My life as a cat
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2010年05月04日(火) またいつかね

ホリデイ最後の日。朝にシティで買い物を済ませて、午後はゆっくり料理をした。夜に会おうと誘ってくれたものの、責任の重い激務の合間に時間を作ってくれたJが少しでも寛げるようにと夕飯にお寿司のお弁当を作り、アレックスが悪戦苦闘の末拵えた花の咲き乱れる庭で日光浴をして、あまりにもの空の青さに心を洗われた。

夕暮れ時、作業着姿のままのJが迎えにやってきた。しっかり労働してきた男の匂いがした。彼の家に行き、お弁当を広げて寛いだ。引越したばかりで何もアンパックしていないというものの、荷物はダンボール二つとギターが二本だけだった。彼の好きなヨーロッパのジプシーの歌のようなどこにも根を張らない気楽さと孤独さを感じとった。

お腹を満たして食後のコーヒーを飲みながら、Jの弾き語りを聴いた。リレーションシップを単純にしか考えられないわたしは、一緒にいてこんなにハッピーなのにどうして離れてお互いの生活に戻っていくのか解らないと泣き、仕事柄一年の半分を旅行しているJはどうやってこんな生活の中でリレーションシップを保てばいいのか分からないと狼狽えた。

車で家まで送ってもらった。前回のホリデイの最後の夜と同じような空気の夜だった。Jもその時のことをよく覚えていて、
「あの時君は握手してから一秒で去っていった」
と小言を言った。今回はもちろん違った。しかし典型的な女であるわたしはすでに言いたいことは全てJのベッドの上でぶちまけ、泣いてきたから、もうすっきりと覚悟ができていた。ここにきて別れが受け入れられないのはJのほうだった。わたしが意を決して車から降りたというのに、ゆっくりアクセルを踏んで去っていったかと思えば、また引き返してきて、ウインドウが下り、わたしの手を握った。いつまでたってもなかなか離れることが出来なかった。


Michelina |MAIL