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| 2015年07月30日(木) |
ラヴェンダーの咲き誇る村々へ |
メインのラヴェンダー畑の見物。この絶景を目の前にみんな浮足たってバンを降りたのは言うまでもないが、ここでトラブル発生。収穫していた農夫(オーナー本人なのか)が早く退けろ、と怒りだした。先程訪れた葡萄畑でもそこのオーナーに怒られたのだった。やりとりの内容は理解できないが、どうもツアー会社は何ヶ所かマークして、その時々によって一番旬なところを選んで行くようなのだが、その全部のところのオーナーに許可を得ていないのだろう。要は勝手に人の土地に観光客を連れてきて、観光客が写真を撮って帰っていく。これはあちらにしてみたらいい気がしない。ガイドがさっと写真を撮るだけにして欲しいというので、数枚さっと撮り、バンに乗り込んだ。
ところが、中国人がやりたい放題だった。まず、ラヴェンダーの根にダメージを与えるので植え込みに入らないというのは厳しく注意されていた。にも関わらず、ずかずかを植え込みに入り、見ているほうが恥ずかしくなるようなカワイイポーズをとり、自撮り棒を使って撮影し続けている。ガイドが注意しても″Ok″と返事をするだけでそのまま続けている。法律の及ばないような中国の山奥から来たのだろうと一度は諦めたが、聞けば香港からだという。この後も彼らのマナーは最悪だった。
無許可に加えて中国人のマナーの悪さもあり、怒り狂った農夫は全てバンのナンバーを紙に控えていた。この後どうなったのかはわからない。
Sault(ソー)の村にやってきた。ここから丘を見渡しながらランチにする。朝買ったクロワッサンとにんじんと胡桃のサラダを広げた。サラダにはちゃんとミニバゲットが付いていた。フランスだねぇ。
このあたりはサイクリストの聖地らしい。ツール・ド・フランスのコースにもかかっているようだ。
眺めのいいカフェ
食後に町を散策。 ラヴェンダーを使った製品はもちろん、ヌガーやカリソン(アーモンドプードルをメロン・シロップで固めたお菓子)を売るお店が目立つ。冬の間、この村の人々はどうしているのだろうか。フランスでは農家は国に手厚く守られていて、お金持ちが多いという。″Talk to the snail″にあったこんな小話。
パリのチーズ専門店にて。赤ん坊を抱きカートをひいた母親が忙しく店に入ってきた。彼女は失礼な態度を取るつもりはなかったのだろうが、赤ん坊に気を取られていて余裕がなかった。挨拶もなしに、ガサツにチーズ売りの男に申し付けた。″**を**g″と。すると男がしらりと言った。
「挨拶もなしにそんな失礼な態度はないでしょう。わたしは酪農家でここでチーズを売っていますが、家に戻ればサーバントがいる身分なのですよ。見下されては困ります」
チーズ売り場は一瞬凍りつき、母親は恥ずかしさのあまり全身真っ赤になった。そして無礼を詫びて、Bonjourという挨拶から全てやり直して無事チーズを売ってもらって店を出た。
農民の家へ行くと、家にサーバント、ガレージに高級車なんてのはけっこうあるらしい。
そしてフランスでは確かに店の扉を開けると同時に″Bonjour″と、出るときは″Au revoir"と挨拶するのが常識のようだ。日本と違って挨拶をして店員と目を合わせても寄ってきて押し売りしようとすることはないので、ここは快く挨拶するといい。挨拶なしに店に入るのは泥棒と言う考えがあるのだと聞いた。
地元の男達は上半身裸が基本のファッションのようだ。そして隣人とのお喋りは窓越し。
Daniel Mathieuさんのアトリエを見学させていただいた。いくつかアトリエがあるらしいのだけど、ここに本人がいて絵を描いていた。物静かな老紳士だった。財布を盗まれていなかったら一枚欲しかった。残念。
また別のラヴェンダー畑に連れて行ってもらった。
「今度は大丈夫。オーナーと仲良しだから」
と、ガイド。このツアーの良かったところはツアー会社と土産屋や農家がつるんで金儲けを考えていないところで、一定のお店に連れていかれたり、何か売りつけられたりしないところだが、話がついてないというのもワイルド過ぎるでしょぉ。
ラヴェンダーの香りがぷんぷん漂っている。安らぐね。蜂もいっぱい飛んでるので、ハチミツも取れるのだろうか(?)。
最後までひとことも吠えなかった老犬のトラビス君。観光地でも歩くのがやっと、できれば登り坂は抱っこして欲しい、車中では寝ます、のような本当に大人しい犬だった。
そしてこれが最後の訪問地、Moniux(モニュー)。岩山が町の守り神のようになっている。
沢山日を浴びたせいだろうか、帰りのバンは寝静まっていた。