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まるでそれが義務かのように毎日Jは仕事を終えると電話をかけてきて迎えにやってくる。一緒にいられるのは嬉しいけれど、小さな難点は食事。肉を食べないわたしと、好き嫌いの多いJ。二人とも食べられるものを探すとジャンクなベジタリアンフードといったものになりがちで、それが続いたら体が弱ってきた。白米にひとつかみの玄米と16穀米を混ぜたほんの少し青くさい"わたしのご飯"が恋しい。それにひじき煮でしょ、きんぴらごぼうに、冷奴、ワカメと長ネギの味噌汁にピーマンの甘辛味噌煮、大根おろしとシラスに醤油をかけたのとか、、、、。雑穀たっぷりの茶色いパンとスイスチーズ、マリネードオリーブの朝食は大のお気に入りだけれど、ピッツァやパスタは月に一度くらいのペースでないと楽しめない。
他人は自分の期待どおりの言葉をくれない。
「彼女は両親も母国にいたから帰りたかったんだ。だから止めなかった。」
Jから聞いた過去のガールフレンドの話に自分の過去を重ね合わせてムキになった。
「That's bullshit! 男のひとことで女の気持ちなんてころりと変わってしまうのに。」
"You can stay here"なんて言葉じゃなくて、"Please be with me"という言葉を何年も待っていたのに結局それを聞くことはなかった。満たされないから実質一緒にいてもいつもどこか孤独で日本が恋しかった。責任感が強いからこそ軽はずみにそんなことを口走らないと一方では理解していた。けれどもう一方で理屈じゃない、素直な感情を見せてほしいと"ただの女の子"である自分が愚図っていた。勝手に他人に期待をかけて、それが起こらないことに苛立ったり傷ついたりするべきではない。経験から学んだことだ。感情をコントロールできるかは別として。悩み傷ついて行ったり来たりした道を辿りながら、もっと若かった自分を慰めてあげたい気がした。