩きたかったからだ。車では入れない岩や砂利のごつごつした道にハイキング・コースがある。その先には楽園のようなビーチがひっそりと広がっているらしい。7月は山火事(自然発火の)で閉鎖することもあると読んで懸念していたのだが、予報は雨。地中海の雨なんてただのスコールだろうとかまわず出発した。

ハイキング・コースの入口までカシの町から歩いて30分くらいかかる。てくてくと歩く。


途中のビーチ。


ハイキング・コースの入口のハーバー。


初歩の道。わたしはワンピースでスニーカーを履いてきたが、本格登山ファッションの人から都心のオフィスからそのままやってきたみたいにハイヒールを履いている人までみんな恰好はさまざまだ。それでもこの辺りまではなんとか平気だが、この後もっと険しくなってくる。


ハイキング・コースに入って1時間近く歩いて海に出る。曇っているものの、海底がちゃんと見える。この辺りの海は底が砂ではなく石なので濁りにくく水の透明度が高いのだろう。


楽園ビーチにでる最後の坂。これはけっこうキツい。ハイヒール組は降りられないだろう。


楽園にでた。


せっせと2時間近く歩いてきて汗もかいている。水に飛び込む。これ最高に気持ちいい。みんな喜々として泳いでいる。が、楽しかったのも束の間、ここに着いて30分もすると雨が降りだした。すぐに止むだろうとみんな泳ぎ続けていたが、だんだん雨脚が強まってきた。帰り道の崖崩れなども危なそうなので、仕方なく町に引き返すことにした。こうして念願のカランク、楽園ビーチでの時間はたったの30分で幕を閉じたのだった。

そして、ここからが大変だった。雨脚は強まり続けて、髪から水が滴っていた。どのみち泳いで髪が濡れていたので、どうでもいいが、2時間雨に濡れながらハイキング・コースの坂を昇ったり降りたりするのは辛かった。体が冷え切って中に雨水の溜まったスニーカーが気持ち悪くて泣きたくなった頃、やっとホテルに辿り着いた。熱いシャワーを浴びて、少しベッドに横になったら元気が回復した。たった1枚持参した長袖のパーカーは濡れてしまった。雨脚は弱まったものの外は薄寒い。仕方なくホテルのバスタオルをショールのごとく羽織って外へ出て、温かい物を食べようとすぐそこの港のカフェに入った。カフェでゆっくり本を読みながらムール貝のクリーム煮を食べているとやがて激しい集中豪雨となってカフェ・テラスのパラソルが飛んだ。この地中海の集中豪雨というものはミストラルと同じくらいの激しい勢力のあるものだった。


ムール貝をクリームとワインで煮たもの。フランスの港町ではよく見かける料理。美味しいけどイタリア風にトマトとハーブで煮たやつのほうが好きだな。


エスプレッソとティラミスは最高のコンビネーションだ。

Michelina |MAIL