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| 2010年12月11日(土) |
Black stallion |
すっかりダミアンとの土曜の夜の習慣になってしまった映画鑑賞。といっても映画館にいくわけじゃなくって、ベッドにおやつを広げてDVDを見る。新宿で待ち合わせて、人・人・人でごったがえした街を逃げるように抜けて、静かなダミアンの家で観る。
今日観た1979年のフランシス・フォード・コッポラの作品、"Black stallion"(邦題:"ワイルド・ブラック、少年と黒い馬")はなんとも美しい映画だった。考古学者の父親と船旅をしていた少年は船の中でアラブ人が連れていた凛々しい黒い暴れ馬に心を奪われる。ある日、船で火災が起こり、馬も少年も海に投げ出される。少年が目覚めると、そこは見渡す限り海と砂漠以外に何もないところだった。暴れ馬が縄に絡まってもがいていた。少年が縄を切って開放してあげたのをきっかけに、ふたりだけの遭難生活の中で少しずつ少しずつ打ち解けていき、やがては少年が馬に跨り水際を疾走するようになる。ニューヨーク生まれの少年が遭難して、海草や貝だけで食い繋いでいるというのに、馬と走りまわる体力がどこにあるんだ、とか、馬に乗って両手を離すなんて自殺行為じゃないのか、とか、この映画にはツッコミを入れたい箇所が沢山あったが、その簡潔な映像の美しいことよ。白い砂浜と海と空、そこにいるのは心を通じ合わせた馬と少年だけ。不遇にあっても、そこにある全ての自然に祝福されているようなふたりだった。
やがてふたりは助け出され、ニューヨークに戻るが、少年の人生はこの黒馬と離れることはなかった。
わたしは人間と動物の友情物語にはめっぽう弱い。
「狼と人間も観たし、今日は馬と人間だったから、来週は犬と人間にする? じゃなかったらイルカと人間でもいいよ。」
と聞いたらダミアンはしかめっ面であった。来週は折れてミステリーサスペンスを見てあげようかな。