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″古い米はマズい″、はバスマティライスについては当てはまらない。いつか日本を去るインド人の同僚が残していったバスマティライスが食糧庫の奥からほんの一握りでてきた。見たところ虫も湧いていないし、乾燥したものだから″マズい″以外の被害はないはず。ペルシャ風の焼きめしにした。ざっと炊くとすでに特有の良い薫りが漂う。香料でもついているのかと思うほどの良い薫り。でも自然の薫りのようだ。同僚が日本でも頑なに高額なこの米を買い続けた気持ち解るな。溶かしバターを入れた鍋にごはんとハーブとスパイスとにんにくとピスタチオを混ぜたものを交互に重ね、ところどころに穴を空け、少々水を振って、蓋をしてゆっくり焼く。
30分程でパラッパラッの焼きめしの完成。レモンを絞っていただく。暑い日にしっくりくる味。ピスタチオも米もクリスピーなのが良い。古い米が立派なご馳走に変わって満足だ。
Wikipediaによれば、バスマティライスは精製してからより長く熟成したもののほうが高く売れるのだそうだ。米の熟成と言われてもイメージが沸きにくいのだが、とにかく新米がいちばん美味しい日本米とは性質が違うのだろう。
夜、パブで催されるコメディショーを見物に出た。外国人の素人コメディアン達が英語でクリス・ロックのごとくマシンガントークを繰り広げるのを顔見知りと一杯やりながら見物していたのだが、わたしの笑いのツボにはまったく響かなかった。ジム・キャリーにはけっこうウケてしまうが、たいていのオーバーアクションなものはシラケてしまう。ジム・ジャームッシュのようなスロウなテンポで腹の底からゆっくりこみ上げてくる笑いのようなものが好きだ。最初からさっと顔を見せて帰るつもりだったが、そうでなくても30分が限界だった。笑いは普通の人々の日常の会話の中で自然と生みだされるものがいちばん面白かったりする。見ず知らずの人々の視線を集め、さぁどうぞ、と身構えられて、人を笑わせるというのは大変難しいことだと思う。