My life as a cat
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2015年07月27日(月) Saint Marie de la Mer

Saint Marie de la Mer(サント・マリー・ド・ラ・メール)に到着。ナザレのイエスの処刑を受けて小舟で逃れたその従者が流れ着いたのがこの地中海に面した町だったという伝説から「海の聖マリアたち」という名になったという。ローヌ川が地中海へ抜ける河口にあって、15分も歩けば町を突っ切って湿地に出てしまうような小さな町だ。

町の入口でお見かけした美しい猫。愛されてるのが一目瞭然の佇まい。




土産屋やレストランの並ぶ町のメインストリート。観光客で賑わっているけど、聞こえてくるのはフランス語ばかり。外国人はあまりいない様子だ。この日アジア人はひとりもお目にかからなかった。



ランチに何を食べようかと物色しながら歩く。あちこちの店先で名物パエリヤを巨大なパンでお祭りのように作っていた。



魚介料理、どれも美味しそう。しかし!ここに来る前に読んだパリに移住したイギリス人作家Stephen Clarkに書かれた″Talk to the snail"というフランス旅行のティップによれば(ブリティッシュばりばりのブラックユーモアの本でジョーク半分、本気半分のようないい加減なガイドなのだが)、生牡蠣なんかはすごい確率でアタるらしいので生はパス。結局はブイヤベースの質素版のようなSoupe de poisson(魚介のスープ)を前菜に、メインは魚介グラタンにした。Soupe de poissonはブイヤベースと同じくルイユと呼ばれるアリオリソースのようなものとバゲットが一緒に来る。バゲットに生のにんにくを押し付けてルイユをつけてスープに浸して食べたる(まぁ食べ方に特に決まりはないらしい)。この素っ気ない見た目のスープ、すごく濃厚。これだけですでにおなか一杯になってしまった。メインのグラタンはお魚がゴロゴロ入っていてものすごくバターが効いていた。美味しいのだが、全て胃に収まらなかった。







さて、おなかを満たしたところでそのまま通りを抜けると。。。。

見えた、地中海!



またまた″Talk to the snail"からだが、フランスが国をあげてヴァカンスを奨励するにはこんな理由があるのだそうだ。

「フランス人に長い休暇をあげると、休暇が長いせいもあり、経済的にも海外へ行くよりも国内の田舎へ行きのんびりとすることを選ぶ傾向にある。そのため、普段は静かな田舎町の経済が潤うことになる」

要するにヴァカンスは経済政策なのだと。納得!海辺でもフランス語しか聞こえてこない。女性はトップレスで肌を焼いてる。彼女達にとってシミ・ソバカスは夏を謳歌した勲章なのでしょう。こういう方々は肌は衰えても、どこか自由奔放で天真爛漫な雰囲気が漂っていて、決して気味の悪い老け方はしないものだね。




わたしもひと泳ぎしてクールダウン。石のベンチに水着を置いて乾かそうと試みたのだが、水着より前に自分が干からびた。



町に戻り、裏路地の土産もの屋を散策。名産カマルグの塩はすごく高くて手がでない。オリーブやヌガー、昔ながらの製法で作るマルセイユ石鹸もよく売られてる。



カウボーイの町らしい街灯


町のシンボルである教会の屋根に登れるというので、入口で€2.5支払った(チケットのもぎりの男の子がとてもタイプだった。鳶色の瞳に長い長いまつ毛の絵に描いたような地中海系のイケメンだ。英語もできたので少し話したのだが、優しそうな青年だった・・・が、彼はおそらく高校生で、夏の間だけそこでバイトしているのだった(爆))。ヨーロッパの教会は大抵昇るまでが険しいのだが、ここはそう高さがなくて楽だった。

ブルーとオレンジばかりの世界













よく遊んだ一日だった。バスに乗ってアルルに帰る。1時間に1本しかないバスなのに、バス停で並んでいた人全員乗車できず、わたしより後ろに並んだ人々は次を待つようにと言われていた。なぜか、バスの中はフランス語を喋るアボリジニのような人ばかりだった。フランス領の島によくいるような見た目の人々だ。生態は野性的でやたらうるさい。みんなでぎゃぁぎゃぁとずっと喋っている。滅多に渋滞などないのだろうアルルまでの一本道でバスがのろのろと動かなくなった。すると数人のアボリジニ達がドライバーに近寄っていって何か言い、バスを降りていった。数分後また戻ってきて乗り込んできて、彼らが何かを報告するとまた騒々しくなった。10分後車内はさらに沸き立ち、みんなが一斉に窓ガラスに貼りついて外を見ている。i-phoneを取り出して写真を激写している人も。なんと両脇に正面衝突したのだろう2台の車が横転しペシャンコになっていた。見通しのよい一本道、相当のスピードがでていたのだろう。楽しい夏のレジャーも一瞬にして地獄に変わる。バス停で立ち乗りは禁止だと頑なにそれ以上乗せなかったこのバスのドライバーは正しかったのだとつくづく思い直した。

Michelina |MAIL