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| 2010年08月11日(水) |
借り暮らしのアリエッティ |
観てきた。いつもの宮崎アニメの出だし。鬱蒼とした森に照りつける夏の強い日射しが木々の隙間から差し込んで創りだす光と影のコントラスト。車で森に入り、森を抜け、そしてそこで主人公の新しい暮らしが始まる。
これは人間の住処の床下に住む小人と人間界に住む心臓病を患った少年の物語。小人は人間に姿を見られたら引越しをするという掟があるにもかかわらず、アリエッティはこの病弱な少年に心を開き、姿を見せて会話するようになる。
生きることを諦めかけた少年は絶滅の危機に瀕しても力強く生き延びようとする小人のアリエッティに言う。
「君達は滅び行く種族なんだ。」
子供が世界を諦めたようにそんなことを口走るのが悲しい。
「簡単に絶滅などしない。」
と小人は強く言い返す。
人間も小人も生き物は全て同じだ。頭脳が発達した人間は何かを悟って生きることを諦めてしまうこともるけれど、なんとか行き延びようという本能は全ての生き物に宿っている。やがて少年は小人に夢や勇気をもらい生きる希望を取り戻していく。
他の作品と比べるとストーリーの展開はおとなしいが、自然や森、そしてそこに住む動物から精霊まで、小さな子供の目の高さでなければ見えないものを大人に気付かせてくれる宮崎アニメの魅力がきちんと詰まった作品だった。