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マルセイユのフツウのスーパーで買ってきたマルセイユ石鹸。キメ細かな泡立ちで使い心地よく顔も体もこれで洗っている。ふわふわと泡立てながら想うのは、青い空の下地中海から乗ってくる風にざわざわと揺られるオリーブの木。うっとりしてしまう。かなりのお気に入りなのだが、最近新たな発見をした。洗濯用の石鹸だったというだけあって、漂白剤に浸しても落ちないシミがこの石鹸バーをこすりつけてちょっと揉めば落ちてしまったりするのだ。汗染みなんかでもすっかり落ちてしまう。素手で触れる洗剤でシミも落とせるのだから、もう漂白剤は買わないだろう。
仕事でも農園でも手厚く面倒をみてくれた恩師が今年いっぱいでリタイアする。最後は有給消化などと言っても、みんながあれを教えてくれ、これをやってくれと離さないので最後の日まで来るのだろう。奥さんの手作りのおやつを持って仕事に来れば、″美味しそう〜″と女の子達に囲まれてせがまれて全部取られてしまったり、みんな野菜をもらいに彼の家の畑まで行ったり、彼の周りにはいつも人がワイワイとしていた。優しいだけではなく、厳しいことも言う人だった。言葉はそれを発する人の心の奥にある気持ち次第でどうにでも意味が変わるとうことを教えてくれたのも彼だった。″早く結婚しなさい!″などという言葉も彼に限ってはわたしを心配してくれているのだろうとありがたく受け取ることができた。みんなのお父さんでありお祖父ちゃんだった。さびしくなるな。彼のほうは自分の家の畑にテーブルとチェアを置いて田舎風景を楽しみながらお茶を飲めるようにしたり、リタイヤ生活を楽しむための準備を着々と進めているらしい。わたし達は彼へのプレゼントを計画中だ。あと何日もないな。彼から受け継いだ農園、来年からはひとりでしっかりやらなくては。